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The Baseball Novel  作者: N'Cars


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大阪駅

 大阪駅までたった1駅、4分間だけの移動。しかしながらその大阪駅では停車してからの余裕があるらしく、停車時間が5分もある。ということは大阪駅…、相当なメイン駅なのか…。


「次は?」

「次って…、大阪駅やん」

「違う。大阪駅の次」

「ああ。大阪駅着いたら大阪環状線の内回り方面で西九条(にしくじょう)まで。外回りでも行けるけど、時間にしたら内回りのほうが早く着くで」


 立って吊り革に掴まりながら、横に移動して行く様に見える景色を視野に入れつつ、永田が関川に次の移動行程を確かめた。



 しかし、4分というのは早い。直前まで新幹線で長時間移動して来た彼らにとっては、4分は秒の様にあっという間に過ぎていった。



『ご乗車頂きありがとうございます。間も無く大阪、大阪です。6番線に到着いたします、お出口は左側です。乗り換えのご案内をいたします』



 大阪環状線内回り西九条・弁天町(べんてんちょう)方面へは1番線ホームへ―乗り換え先の番線がよりによって1番線ということもあって、早々に必要なアナウンスが終わった。


「皆、忘れ物はせんといてな」

「ゴミあったらちゃんと持ち帰れよ」


 乗り換えの準備を進めながら、関川(副キャプテン)永田(キャプテン)の呼びかけもあって忘れ物やゴミが無いか確かめつつ、左側のドア前に次々と並んで行くN`Cars。最終チェックを終えて永田も並んだタイミングで、電車はスローダウン、ゆっくりと6番線ホームで停車する。



―人多いな~…。


 降りる直前の車窓から、ホームで待機している多数の人を見た永田は、ボーッとしながらこう思った。このお客と乗り換え本数の規模から言えば停車時間5分は寧ろ妥当なんだろうな…。



 ドアが開く。降りる時は自分の立っていた位置から最も近いドアを選んでそこからそれぞれ降りていたが、ホーム上で再び集合した。と、


「ここから大阪環状線の内回りで西九条までな」

「ホームは隣の隣やから…、エスカレーターで南北連絡橋使って渡るで」


 関川と片山が他のメンバーに案内した後、率先して “ Follow me.” と言わんばかりに歩み始める。それに続いて他のメンバーも、続々とついていく。そのまま順次エスカレーターに…、片山と関川は兎も角として、他のメンバーはどちらかというと2人の見様見真似で右側に乗った。



「ところで何で左側(こっち)空けてんの?」

「さあ…、向こうから誰か来るんじゃない?」

 三池が左手でエスカレーターの一番上を指差す。

「アホ、そらエスカレーターの逆走や」

「危ないて…、エスカレーターて普通上下線1本ずつやろ、1本で2方向同時に動かせるエスカレーターてあるかいな」



えぇ…、三池の信じられない一言に、N`Cars含む会話が聞こえていた皆さん全員の空気が冷えた。会話を切り出した小宮山も、即座に突っ込んだ関川と片山も、気持ちは完全に引いていた…。


 暫くそのままの空気でエスカレーターを登った彼らは、南北連絡橋を左に進んで大阪環状線の内回り方面のホームへと繋がるエスカレーターに乗った。ここでも全員右側に乗っていたが…、空気は冷えっ放しだった。


 どこかの冷蔵室にでもいるかの様な冷えっぷりで、1番線ホームに到着。あとは内回りの電車の到着を待つのみだ。


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