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The Baseball Novel  作者: N'Cars


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進む時間と増える乗降客

 やまびこ・つばさ号は東北新幹線の上りレールを走って東京方面に南下していた。新幹線専用の高架レールを、十数両の列車が南下する。


『ご乗車頂きありがとうございます。ご乗車の新幹線は、東北新幹線上り宇都宮・大宮・東京方面行きの列車です。停車駅は、郡山(こおりやま)、宇都宮、大宮、上野、終点の東京です。次は郡山、郡山です』


 やまびこ号に引っ張られているつばさ号は、在来線との共用区間や山間部を通るという事情もあって山形新幹線のレールでは体験できない様な速度域に達していた。山形新幹線の場合最高でも時速130km/hだが、今走っている区間はその倍以上だった。速い。だがそれでも福島から郡山まで14分ある。



……



『間も無く郡山、郡山です。13番線に到着いたします、お出口は左側です。乗り換えのご案内をいたします』


・東北新幹線上り大宮・東京方面 郡山駅発着の「なすの号」ご利用の場合→11番線へ


・在来線は全て1階へ降りる

 ・磐越西(ばんえつさい)線 猪苗代(いなわしろ)・会津若松方面→1番線へ

 ・東北本線上り白河・黒磯方面→2、4または5番線へ

 ・東北本線下り二本松・福島方面→2または4番線へ

 ・水郡(すいぐん)線 磐城(いわき)石川・水戸方面→3番線へ

 ・磐越東(ばんえつとう)線 三春・いわき方面→6番線へ



 約14分間、殆ど誰も言葉を喋らなかった。最早本当に人が乗っているのかすら怪しい程車内が静かな車両を引っ張り続けたやまびこ・つばさ号は、郡山駅の13番線ホームへ入るべくスローダウンを始めた。JR水郡線の水戸方面や、東北本線の黒磯方面が案内されていることや、東北新幹線のうち、主に郡山から東京を結ぶ「なすの号」が案内されているあたり、愈々関東に近いことが窺える。


 新幹線が完全停車して、自動ドアが一斉に開く。左側に見えるホームに書かれた駅表示板には、次の駅は新白河(しんしらかわ)となっているが、今乗っている列車はその新白河と、その次の那須塩原(なすしおばら)には停まらないので、東北地方の駅としてはこの郡山が最後で、関東地方に入ってから最初の駅は宇都宮である。


 乗降客を捌き切って自動ドアを一斉に閉めたやまびこ・つばさ号は、東京方面へ発車した。朝の通勤・通学ラッシュであることや、福島県内でも主要都市の1つということもあってか、乗降客はそこそこ多かった。



 県と地方を越えて宇都宮に着くまでに2駅あるが、どちらも御構い無しと言わんばかりの速いスピードでホームを駆け抜けていった。



……



 郡山を発車してから約25分が経過した。

『間も無く宇都宮、宇都宮です。4番線に到着いたします、お出口は左側です。乗り換えのご案内をいたします』


・在来線は全て1階へ降りる

 ・日光線 鹿沼(かぬま)・今市・日光方面→5または7番線へ

 ・宇都宮線→5、7、8、9または10番線へ

 ・湘南(しょうなん)新宿ライン、上野東京ライン→何れも7、8、9または10番線へ

 ・烏山(からすやま)線→9または10番線へ



 都市圏に近付けば近づく程、朝から時間が進んで昼に近付けば近づく程、鉄道路線の利用率も増える。郡山も中々だったがこの宇都宮は湘南新宿ライン、上野東京ラインとある様に、日本の首都である東京に直結する鉄道路線が2本も用意されているので、尚更だ。


 やまびこ・つばさ号が4番線に停まった。左側の自動ドアを挟んでホームと列車の間を行き来する人が、案の定と言えば案の定だが増えた気がする。


 しかし、幾ら人が増えても停車時間1分は変わらない。午前8時半前。お勤め先の企業や通学先の学校では早ければ始業の時間になるであろうこの時間に、1分間で多くの乗降客を捌き切ったやまびこ・つばさ号は、東京方面へ向けて発車した。


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