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The Baseball Novel  作者: N'Cars


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103/136

移動日の早朝

※当話で登場する長井駅について、現在駅舎は建て替えられて、駐車場等周辺の設備も刷新されています。


 しかしながらここでは作中の時間軸に合わせて、周辺設備も含めて建て替えられる前の駅舎だった当時のもので描写していますので、一部現在と駅構内や周辺設備の内容が異なっている場合があります。


 何卒ご理解頂けますと幸いです。

数日後




朝6時前、山形県N市 長井駅




 N`Carsのメンバーは全員、長井駅の駅舎内にいた。昨日までの間に、山形県大会で授与されたメダルを全員に配り終えて、周りがいちいち騒ぎ過ぎない様に徳山監督と主将(キャプテン)の永田の2人で、マスコミには非公開という形式で市長へ挨拶を行って激励を頂き、チームで使う道具は地元の運送会社が手配したトラックに積んで、メイン会場の大阪府内の宿の近くまで運んで貰う、という作業を全て終えた。


 梶原も、早朝に愛猫の栄を大家さんの家に預けてからここに来ている。だがその梶原を含めていつも車で市外から長井へ来ているメンバーは、タクシーや他の知り合いの車に乗せて貰うといった方法で長井駅に来た。というのも、抑々長井駅にはロータリーはあるものの市外から長井へ来ているN`Carsのメンバー全員の車が停められる程の駐車場が無いこと、早朝では公共交通機関を使おうにもバス・鉄道ともにまだ始発の時間では無いこと、いつものグラウンドの駐車場が川の近くなので、遠征中に川で何かあれば駐車場に停めていた車が最悪、被害に遭いかねないという3つの理由からである。


―眠てぇ…。

―でも今日は長井(ここ)から大阪までの移動だもんな、仕方無い。


 早朝ということもあって、皆このようなテンションと心持ちだった。それでは始発列車を待っている間、今日の移動行程を簡単に説明しよう。




長井→赤湯⇒東京⇒新大阪→大阪→西九条→桜島


1.途中の駅は全て乗り換え駅。

2.→は在来線、⇒は新幹線。




 と来て、桜島駅近くにあるホテルへは徒歩で向かう。このホテルが、全国大会期間中におけるN`Carsの宿舎である。


「おはよう」

「おはようございます」

 徳山監督の挨拶に、全員が応えた。

「皆いるな?」

「はい、います」

「良し、じゃあそろそろ来るがら、行くぞ」

「はい!」


 永田が質問に答えると、徳山監督は早速全員を引き連れてホームへと向かった。


 長井駅は有人改札のみだが、その改札口も早朝で業務前ということで閉まっていた。今回は団体利用なので、既に団体乗車券を持っていた徳山監督に続いて選手・マネージャーも改札を通過して自動ドアを抜けて、ホームへと向かった。


 長井駅のホームは、駅舎を抜けてすぐの構内踏切を渡ってから島式のプラットホームに辿り着く、というルートになっている。長井線の長井駅は上下線、このホームから乗り降りする。


 全線で単線非電化区間の長井線だが、起終点且つJR奥羽本線・山形新幹線とも接続している赤湯駅を除くと、駅構内で上下線毎に別々のホームに分かれているのはここと、今泉駅、隣の南陽にある宮内駅の3駅だけである。今回は利用しないが、今泉駅はJR米坂線とも接続している。


 少し経って、隣の白鷹にある荒砥駅方面から、ディーゼル機関車が南に向かって走って来た。これが恐らく赤湯行きの1番線に入る上り列車だろう…、と左側から来るディーゼル機関車を見ていたら、アナウンスが聴こえたので確定した。


 ディーゼル機関車が駅の手前からスローダウンして、構内踏切を越えてゆっくりと1番線ホームに入って停車する。全車半自動ドアを採用している長井線では、乗降時はどちらもドア近くのボタンを押してからドアを開閉させて乗降する。


 ということで、N`Carsのメンバーも先頭の人がドアボタンを押してから順次乗車。始発ということで乗車人数が少ない車両の中に、男女合計20名のスポーツ団体が乗り込む。全員が乗り終わると、他に乗降客がいなかったことから、半自動ドアは強制的に全て閉まった。


 朝6時過ぎ、ディーゼル機関車は長井駅から赤湯方面に向けて発車した。N`Carsにとっては、これから大阪への長旅が始まったことを意味する発車だった。


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