『千本のナイフ』
俺は言われたとおりナイフを投げた。
「あえ?」
ナイフが勝手にまるで・・・自我を持ってるかのように・・・
「ホッホッホ、やはりそうですか、貴方の武器は自我を持ってるんですよ武器の造型者の
ターゲットを殺るという主要目的+その目的を達成するための作戦を独自に考えることが出来る武器、それに今は一本しか出していなかったけど この手の武器は何本でも出す事が出来る
もちろん時間が経てば消えてしまうがね?」
なるほど、これが60億人に1人の逸材・・・・
あまり自覚は無いがどうやら凄いらしい。
「そうだ、夜月君、高津君、私の夢の中で戦ってみてはどうでしょう?
私は夢を操る事が出来る。私の夢の登場人物に君たちの自我を移せば夢の中で二人は戦うこ
とが出来る。一種のトレーニングです。終われば元通り死にはしませんし怪我も無いです」
あまり気がすすまないが、その場の雰囲気で俺はオーナーの夢の中に入った。
「二人とも準備はいいですか? それじゃ開始!!」
「高津君、本気で来てくださいよ?僕だって本気で行きますから!!」
先に動いたのは夜月のほうだった。
槍の造型をしつつ空たかく飛び上がり俺めがけて飛び込んできた。
「・・・クッ」
はやい。ナイフがあたらない・・・自我を持つナイフ・・・・
量産型の自我を持つナイフ・・・・
「・・・!!」
俺はあたり一面にナイフを投げた。
大量に散らばったナイフは千本あまり、
夜月は俺の行動見て一旦、空へと引き返した。
「・・・今だ、散れ!!」
俺の叫び声で目が覚めたかのように千本のナイフが夜月めがけて飛んでいく。
「グフッ・・・アッ・・・・」
心臓を・・・と言うより全身をナイフで刺された夜月が落ちてきた。
「高津くん、・・・・君は・・・強いね・・・・」
その時オーナーの声が聞こえた。
「それまで!!」
気が付けば元の事務所に居た。
「見事でしたよ高津くん、あのナイフ裁き、素晴らしいじゃないですか」
「夜月は?夜月は?大丈夫なんですか?」
あれだけのナイフが・・・
「大丈夫ですよ?あれはオーナーの夢ですもの。それより慎くんはすごいなー
慎くんの事がもっと知りたくなったよ、今日は一緒に寝ようか!」
この人はホモですか・・・・・・
「はぁ?何?・・・」
迂闊にも奴の作戦に乗ってしまったことに俺は気が付いてなかった。
「それってツンデレですか?好きなんでしょ?僕の事が?」
物影からスッとオーナーが出て行くのが見えた・・・
「ちょ?オーナー?何処に・・・」
返事は無かった。
目の前には夜月・・・後ろは壁・・・絶体絶命のところに天使のような声が・・・・
「またやってんの?」
・・・・・誰?