おにぎり屋ふくふくとクロ
掲載日:2026/03/08
ほっこり読める短い童話です。
町の小さな通りに、おにぎり屋「ふくふく」がありました。
店主は、やさしいおばあちゃんのふくさん。
ふくさんのおにぎりは、食べると少し元気が出ると評判でした。
町の人は言います。
「ふくふくに行くと、元気が出るんだよ」
小さなおにぎり屋には
いつもあたたかい香りが広がっていました。
そしていつのまにか――
タラコ好きのミケ。
ツナマヨ好きのまぐろ。
おかか好きのトラ。
梅ぼし好きのシロ。
猫たちが集まるお店になりました。
お客さんは笑います。
「ここ、猫も元気になる店だねぇ」
ふくさんも笑いました。
「そうかもしれないねぇ」
その日も、ふくさんは
塩むすびを握ります。
すると――
店の前に、一匹の黒猫が座っていました。
ふくさんは言いました。
「おや、お腹がすいたのかい?」
できたてのシャケおにぎりを差し出します。
黒猫は、ぱくり。
「にゃ」
それが――
おむすびクロと、おにぎり屋ふくふくのはじまりでした。
おにぎり屋「ふくふく」のお話は、まだ少し続く予定です。




