表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔導軍師ハンニバル  作者: 古河新後


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/40

第15話 序列は……50……位ですけどぉ?

「改めて、自己紹介と行くか」


 五人の魔女と同じ高さで座るハンニバルはそう告げる。


「ハンニバル・K・バルカだ。よろしくな」


 ハンニバルは首に『無限刑』を中断した事による“紋章”が刻まれている。袖の広い長袖の服を着ているが、手の甲から腕にはタトゥーが見えてた。


「序列4位、ラシル・スプリガンよ。使い魔は『スプリガン』」

「おー、『スプリガン』か。使いこなすの大変だろ? 距離を見誤ると地形を破壊しちまうしな。その歳で4位とは優秀だなお前さん」

「え、ええ。ありがと」


 ラシルはハンニバルの発言に戸惑う。視界内に顕現する“スプリガン”を使いこなすには適切な距離感が必要なのだ。ソレを知っているとは……


「そう、驚くなよ。こう見えても『宮殿』では“魔女様”のサポートと生活の改善を任されてたんだ。過去の使い魔に関する資料は一通り目を通してる」


 ほれ、次。とハンニバルはミカを見る。


「序列13位、ミカ・バルバトス……使い魔は『バルバトス』だ」

「『バルバトス』っつーと『鉄鋼街』か。お前さんがここに居るって事は、落ちたんだな?」

「……あんたの記憶を見た。私の民と妹を殺した男が映っていた」

「恥ずかしいねぇ」

「お前は……敵か?」


 ミカの怒りに呼応する様に“バルバトス”が背後に現れる。ミカの命令一つでハンニバルの首を容易く捻れるだろう。


「マジかよ。ガイダルのジィさん来てるのか」

「私の質問に答えろ! お前は――」

「あのジィさんは昔の仕事仲間だ。今は知らん。何せ、最後に肩を並べてから200年以上は経ってるからな」


 まだ、生きてんのかよあのジィさん。とミカからの殺意よりも、どこぞにいるガイダルの事を気にかける。

 ハンニバルの言葉はこの場で取り繕うモノじゃなかった。ただ、真実だけを語る。


「……本当だな?」

「これから信頼関係を築こうって時に嘘なんて言わねぇよ」


 その言葉にミカは“バルバトス”を消す。悪くない殺意だ、とハンニバルは微笑んだ。


「……10位リタ・イフリート……使い魔は『イフリート』……です」

「『イフリート』。ハハハ、コイツは幸先が良いな」

「……どうも」


 それだけを言ってリタは膝を抱えた。その様子に、コイツは重症だな、とハンニバルはリタの様子は戦場では良くある事だと一旦は置いておく。


「序列15位モナーク・チーリンです。使い魔は『麒麟』」

「お、巨乳の姉ちゃんは『麒麟』か。レアな使い魔に見初められたな」


 スプリガン、バルバトス、イフリートと違って、『麒麟』は自然顕現にて宿る事が多い。


「主に“伝達者”をしています」

「交通拠点は今も機能してるのか?」

「はい。おかげで、ラシルちゃんを助ける事が出来ました」

「そうか。なら、オレが考案した伝達組織も少しは役に立った様でなによりだ」

「国内でも重宝されています」


 “麒麟”は移動手段としては破格の性能を持つ。機動力を持っているかいないかで、戦い方は大きく変わる。


「はい! はいはーい!」


 自己紹介が最後に回ってきたキャスが手を上げて元気良く立ち上がった。ハンニバルと他四人の魔女が視線を向ける。


「私はキャスレイ・バエル! 使い魔こと、人生の相棒は『バエル』なのです!」


 ピシッと、ポーズを決めるキャス。その足下で“バエル”も、キリッ、として、ぽよん、と跳ねた。


「……キャス。貴女……そのポーズはなに?」

「あたしの名乗りだよ! 皆のポーズも考えてあげようか?」


 一人でやってなさい、とラシルの言葉に他三人も同意する。するとハンニバルは、


「キャスレイ……」

「あ、キャスで良いよー」

「じゃあ、キャス。お前は“バエル”を顕現したのはいつだ?」

「え? あたしが生まれた時からずっと一緒だよ? 魂の友! ねっ?」


 キャスの言葉に“バエル”は嬉しそうに跳ねる。その言葉にハンニバルは、ハハハ、と笑った。


「キャスに気になる事でもあるの?」

「何だ、お前ら。何も気づかないのか?」


 キャスと“バエル”。それは魔女達からすれば、至極普通な魔女と使い魔の関係に見える。しかし、ハンニバルからすれば明らかに“異常”だった。


「ずっと出てるんだぞ? “使い魔”が」


 その言葉に魔女四人はキャスを見る。え? なに? と、視線を向けられたキャスは驚いた。


「え? え? 皆も……ずっと出せるでしょ? 使い魔」

「無理よ。魔力が無ければ使い魔は実体を帯びないの」

「使い魔の種類や、魔女本人の魔力の総量にもよるけど、丸1日出せれば長い方よ」

「それに、気を失えば使い魔は消える。次に呼び出すまでな」

「…………」


 ハンニバルに言われるまで、四人は気づかなかった。“バエル”は明らかに自分たちの知る使い魔の定義を大きく外れている事に。


「キャス、お前は序列何位だ?」

「え? 序列は……50……位ですけどぉ?」

「ハハハ」

「ちょっと! ハンニバルさん! 笑わないでよ!」

「見てみぬフリをしてるのか、それともマジのマジで気づいてないのか」


 更に笑いを堪える様にハンニバルは告げる。


「キャス、“バエル”を持った魔女は『ミステリス』の歴史の中でお前も含めて二人だけだ」


 “バエル”の能力に関する詳細な記載は残っていない。しかし、ハンニバルが過去に“バエル”と共にあった魔女が残した古い記述を見つけていた、そこには――


『私は“バエル”と共に『ミステリス』を創った』


 とだけ書かれていた事を思い出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ