第0話 プロローグ
知っていたんだ。自分にどれだけ強い力があってもそんなの無意味だって、馬鹿の幻想だって、、でも思ってしまうんだ。自分だって凄い力が、それこそ漫画のような、スーパー人間になれるかも知んないんだって。でも、やっぱり人間根っこは変わらない、変わろうと思っても、寝て起きたらそんなの忘れて生きるのに必死な日々に溶け込んでいく、、せめてこの『意伝子』が上手く使えればなぁー
「かわりてぇーなぁ、」
「おいてめぇーらよぉ?ガキにまだ息の根があんじゃねぇか、しっかり、始末しとけって言っただ、ろ!」
ぐしゃ、その音が自分から鳴った音だと気づきたくなかったが、気付いてしまったものはしょうがない、
せめてもう少し優しく殺して欲しかった。痛い。
そうして、この僕という物語が終わろうとーーー
「千里、『今回は』ここにいたんだね、ごめん。遅れた。」
「なんで俺の、名前、」
その声が聞こえた時、誰の声かわからないはずなのになんだか安心した。
「なんだぁ?てめぇ?ぶち殺s、」
ぐしゃ、今度は自分じゃない、他の生物が潰れる音が聞こえた。
「さぁ、行こう千里。」
そういって、僕のぐしゃぐしゃな体はまるで時間が戻ってくかのように、元に戻っていくのだった。
普通ではあり得ない事。まるで魔法のような、いや違う。これは魔法だった。そういう世界にきたのだった。
「君、は、?」
いくら体が戻ったとは言え、心と脳はまだ痛みや忘れてないらしく、もう意識が持たなそうだ。だからせめて、名前ーでー、もーー
「おっと、、危ないなぁー、いつもいつも千里くんは。さ、」そう言って誰かが僕を運んで行ったんだと思う。
ーー「さぁ、千里、今度こそはやってやろう。」
こうして僕の第一幕が終わった。