弱者ビジネスが崩壊するのが先か、社会が崩壊するのが先か
先日、いわゆる弱者ビジネス(自分は弱者だと主張する方の弱者ビジネスでは無く、弱者をターゲットにするビジネス)をしていた人間が刺殺されるという、
弱者ビジネスの末路とも言うべきニュースが流れた。
とはいえ、世の中に蔓延っている弱者ビジネスマンの数を考えれば、あんなニュースは誤差のようだものだ。
そもそも多くの弱者は貢ぐために借金をするだけの信用が無いし、今回のように借金をする手口まで教えて貰うようなケースはまさにレアケース。
だから皆さんは安心して弱者ビジネスを続けるといい。
とは流石にならない。
貧富の差、勝ち組負け組の差が広がったことで、必然的に弱者も目立つようになり、
それをターゲットとした弱者ビジネスも横行するようになった。
失礼な話だが『なろう系』だって、読者層を考慮すれば十分に弱者ビジネスの一角だ。
ただ、弱者ビジネスにはいずれ限界が来ると私は考えている。
理由の1つは、『弱者そのものにターゲットとしての価値が無い』と判断される可能性。
ほとんど収入の無い弱者であってもアニメやYoutubeを無料で見る事が出来るのは、
ネット小説が無料で見れるのは、
弱者にも広告が表示されるからだ。
ただ、収入の無い弱者に広告を出したところで、購買力も当然ながら無いのだから意味は薄い。
実際のところ、『Youtubeに広告を出す意味はあるのか?』は今も議論が尽きないテーマであり、
『広告を出す意味は無い』と結論づけられた場合、それまで子供の憧れであったYoutuberの価値も崩壊する。
Youtubeがプレミアム会員のみとなった場合に月額いくらで成り立つのかは不明だが、利用できなくなる弱者もそれなりにいるだろう。
2つ目の理由は『加齢と共に弱者具合が悪化する』。
弱者ビジネスを好んでいる弱者が、時間と共に弱者を抜け出せるかと言われたら、残念ながら難しい。
異世界に転生して無双だの、追放されたら自分が有能だと判明しただの、
それで一時的に心は満たされるのかもしれないが、現実が好転する事はほとんど無い。
弱者であっても子供ならある程度は親が甘やかしてくれるが、
大人になれば自分の力でお金を稼がないといけなくなる。
ニートという人種は大人になっても親に依存しがちだが、
それすら8050問題等で崩壊する時が来る。
とはいえ、弱者が加齢で購買力が低くなったとしても、
ビジネスのターゲットとしては新しい弱者が加入してくる。
真に私が恐れているのは、
弱者ビジネスを好む事で弱者具合の悪化した人間が大量発生する事で、社会がガタガタになる事なのだ。
いつの世も『最近の若者は使えない』と嘆かれるものだが、
昨今の子供の流行りを見ていると、『そりゃあこんなものにハマってたら社会で使いモノにならんよ』
と考えてしまうのもわかるし、
『表現の自由』を盾に弱者ビジネスを甘やかしてしまったのは失敗だとも考えてしまう。
弱者が勝手に一人で野垂れ死んでくれるなら有り難いが、
残念ながら日本はそういう国では無い。
弱者により国力が下がり、生産性がガタ落ちした将来、
弱者を悪化させるビジネスそのものが批判されるのか、弱者ビジネスはカルト宗教の如く更に過激になるのか、
気にはなるところだな。




