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特定の性別に都合の良い作品はラブコメとして認めていいのか

私の作品の大半はラブコメだ。


ただ、世間一般的にラブコメは2種類あると思っている。


一つはスクールランブルのように、男女の恋愛群像劇を描き、

読者がそれを眺めてニヤニヤするようなもの。


もう一つはToLoveるのように、主に主人公を好きな異性がたくさん出て来る、

男性、もしくは女性に都合のいい作品。


多分人気が出やすいのは後者なのだろう。

前者は全体をターゲットにするが故に中途半端になりがちだが、

後者はターゲットを絞ることで刺さりやすい。


自分の大半の作品は前者寄りだ。

多分ラブコメ漫画で初めてハマったのがスクールランブルで、

処女作の今日ラブなんかはまさに男主人公女主人公合わせた群像劇にしているし、

その後の作品もベースは自分の実体験とかを使っていることもあり、

『ちょっとアレなヒロインのために頑張る男』

『ボケ(ヒロイン)と突っ込み(主人公)による漫才じみたラブコメ』

という感じで、主人公に自己投影して楽しむというよりは、

眺めて楽しむような作品を心がけている。ヒロインに献身的な主人公が多いので

むしろヒロインに自己投影する余地はあるかもしれない。



というよりも、どうしても後者を『ラブコメ』だと認識できないのだ。


『ラブ』とは現実世界に存在する崇高な概念だと思っている。

だからこそある程度のリアリティが必要であり、

・何故か他には冷たいのにちょっと優しくしてくれただけの主人公に靡く美少女

・最初から好感度がカンストしているような姉妹

こういう概念が出すぎるとリアリティが段々と失われ、描いているのは『ラブ』では無く、

一方的な男(女)の妄想としての側面が強くなってしまうと考える訳だ。

自分にとっての都合の良い、リアリティを損なわないと思っている展開の限界は

『やや好感度の高い幼馴染』くらいなのである。



前者の作品は時として実写ドラマ化されたりと世間に受け入れられることもある一方で、

後者の作品は男女の壁を、一般人とオタクの壁を厚くしかねないという問題もある。

男に都合の良い作品は女からしたら気持ち悪いし、逆もその然り。

現実世界で現実的な恋愛をしている人からすれば、妄想じみた恋愛のような何かを好む事も忌避する。




結果として『ラブコメ』が世間の対立を煽ってしまい、愛が失われているのだとしたら

こんなに皮肉な話は無いな。

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