表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/58

何に魅力を感じているのか見誤るなよ

前回の話では、


『あまり美少女だったり魅力的なキャラクターを作ろうとしすぎれば、ストーリー重視の話だとしてもキャラのファンばかりになってしまい、それがメインのキャラで無い場合作品が滅茶苦茶になる危険性がある』


という作り手視点の問題点を語った。

ちなみに私も過去に、『ストーカーに餌をあげないで!』のヒロインが思ったよりも人気が出てしまったので本来作る予定の無かったヒロイン視点の話を作ってしまったという似たような経験がある。

敵役どころかバリバリのメインヒロインだしこれはどちらかと言うと私の自爆なのだが。



しかしこれは受け手にも応用できる話だ。


漫画でもアニメでも、なろうの小説でも、

『この作品が凄く好きだ!』

というモノが皆さんにもあるだろう。



ではその作品の何が好きなのか、きちんと筋道立てて説明できるだろうか。

好きという感情は理屈では無く直感的であることも多い。

だから好きの理由を本人も時として勘違いしてしまうことがある。



実際には作中のヒロインが好きで愛読しているのに、

本人はストーリーが好きだと勘違いしていたり、

ヒロインでも無く主人公に自己投影してハマっているのに、

ヒロインが自分の理想のタイプだと思っていたり……



そして人間は見栄っ張りな生き物なので、

『ヒロインが好きだからファンになった』とか、

『いじめられっ子の主人公がクラスメイトに復讐するのに自己投影してファンになった』とか、

他人にはそんな説明は難しいし、自分の中でもなかなか認めがたい。



だから基本的にはストーリーが好きだからファンになったとかそんな感じに落ち着いてしまう。

そうなると得てして作品から教訓を得ようとしてしまう。



ヒロインが美少女なだけの、中身なんてほとんどない作品のストーリーを評価してしまい、

その自分の中では中身のあるストーリーから何かを学ぼうとしてしまう。


オタクが社会でうまくいかない理由の1つがここにある。

Fateは文学だの、クラナドは人生だの、ネタでも無く本気で思っている人がいるのだ。

美少女がたくさん出て来る漫画やアニメ、ゲームにばかり触れてきたため、

世間一般で評価されているような作品のストーリーと比較が出来ないのだ。



私が漫画だとかは美少女わんさか日常系とかコメディとかを好んでいるのも、

最初からストーリーが無いと理解しているからだ。

『美少女たくさん見たい』という欲求に忠実になれるのだ。


ストーリーなんてものは、教訓なんてものは、

現実社会だったり、リアリティある設定の作品で学んでいく。

私含めて多くの大人はそうなのだ。

こうしてリアリティあるかわからない小説は書くがね。一種の自己矛盾か。



そういう訳で皆さんには、せめて自分の中ではきちんと好きになった理由を自覚して欲しい。

おっぱい大きい女の子がたくさんいるという理由で好きになってもいい。

エ〇同人みたいな展開を想像しやすいという理由で好きになってもいい。


ただそれを自分の中ですら否定して、深いだの言い出したらどんどんおかしなことになってしまう。

自分の中でもストーリーが深いから好きなんだと錯覚し始めれば、

オタク趣味のあまりない人に『この漫画物凄くストーリーが深くて』なんて紹介してしまえば、

そりゃもうオタクと非オタクの壁は厚くなるばかりだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ