キャラ人気がストーリーを破壊する
先日Xを見ていると、とあるアニメ? の人気投票結果が話題になっていた。
ちなみに私はそのアニメ? も原作も見ていない。ネット上に流れるあらすじとかだけ断片的に見ただけで、興味が湧かなかったので見る気はしなかった。もともとアニメはここ十年まともに見ていないし、漫画も日常系だとかコメディとかをたまに見るくらいだ。
そのため詳しく無いのだが、とりあえずわかったのは主人公よりも途中退場した敵キャラの方が人気らしいということだ。
見てもないアニメや漫画の心配をするのもおかしな話だが、
これは非常に良くない傾向にあると考える。
魅力的なキャラクターを作り出そうとするがあまり、ストーリーがまともに評価されなくなる。
ファンタジー、バトル物は身も蓋も無い言い方をすれば、
『主人公一味を活躍させるための話』だ。戦いで活躍させたり、回想をたくさん描いたり、
仲間キャラの成長を手助けしたり、作品全体がいわば人気のテコ入れのようなものである。
そういった主人公勢が人気投票で上位を独占するということは、
主人公達が正義として受け入れられている、
いわばストーリーを視聴者が評価しているということでもある。
それなのにそこまで登場回数の多くない途中で退場した敵役だったり、
サブキャラだったりが主人公人気を食ってしまうのであれば、
それは視聴者が評価しているのが作品のストーリーではなく、
・美少女/イケメンキャラ
・担当している声優
・発言がネットミームになるかどうか
こういった部分を強く含む事を意味する。
私が作者だとしたらこれは屈辱だよ。中身が無いと言われているようなものだ。
私が何度か『あまり美少女を出すな』と主張しているのは、
まさしくこうなってしまうことを危惧してのことだ。
これが日常系とかなら別にいい。
一番出番のある主人公よりも、おっぱい大きい友人キャラの方が人気が出たとしても、
それはある意味仕方のない事だし、日常系における主人公は別に特別活躍する存在でも無い。
(逆)ハーレム物で主人公よりもヒロイン(ヒーロー)の方が人気が出るのも当然だ。
読者は基本的に主人公と同じ性別なのだから。
人気のキャラはスピンオフしましょう、という流れになる。
北斗の拳で言えばジャギもスピンオフ漫画になっていたし、
サウザーはキャラが崩壊し、アミバ様に至っては異世界転生している。
ガッシュのビクトリーム様のように、敵役でありながらキャラが濃すぎた結果、
最後の戦いでさも当然のように仲間面して登場するようなケースもある。
ただスピンオフとかの概念はまぁまぁ最近になって出来たものだ。
だから既に連載が終了していた北斗の拳は別の漫画として作ったり、
ビクトリーム様も本編にがっつり絡むような事は無かった。
しかし人気キャラはスピンオフにしましょう、出番を優遇しましょうという流れが
既に確立されてしまっている現代で、ファンタジー、バトルを題材にした場合何が起きるか?
『人気キャラだから復活させて仲間にしましょう』
これが起きてしまいかねない。勿論そうすれば作品の人気は出るかもしれない。
しかし作者からすれば、もう作品のプロットをキャラ人気がぶち壊す、
『原作改変』にも等しい最悪の展開なのだ。




