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エンタメをエンタメとして楽しむことは困難

世間には都合のいいストーリーが溢れている。

敵がご丁寧に一人ずつ出てきて各個撃破されてくれたり、

ただの凡人が異世界に転生して突然活躍し出したり、

何故か自分にだけ過去に戻ってやり直せる能力があったり、

自分を追放した側が悲惨なことになって再評価されたり、

ただ優しい?だけの主人公がやたらとモテたり、

勿論現実世界でそんなことは起きない。



オタクでは無い多くの人達からすればそれは『現実逃避』だ。

学生時代はそういった話を愛読していた人ですら、

大人になり、社会に出て、自分の力で成果を出さなければいけない環境になるにつれ、

そういった話よりも現実味のある話だったり、ビジネス書だったりを読むようになる。



そしてこれに対するオタクの反論の1つが

『エンタメはエンタメとして楽しめる』というものだ。


確かにエンタメをエンタメとして楽しめるなら、

どんな都合のいい話を楽しんだって問題ない。


しかし言うは易く行うは難し。

その言葉を使っただけでそれができるなら苦労はしない。


そしてこういったフィクションが現実世界に与える影響というのは大抵無意識だ。

私の目には多くの人間は実際にエンタメをエンタメとして分けて楽しむことなんてのは

出来ていないように映っている。勿論適当な事を言っている訳では無く、

私はそういった無意識の、目に見えないような変化に特化した人間だ。

時として本人ですら気づかないような部分に気づくからこそ、

コミュ障でもイカレタ性格でも社会でそれなりの地位を築くことが出来るのだ。



本人はエンタメはエンタメとして楽しめばいいだろ、と言いながら

年を重ねてもそういった内容のストーリーを愛用するが、

実際には無意識レベルで人間性やらにそのエンタメは介入している。



だから自然とオタクは現実社会からはみ出してしまう。


成功者のインタビューなんかで、

「今までの人生で感銘を受けた言葉」「尊敬している人間」

だとか聞かれた際に普通は現実世界での出来事を喋る。

新人時代に一緒に仕事していた先輩の言葉をずっと胸に抱いて頑張ってきました、とか。

実在する人間、現実に起きた出来事、それをベースに出てきた発言。

それは信用するに足りる。



もし自分の中のそういう存在がフィクションの中にあるのなら、

それはエンタメをエンタメとして楽しめていない、現実世界に侵食されている危険信号だ。

勿論感銘を受けて実際に現実世界で実行してみてうまくいったなら越した事はないが、

多くの人間は実際に試すことも無く、まるで誰かが既にやったことかのように思ってしまう。


本人の中では正論だが、それを裏付けるものは何もない。

都合の良い展開によって作り上げられた偽りの理論でしかない。

それを持ったまま社会に出るとおかしなことになるのは当然なのだ。



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