プロットのバランスと作品のタイトル
遅筆や未完の主な原因は何か。
それはプロットの作り込み不足。
基本的な設定だけ作ってこれは面白い!と思って作品を公開すれば、
その後ネタ作りをする必要があるので不安定になる。
私の今までの作品が遅筆気味なのは、まさしくそういう感じの作り方ばかりだったからだ。
最初から最後まで展開をきちんと作っておけば、それを文章だったり絵だったりにするだけで良い。
ただ、完璧に作り込まれたプロットは、日常で得た経験だったり時事ネタだったりを
入れ込む余地がそれだけ無くなる。途中で『こっちの展開の方が良くないか?』と思っても、
プロットがガチガチに固められていれば軌道修正もしにくくなる。
私の作品で例を挙げると、
『女の子を救うために学校を休みます』では、
ヒロインと一緒に馬を育てるメダルゲームをする、という話の中で、
ヒロインが今流行ってるでしょと、ウマ娘のソシャゲの話をし出したり、
『彼女は学校を監視する』では、
略奪愛を仕掛けてきたクラスメイトに対し、ヒロインが激怒する様子を表すために、
退学退学退学退学死刑死刑…と、当時流行っていた例のネタのパロディを出した。
こういうパロディが良いのかどうかについては別として、
プロットをきちんと作っておらず、その都度ネタ作りをしているからこそ、
時事ネタだったりを取り入れることも容易となるのだ。
ただそれで異常に完結が遅くなったり未完結になってしまっては意味が無い。
プロットの作り込みに関する理想的なバランスについては常に模索すべきポイントだ。
そういう意味では、作品のタイトルは方向性を決定づける究極のプロットと言える。
なろうの小説は割とタイトルが途中で変わることもあるが、商業漫画だとそうはいかない。
そしてそれが足枷となってしまうようにも思える。
典型的なのが作品のタイトルに主人公の名前が入っているような作品。
これをしてしまうと、主人公を変えることが難しい。
作品が人気になって長期連載になった場合、これが〇〇戦記みたいなふわっとした感じなら、
子孫だったり別の陣営のキャラが第二部の主人公になるだとかも可能だが、
タイトルにどーんと主人公の名前を入れているとずっとそいつが主役。
これは一種の縛りプレイだし、長期連載になって作者が当初思い描いていたボリュームを越えれば、
いわゆる引き延ばし的なストーリーになってしまったり、連載と共に増えてきたキャラを活躍させるため、
タイトルには主人公の名前が入っているし序盤は主人公メインだったけど
途中から主人公そんなに出てこなくなるよね、的なタイトル詐欺にもなりかねない。
自分はあんまり人気になったから引き延ばす、というのは、腐っても作り手なので好ましくない。
幸か不幸か自分の作品は人気が無いので引き延ばしを考える必要が無い。
自分の作品の目安は一話3000文字、10万文字~20万文字くらいでの完結が理想だ。
文庫本にすると1冊か2冊、漫画本にすると4巻~8巻くらい。
一話完結の多いギャグやコメディはともかく、ストーリーのある話はそれくらいでまとめて欲しいのだ。