都合の良さと都合の悪さは表裏一体
エ〇同人の世界では漫画やアニメに出てくる女の子が酷いことをされがちだが、
題材になりやすいのは圧倒的にバトルだったりファンタジーだ。
ヒロインより強い敵を出すなり、拘束だの催眠だの魔法とか特殊能力を出すなり、
作品の設定に乗じた展開を現実的に、簡単に作ることが出来る。
これが戦いも特殊能力も存在しない現実世界の恋愛モノならば、
ヒロインが弱みを握られて……みたいな展開に限られて来るし、
唐突に催眠だのを出して来たらちょっとギャグっぽくなってしまう。
エ〇同人の題材になりやすいからバトルだったりファンタジーは人気が出る、
という身も蓋も無い意見もあるが、とにかく主要メンバーが常に戦っているだの、
魔法とか特殊能力を使っているだの、都合の良い設定は都合の悪い設定でもあるのだ。
バトル物の作品で突然主人公達より遥かに強い敵だとか、
チートな能力を持つ敵だとかが出てきて全滅して終わってしまう。
そんな展開が「おかしい」か「おかしくないか」で言えば別におかしくない。
「主人公達は努力している」「正義のために戦っている」なんてものは、
敵だって努力は当然してるし理由があって戦っているのだから勝ち続ける理由にはならない。
「主人公の成長具合に応じていい感じのレベルの敵が出てくる」方が遥かにおかしい。
何なら一時期なろうで流行った題材の主人公はどちらかと言えば主人公達より遥かに強い敵だったり、チートな能力を持っていたりで主役を食ってしまうポジションだったはずだ。
都合の良い展開や設定は、都合の悪い展開や設定を読者に簡単に想像させてしまう。
恋愛漫画で突然ヒロインが交通事故に遭って死ぬようなバッドエンドを想像するより、
バトル漫画で突然ヒロインが強敵に負けて死ぬようなバッドエンドを想像する方が遥かに現実的だろう。
別に美少女でも無い幼馴染のヒロインが他の男に狙われるような展開よりは、
学園のマドンナであるヒロインが他の男に狙われる展開の方が遥かにあり得るだろう。
それが作品として、良い事なのか悪い事なのかわからない。
エ〇も非エ〇もグッドエンドもバッドエンドも含めて二次創作の文化が漫画やアニメを盛り上げていることは事実だろう。
その方がお金になるとしても、作者としてはあまり自分の作品を
他人にいいようにされたくはないのではないだろうか。
少なくとも自分はそういうタイプなので、主人公とヒロインだけの世界を作りたい。




