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とりあえず十一話目


 オレは始まりの町の酒場で魔王と今後のことについて話し合った。


「とりあえず、これからはオレが魔王だ。お前を腹心にしてやるから生活のことは心配するな」


「ありがとうございます。しかし、予も魔王なので呼称が被ってしまいますがいかが致しましょう?」


「そうだな……ならばオレのことは大魔王と呼ぶがよい。魔王の上だからな、あっはっはっ」



 オレたちは早速魔王城に戻り、新生魔王軍の結成に向けて舵を切った。


 手始めに行ったのは新たな魔物の生成だ。

 オレは亜空間から(コア)をつかみ出し、万能能力(チートアビリティ)で魔物を生み出していった。


「魔獣はぬいぐるみ、魔導兵は超合金……プラモのほうが良いか、魔王城もプラモかブロックキットで構わんだろう」


「お主まだ言ってるのか……」


「心配するな。お前もちゃんとぬいぐるみデビューさせてやるから」




 あらかた魔物を生成し、新生魔王軍を編成し終えた。

 そろそろ次の一手に移ろう。さすがに商品価値を生み出しただけでは企業も二の足を踏むことぐらいはわかる。

 ここからは作品自体の底上げだ。


「だから順番が逆なんだって……」


 亀が何やらのたまっているが、支配者とは時に独断が求められるものだ。無知な民には結果で応えられればそれで良い。

 オレは大陸の各地に砦を築き、生み出した商品……魔物共を配置した。



「ふっふっふ……これから起こる事を想像しただけで笑いがこみ上げてくるわ」


 冒険者どもが競ってこの砦に群がり、中ボスの魔物を倒していく過程で人気投票を行う――。

 人気のあるパーティが生き残っていくことで読者は自分が勇者を育てているんだと言う錯覚に陥り、この作品に縛られていく……。


「まさに“勇者総選挙”戦略!」


 さらに、コミカライズ後にアニメ化にまでこぎつけた場合、声優指名投票権を書籍に抱き合わせて販売すればその売り上げはうなぎ登り。

 レーベルは二期、三期……スピンオフにも手を出し、主題歌はヒットチャート待ったなし、そしてその奇跡を生み出すのは読者だ!


「まさにどいつもこいつもウィン・ウィンってか! あっはっはっはっはっ!」



「お主捕まるぞ……」


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