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異形装束のブラック・リリー ~異世界に記憶だけ転移した私の前に現れたのは、以前の世界の「私」だったんですが~ (あらすじ)

作者: 鴨木漱流

「あらすじだけ企画」に参加した作品なので、こちらの作品は『あらすじ』だけです。

ある日、目を覚ますとニーナ・マノフという名前の銀髪の少女になっていた、女子高生の安藤カナ。

魔法が存在する近世風の異世界に記憶のみが転移した彼女は、革命で王政が倒れたというソレイユ共和国の陸軍士官候補生として生きる傍ら、日本に戻る方法を模索していた。

記憶移転から3年がたったある日。

ニーナは落ちこぼれの士官候補生であるにも関わらず、上官であるグレゴリー大佐から『異形装束のブラック・リリー』という『機密兵器』の護送任務を命じられる。

初めての任務に緊張するニーナだったが、『兵器』として連れてこられたのは、かつて自分が通っていた高校の制服を着た、かつての『自分』と瓜二つの少女だった。

驚くニーナに対し大佐は、

「彼女は未来予知魔法の能力を持つが、反政府組織となった旧王政派からひどい拷問に掛けられた結果、記憶を大きく欠損してしまっている」

と説明。

救出された彼女は、黒百合を思わせる珍しい髪色から『ブラック・リリー』と名付けられ、軍が教育などの面倒を見ることになったという。

ニーナが任命されたのは、軍属の大学がある隣県まで汽車で彼女を送り届けるのには同年代の女性が最適だと思われたからだった。

ニーナは任務を引き受けるが、『自分』の登場に様々な疑問が浮かび、眠れない夜を過ごす。

翌朝。

リリーと再会し、二人きりになったニーナは彼女と交流を図る。

当初は冷たい態度であしらわれるが、「もしやリリーは『自分』では?」という疑念に駆られたニーナは「ルーベン王子(ハマっていた乙女ゲーの推しキャラ)をどう思う?」などと、様々な質問を続ける。その結果、ニーナは『自分にそっくりな全くの別人』であるという確信に至り安堵、同時にリリーはニーナに興味を抱く。

二人はこれを切っ掛けに打ち解けるが、なんとリリーを取り戻しに来た王統派によって汽車がトレインジャックされてしまう。

「5分後の未来予知なら確実に出来る」と言うリリーの助けを借りながら、二人は元軍人の王統派テロリストを追い詰める。

男は死に際に「軍は倫理を外れた実験をしている。君も犠牲になるぞ。」と言うがニーナは男にとどめを刺す。

テロを未然に防ぎ、リリーを無事に届けた事が評価されたニーナは褒章として賞金と休日をもらった。

褒章などと縁遠いニーナは舞い上がるが、半分はリリーのおかげであると考え、褒章を分かち合うべく、彼女と街で遊ぶことにした。

今まで街に出たことのなかったリリーは楽しそうに買い物や食事を楽しみ、「この世界がこんなに楽しいとは思わなかった」と屈託なく笑い、ニーナも久々に心の底から笑う。

翌朝。

リリーを無事大学に送り届けたニーナは、大佐から新たな任務を命じられた。

それは、「リリーの未来予知を可能とする膨大な魔力を基に完成予定の『過去へ飛ぶ魔法』を用い、過去に干渉せよ」という任務だった。

さらに大佐は、

「国外に逃亡をしようとした国王を処刑し、現在国のトップとなっているマクシミリアン・ランベール。彼が身分別部会の会議代表だった頃に戻り、革命の始まりとなったダルキア要塞の所長に『砲塔を引っ込め、マクシミリアンと交渉をしろ。さもなければ襲撃を受けるぞ。』というメッセージを届けよ」

と一通の手紙を渡してくる。

ニーナは、ここでふと違和感を覚える。

身分別の会議。要塞の攻撃で始まる革命。国王の逃亡未遂。

これらの言葉でニーナはこの世界の歴史がフランス革命期とそっくりの流れである気が付き、歴史の知識からメッセージを届けに行けば自分が死ぬという事に気がついてしまう。

驚愕するリリーに対し、大佐は「リリーから、ルーベン王子について何か聞かなかったかな?」と問いかける。

自分しか知らない情報に、ニーナは『リリーが記憶を失った自分』であり、リリーを拷問に掛けたのは王統派でなく、自らが国の権力を掌握する為、王国とランベール派の闘争と消耗を画策する大佐であると知る。

リリーをひどい目に会わせ、自分を殺そうとする大佐と背後の軍に対して憤るニーナ。

やがて時空魔法が完成したと伝えられたニーナは裏切りを決意、大佐に対し「作戦の前にリリーと面会させて欲しい」と頼む。

リリーと面会したニーナは「5分後、私はコンコルド広場(フランス革命でギロチンが設置された広場)にいるか?」と質問する。

元の世界の人間しか理解できない「私は死ぬか?」という暗号の様な質問、リリーは驚きながらも「貴方の首は落ちない」と答えた。

「5分間は死なない」と理解したニーナは大佐と関係者を殺害。

過去に戻る装置を破壊し、リリーに真実を、そして自分も異世界転生者であることを伝える。

「二人でこの腐った世界から日本に戻ろう」と語り合いながら逃避行を開始する二人。

転生魔法の研究がおこなわれていると噂される隣国を目指す二人のその表情は、希望に満ちていた。

文字数(空白・改行含む):2000字ジャスト。

レギュレーション違反はないはずだけど、ちょっと心配。

それより何より、どうすれば世界観と話が伝わるか悩みに悩んだ1週間。文字数との戦いが凄く楽しかったです。

楽しい企画をありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 実は上司は主人公の敵だった! そういう裏切ってくる話、好きですわ~ [気になる点] (これ誤字かなと思ったものを報告したのですが間違っていたらごめんなさい) 「異形装束」とは高校の制服だ…
[良い点] 記憶だけ異世界行きになる転移ものなのかと思いきや、体も異世界にいたのですね! ストーリーラインもどんでん返しが多く、最後まで楽しく読めました。 [一言] リリーは、もとは記憶があったのに喪…
[良い点] 「異形装束のブラック・リリー」の異形の意味づけ、2つの山場、実に無駄のないあらすじでした。 [一言] かつての私のそっくりさんが存在するのがなかなかに興味深い謎で、あらすじながら読んでいて…
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