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黄昏・孤独
『黄昏』
薄い朱色
登れば少しの鶯色
先は紺色
一等星に鱗雲
黄昏は深い空へ消え
魔物のような雲が空を飛ぶ
暗い夜が流れ込む
やがて色も見えなくなり
夜の帳が空を覆う
世界が目蓋をとじるように
また長い夜が始まる
明ける保証などどこにもないまま
『孤独』
つらつらと書く文字も
ぽつぽつと吐く言葉も
独りじゃ意味も持てなくて
あの素晴らしい風景も
あの美しい花さえも
伝える相手がいなければ
透明な世界へ消えていく
一人が嫌いなわけじゃない
独りが嫌いなだけなのだ
情けないとは思うけど
今はただ
孤独に寂しさだけが募る