お国柄でした?
あれから、串焼き屋さんでまとめ買いしつつ、他の屋台の料理も食べたけど……しょっぱい。
なんで、あの串焼き屋は味付けがしょっぱくないのか……。
うむ、わからないなら聞くしかないな。
また、まとめ買いした串焼き屋に来ました。
「え?なんでオイラが焼く串焼きが塩辛くないか、だって?……ああ、あんたらアルデバラン帝国の生まれじゃねーな?オイラもだがよ。アルデバラン帝国は昔、塩が高価でな?身分が高い人しか使えなかったんだ。その後、塩が平民でも使える様になったんだが、それまでが味気ない味だった反動だったんだろうな、塩辛い味付けが平民に流行っちまって、今じゃそれが普通の味になったんだ」
成る程、やっぱり塩が貴重だったからなのね。
「でもよ。オイラの味を美味いって思ってくれている人達もいるんだ。昔より買ってくれる人がだいぶ増えたしな。それに、治癒師から塩辛い食事は、突然心の臓が止まっちまう病気になるとか何とか言ってっからよ、気をつけている人も増えてきたんだ。塩辛い味付けもそろそろ無くなってくれたら良いんだけどな。他の国から来た人に塩辛くて食べられない、塩に取り憑かれた国だって、馬鹿にする奴らがいるくらいだしよ」
でも、オイラはこの国が好きだからと、笑う串焼き屋のオヤジさんにお礼を言い、その場を離れた。
「しょっぱいのは、諦めるしかなさそうね」
お国柄なら仕方ない。
私達3人はしょんぼりと屋台から離れた。
「ねぇ、母さん。冒険者ギルドに行かない?」
気を使ったのか、それとも自分が行きたいだけなのかわからないが、セイがだいぶ遠目に見える(遠視スキル使用してます)ギルドの看板(盾の前で剣と斧が交差されている絵)を指さす。
「んー、俺は賛成かな?気分を変えて依頼だけ見るのも良いと思うし、良さそうなのがあれば受けても良いし、何よりダンジョンでとれた素材を売りに行きたいかな?」
あ!素材の事を忘れてたわ。
うむ、思い出したら素材を売りに行きたい衝動に駆られるわ。
「母さんも賛成!ギルドに向かいましょ」
私達はギルドに向かった。
歩く事10分ちょっとくらいかしら?
やっと、冒険者ギルドに着いた。
ギルドに入る前に裏路地でトモとロウは人型へ、モギじぃとシロを私の異空間から出した。
テンプレはありませんでしたよ?
そもそも、昼を過ぎたくらいの今の時間帯のギルドは暇です。
朝早くと夕方から夜にかけては依頼取りと依頼納品で混むけど、それ以外の時間はさほど人は居ない。
まぁ、昼間っからギルドのカウター脇の酒場で飲んだくれているヤツは居るけどね。
閑散としているギルド内を先ずはと、依頼版を見て死の森で採取した素材が出されていないか見てみる。
あ!あった、コレとコレ…あ、コレも持ってるし、アレも持ってる。
1回に依頼が出来る個数は五つまでなのよ。
4つだからセーフだわ。
依頼書を剥がし依頼カウンターで依頼を受けた後、納品カウンターへと品物と一緒に出す。
ぐふふ、全部で白金貨5枚になった!
後は、買取カウンターに向かう。
「何を買い取って欲しいんだい?」
声をかけて来たのは熊の獣人だった。
いかついけど可愛い。
「野良ダンジョンに行ったから沢山あるんです」
野良ダンジョンとは、国や領地が管理出来ていないダンジョンだ。
管理するにも費用がいる。
管理出来ない貧乏な領地もあるんです。
後は、山奥や海深い場所なんかの人里離れた場所にあるダンジョンも野良ダンジョンです。
管理していないから魔物は沢山いる。しかし、その分リポップする個体も増える。
ハイリスクハイリターンってやつね。
「え?オタクら小さい子が居るのに、野良ダンジョンなんかに入っちゃ駄目だよ」
「不可抗力ですよ。入りたくて入ったわけじゃないし、入ったら最下層のボスを倒すまでダンジョンに閉じ込められたんです」
グリフさんすまぬ。
嘘つきます。
「成る程、そんな事があったのか。なら生きて出れて良かったってことだな!オタクらパーティーは、強いんだな……じゃあ、解体工場に来てくれ」
案内してくれる熊の獣人の後ろを、私とユウ、モギじぃ、トモがついていく。
ヒロとセイ、シロ、ロウ、レン達は依頼版の前で依頼を吟味しております。
何か良い依頼が有れば良いなぁ。
買取カウンターと納品カウンターの後ろ辺りに位置する場所に来た。
少し大きめの解体場所だった。
「ここに出してくれ」
熊の獣人が指す場所にダンジョンで取れた素材を次々と出していく。
ゴブリンの真核から始まって、オークやコボルト、リザードマンや鵺、ウルフ系やベアー系、アントやホッパーなんかの虫系やワイバーン、ブラックダイル、毒蛇の爬虫類系出し始めたら小高い丘が出来たけど、まだまだありますよ?
ワームの革と肉、牙を全て出した時点で待ったがかかりました。
これ以上の素材がありますよ?
まだまだありますよ?
え⁈量が多過ぎて捌き切れないから、3日待ってほしい?
まだ3分の1の量しか素材を出してないのに。
そう呟いたら、驚かれたよ。
まぁ、仕方ない。
面倒だけど、また、3日後に来ます。
割符を渡されたので、また3日後にくる事を約束してヒロ達の所へ戻った。




