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モギじぃの予想通りですよ?

あれから直ぐ、ヒロがお風呂場に乱入して来たので一緒に入りました。

私達が出ると、直ぐセイがお風呂に入っていった。

そういえばセイは8歳くらいから、私とのお風呂に入ってこなくなったな。

母親としては寂しいけど成長しているんだなって、嬉しくも感じる。

ママ寂しいけど我慢します。


時間的に8時過ぎ頃、順番でモギじぃ達も含めて皆んなが、お風呂に入り終わってゆっくり寛いでいる時だった。

ノックと共に女将さんが声をかけてきた。

私達にお客さんが来てると言う。

詳しく聞くと、なんと、アケルナー公爵様ご本人が直々に来たらしい。


「アケルナー公爵様が今、来ているんですね?この部屋にお通ししていただけますか?」


「はい、わかりました。今呼んできます」


さっさと、部屋を見渡し汚くないか見回し、口直しに食べた料理の匂いを消すために、生活魔法のクリーンを部屋全体にかけた。


キャロルには落ち着くように言う。

だって、凄くソワソワしているから。


しかし、アケルナー公爵家の使者が来るのではなく、ご当主様本人が来るとは、随分と行動力があるお方ですな。

少ししてまたノックが聞こえ、ドアを開けると少し細身の30歳くらいのクール系の男性と、細マッチョの老紳士の2人が立っていた。

護衛はどうした???

まさか、護衛無しとかいわないわよね?

索敵スキルを使えば、宿内にはいないが外には十数人いる事がわかり少しホッとする。


女将さんは廊下にいなかった。

索敵すると食堂にいるようだ。

気を利かせてくれたのかな?

だったらありがたい。

厄介ごとに巻き込まれない為に、ワザと離れた訳じゃないですよね?


「夜分遅くにすみません。こちらにキャロル・ガルシア様がいらっしゃると、モギ様にお聞きしまして……オーブ様の部屋で間違えないですか?」


あら、この老紳士様は声が渋くて低くて落ち着く声!なんて素敵なのかしら。

雰囲気がグリフさんを彷彿させる。

確認の為、モギじぃに向かって振り返ると頷いたので、夕方にアポイント取りに行った時に会った執事さんはこの人なのだろう。


「ええ、お間違えありませんわ。立ち話もなんですから、中にお入り下さい」


聞かれると少々困る事でもありますしね。

私は、ドア前から退きアケルナー公爵様達を部屋の中へと促した。

すると……、


「伯父様!お母様がお父様が……うわーーん」


キャロルが、クール系男性に抱きつき席を切ったように泣き出した。

そんなキャロルを、クール系男性は抱きしめ落ち着けるように背中をさすっている。

細マッチョの老紳士は、心配そうにキャロルを見つめている。

私の胸で泣いたとは言え、やはり知っている身内だと安心するのだろう、キャロルは暫く泣き続けた。

明日、目元が腫れたらヒールをかけてあげようかな?





「はじめまして、俺……私は、ヒロ・オーブと言います。こちらが妻のユカで、あちらが息子のセイ、そっこに座っているのが娘のユウ、ユウを抱っこしているのがトモ、セイの後ろに立っているのはロウ、妻の後ろにいるのがモギじぃです。皆んな家族でして、冒険者として仕事をしながら転々と旅をしています」


キャロルが落ち着いたところで、私達の自己紹介を始めた。

泣いた事が恥ずかしいのか、キャロルは顔を真っ赤にして大人しくしている。


ヒロが立ち上がり私達を紹介する。

名前を呼ばれて立ち上がり、軽く頭を下げておく。

ちゃんと、ギルドカードをアケルナー公爵側に見せましたよ。

召喚獣は人型だとヒューマンにしか見えないからか普通に紹介してました。

まぁ、1日半くらい一緒にいたキャロルでさえも、人型でいたモギじぃ達が召喚獣だと知らないしね。

テイム獣はベッド上で小さくなり寝ていたので、紹介は省いたもよう。


「ご丁寧にありがとうございます。こちらがアケルナー公爵家ご当主レオナルド・アケルナーでございます。わたくしは、アケルナー公爵家筆頭執事のセバスと、申します」


クール系男性はレオナルド様って言うのね。

うむ、インテリ系だからシャープな眼鏡をかけてほしい!きっと似合うだろう。

線が細く見えるが、横にいるセバスさんががっしりめだからそう見えるだけのようね。

近くで見ると、それなりに鍛えてますって身体つきだわ。


ギルドカードをみせつつの自己紹介を終わらせて、ソファーに座ってもらう。

安物の紅茶ティーパックを出すより、日本茶を出した方が良いかも。

ささっとアイテムリングから、日本茶を人数分だし茶請けにわらび餅もどきと梅干しを出す。

物珍しいのかキャロル、セバス、アケルナー公爵がマジマジと茶請けをみている。


セバスが毒見としてアケルナー公爵のお茶や茶請けに口をつける。

わらび餅もどきを口に含んで噛んだ瞬間、目を見開き固まってしまった。


「毒か?」


アケルナー公爵が心配そうにセバスをみると、セバスはゆっくり首を振って否定した。


「いえ、とても不思議な食感で驚いていました。お茶も甘味も美味ですよ」


「セバスが褒めるなんて珍しいな。どれ、私も食してみよう………不思議な食感で仄かな甘味で美味い、お茶も渋みの中に仄かな甘さがあり美味だ」


キャロルもアケルナー公爵さまと一緒に、美味しい!って感動しながら下品にならない速さでわらび餅もどきを食べている。

キャロル、話はいいのかしら?

やはり甘味には目がないキャロルだった。








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