お風呂場の思い出ですよ?
「はいよ。確かに銀貨1枚と半銀貨3枚頂いたよ。ゆっくり休んで下さいね」
女将さんにお礼を言って部屋に戻る。
あの後、エールというビール的な飲み物にもチャレンジしたけど……。
ごめんなさい。
もう無理です。
ご飯がマズs……私達の口に合わなくて心が折れました。
部屋で私が作ったモノを飲み食いします。
「キャロルはお腹いっぱいかな?私達、さっきの食事の味が口に合わなくて口直しにご飯食べるんだけど、キャロルはどうする?お風呂に一足先に入りたければ先に入ってもらっても構わないし、そういえば1人で入れる?」
部屋に入ると直ぐ、風呂場に直行し水魔法で浴槽の中に水を満たし、火の魔石を1つ放り投げた。
そうだ、昨日はシャワーを浴びるの忘れて今日の朝、私がキャロルのことクリーンしたのよね。
貴族だし侍女が居たようだから入れなかったら私が入れるかな。
「はい!入れます。あの、でも、私が1番最初でいいんですの?」
「ええ。良いわよ。私達、ご飯を食べてからにするわ」
私は備え付けのテーブルに作り置きしてあった料理を次々と出す。
「あ!ぷりんですの」
中にはデザートなんかも出したのだが、その一つのプリンにキャロルが食いついた。
「お風呂から出たら食べる?お風呂上がりに冷たーいプリンを食べる、とか美味しいと思うわよ?」
ジュルリッ
ヨダレ!涎出てますよ!
目がランランと輝くキャロルだが、口元が残念だ。
「はいです!急いでお風呂に入って参りますわ」
「急ぐでない!お風呂で滑って転んだら大変だから!プリンは誰も取らないからゆっくり入って来なさいな」
走り出したキャロルの背中に叫んだけど、プリンで頭の中がいっぱい過ぎて、聞こえてないかも。
昨日から思っていたが、キャロルは甘いものが大好きだ。
まぁ、女の子の大半は甘いものが好きだしいいけど、甘味ですわって、目がランランになるのは怖いからやめてほしい。
ムグムグと私が作った料理を食べる。
んー、やはり煮物の味は母が作る煮物の方が美味しいなぁ。何であの味にならないのかな?材料も分量も全て母が作る煮物と一緒なのに……不思議よね?
チラッと、周りを見ればヒロやセイだけでなくモギじぃ達も無言でご飯をかきこんでます。
美味しく食べてくれているようだ。
うむうむ、嬉しいね。
作る側としては美味しそうに食べてもらえて満足ですよ。
「お、お風呂出ました!ぷりん下さい。ユカ様、ぷりんをお願いします」
「髪の毛びしょ濡れじゃない!キャロル!風邪をひくからちゃんと拭きなさい。まったくもう。此方にいらっしゃい」
キャロルを私のところに呼ぶが、キャロルは少し不満顔だ。
早くプリンが食べたいのだろう。渋々こちらに来た。
不満顔のキャロルの髪の毛をバスタオルで拭いていく。
ある程度拭けたら、生活魔法のドライを使い乾かした。
「終わったわ……はい、プリン。ご飯後だから一つだけよ?私とユウが次のお風呂に入るからね」
プリンを私から受け取るキャロルの満面の笑みったら、眼福だわー。
備え付けのソファーに座り、プリンをゆっくり味わいながら食べ進めていく。
私はユウを抱っこし、お風呂場へ直行ですよ。
早よ、スッキリさっぱりしたいからね。
大人しくしているユウの服を脱がし、オムツも脱がす。
しかし、ユウはお風呂イヤイヤ期がこないわね?
セイのこの頃は、お風呂イヤイヤ期の真っ只中だったわー。
脱衣所に入れた瞬間からギャン泣きで大変だったな。
服脱がすのも大変だった。
お気に入りの、コスト○で買った車のおもちゃを、お風呂場に持っていって入っていたわ。
お風呂用じゃなくて、シールがよく剥がれたけど気にせず入ってた。
泣き叫ばれるより、浴槽が少しシールで汚れる方が何倍もマシってね。
懐かしいわ。
それに比べると、ユウは比較的大人しい。
今はハイヒューマンになったからか、どうすれば良いのか考える事が出来るユウは、更に手のかからない子になっているんだと思う。
あれ?そうすると、悪魔の2歳児!イヤイヤ期は来ないのかしら?
それはそれで寂しいかも。
ゆっくり湯船に浸かり、立ちながら大量のゴム製アヒルさんとワニさんを鷲掴みにし、一生懸命洗面器に移しているユウを見る。
ふふふ、可愛い。
さてさて、のぼせないうちにお風呂をでようかね。




