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チャイルドシートは大事ですよ?

ご飯が終わり、後片付けがあらがた終わると、とジャンケンタイムに突入する。

今日の見張りの順番決めだ。

見事に勝ち進み1番遅い5番目の朝方になった。

では、ユウと2人でゆっくり寝ます。

おやすみなさい。


次の日、早々に起きると見張りをし、皆んなと朝ご飯を食べ歩き出す。

今日中に街につきたいなって思うわけですよ。


「やっと、馬車道に出た。バスコンで移動できるな。皆んな乗って」


ヒロがバスコンを出しつつ言う。


「歩き疲れたって訳じゃないんだけど、車移動が凄くうれしく感じるのはなんでかしら?」


助手席に座りながらホッとしてしまう私。


「わかる気がする。楽だからかな?……ユウ、チャイルドシート嫌がらない」


セイは、嫌々をする妹をチャイルドシートに押し込みベルトを固定する。


「何でチャイルドシートが嫌なんだ?」


「あらあら?セイなら気持ちわかるんじゃない?」


「だな。セイもチャイルドシート大っ嫌いだっただろ」


「え?!俺チャイルドシート嫌いだった……!かも?いや、あんまり覚えてないけど、押さえつけられるのが嫌だったのかも……自信ないけど」


ヒロが車を走らせながらセイを揶揄う。

私は、助手席をクルリと180度回し、ユウのチャイルドシートがしっかりと付いているかチェックをする。

ブーとブー垂れているユウの対面で首を捻って唸るセイを見て笑ってしまう。


「ユウはまだ、マシな方よ?セイはもっと暴れて泣いて大変だったんだからね」


「確かに、セイは大変だった。今でこそ落ち着いてきたけれど、じーさん、ばーさんに預けて鍛えてもらうまで癇癪持ちでな?可愛かったけど、大変でもあったなぁ。上手く車のおもちゃが取れなくて家癇癪起こして泣くセイが懐かしい」


ヒロも小さい頃のセイを思い出して笑う。


「ちょっと、俺の小さい頃の話やめてよ!恥ずかしいし、じーちゃんとばーちゃんが恐いの思い出しちゃうでしょ⁈」


「まぁ、そうね。まだ恥ずかしい時期よね。ごめんね?」


「悪い悪い。まぁ、今のセイも可愛いからな。つい揶揄っちゃったよ。じーさんとばーさんが恐いのは、今に始まった事じゃないからなぁ」


ぎゃあぎゃあ騒がしいのはいつもの事だ。

なんか、日常を取り戻した気分になる。

ここの所、正直に言うとキツかったし、ストレスも溜まっていたのだと感じた。

勿論、グリフさんにはかなり親切にしてもらったし、気も使わせてしまった部分も沢山あったと思う。

でも、私達も気を凄く使っていたのだと感じた。

バスコンの助手席に乗ってホッと、したら安心しちゃったのかな?




「うわー、めんどくさい事に巻き込まないでくれ」


私は、少しの間ウトウトと寝ていたらしい。

ヒロは運転してるから寝れないのに先にグースカ寝ました。

私、反省してます。

ごめんなさいヒロ。


ヒロの心底嫌そうな声で起きました。


顔を上げると、横転した馬車が数台にに散乱したバラバラ死体の山。

一眼見ただけで魔物にやられたと分かる惨状だった。


「冒険者としては、馬車の中を生存者がいないか確認しなければならない。って「冒険者のこころえ」に記載があったわよ」


「あったな。後、出来れば遺留品を持って近くのギルドに報告だったか?」


「そうそう。でも、あの中を探すのは嫌よ。ぐちゃぐちゃで、何が何だかわからないし、血の匂いでウルフ系や、ゴブリン達がいつ来てもおかしくないからね」


「いや、やらなきゃ駄目だろ。小物はレン達を外に出せば来ないし大丈夫だから、俺たち2人だけでやろう」


チロリと後ろを見ると、セイもユウも寝てました。

寝てたの私だけじゃないのね。

私だけが有罪じゃなくて少しホッとしたよ。


あらら、これじゃ仕方ないかな。

まあ、子供達が寝ていなくても私とヒロだけで出たと思う。

あんなにぐちゃぐちゃだと、ね?


小さくなっているロウとトモにセイとユウを頼み、外に出た私は、私の空間に入って居るモギじぃを呼ぶ。

外に出たモギじぃは、血の匂いを嗅ぎ取りそちらを見た瞬間状況を把握したみたい。


「ふむ、こんなに惨殺しておいて1人も食った様子がないのぅ。引きずった後がないから巣に持ち帰った、とは考えにくいしのぉ、それに魔物の匂いもせんしなぁ。物取りにしては時間をかけて殺しておるし、見た限り物を取った様な跡もなさそうじゃのぅ。魔物に襲われたと思わせたかったのかの?愉快犯かの?どちらにしろ面倒事なのは間違いないのぅ」


護衛の人と思われる遺体が23人、侍女と思われる遺体が4人、身なりがいい男女の遺体が1組。

特に、身なりのいい男女の遺体の損傷が酷い。

横転した馬車が3台とまだ使えそうな馬車が2台の計5台の馬車。

その馬車の中の1台は豪華な作りをしている。


「あぁ、本当に面倒事になりそう。この人達貴族でしょ?……ん?人?」


豪華な馬車の下部分に人の気配が有る。

モギじぃが、先頭に立ち見に行ってくれる。

ありがとうモギじぃ。


少しするとモギじぃに呼ばれ、行ってみると1人の女の子がモギじぃに抱えられていた。

どうやら、馬車の座席の下が一部外れて中に物を入れられる様になっていた様だ。

何かの隠し場所としては最適だろう。

年齢的にセイと同じくらいの10歳前後の年齢だろう。金髪のストレートな長い髪、綺麗な顔立ち。

着ているものも、薄ピンクのフリルたっぷりのドレスで、亡くなっていた身なりの良い男女、夫婦の娘さんだろうと想像がついた。


特に怪我をした様子がなく、ストレス性の失神かなと、モギじぃは判断していた。

私もそう思う。


さて、嫌だけど、インベントリ内に入れますか。

この惨状の全てを。












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