ボス前には休憩が必要ですよ?
次の日から予想通りセーフティエリアで休めなくなり、1日で半階から1階分遅れる様になった。
1日で3階しか進めなくなったのは、77階を過ぎてから、1日で2階しか進めなくなったのは、88階を過ぎてから、1日で1階しか進めなくなったのは、92階を過ぎてからだった。
ゆっくりだが確実に攻略していけたし、レベルも0から80前後に、それぞれレベルアップした。
召喚獣のモギじぃ、トモ、ロウの3人は元々高レベルな為(ちゃんとしたレベルは教えてくれなかったけど、1000よりは上って大雑把には教えてくれました)今のところ上がる兆しが見えない。
ヒューマンの平均レベルは、45前後で高レベルで70くらいだ。
モギじぃ曰く、私達はハイヒューマンなので聖国に狙われやすい、捕まらない様に逃げ切るには最低でもレベルを100以上に、欲を言えば200以上が推進みたい。
敵のレベルも大分上がってきといるので、恐らくダンジョンを攻略し終わる頃にはレベル100は超えると思うが200は無理だ。
地道に上げるしかない。
なんて思いながら攻略する事22日目の午前中にして、最下位層のボスの扉の前にあるセーフティエリアに到着した。
レベルは、皆んな100を超えて130位になっていた。
スキルも何個か取得する事が出来た。
私は自動ヒールと、歌(歌に付与が付く)、棍棒術、テレパシー、心術(相手の心が読める)の5つのスキルを取得した。
ヒロは、自動ヒール、槍術、斧術、テレパシー、の4つのスキルを取得した。
セイは、棍棒術、火魔法、水魔法、光魔法、斧術、双斧術、テレパシーの7つのスキルを取得した。
ユウは、無魔法、水魔法、風魔法、木魔法、投擲、テレパシー、の6つのスキルを取得した。
やはり、子供は吸収率が良いのかスポンジの様にスキルを取得していた。
最後のボスはベヒモスかドラゴンではないかとモギじぃ、トモ、ロウが予測している。
ボス部屋から、とてつもない魔力が溢れ出ているからかな?
今までの敵とは比べ物にならないくらい、魔力多くが強いのがわかる。
ユウとセイは絶対に契約獣から離れるなとモギじぃに注意されていた。
冗談ではなく、本当に跡形もなく死ぬ場合があるからと。
お昼ご飯を食べながら、私には契約獣のモギじぃとシロが居るから、ハクとコウはレンとキリと一緒にヒロに付いてほしいと、提案してみた。
ユウにはトモが、セイにはロウが、私の事はモギじぃが守ってくれるが、ヒロはレンとキリだけだ、レベル的に守りが薄く感じる。
レンとキリには悪いけど、テコ入れさせてもらう。
ヒロが死んでからじゃ遅いのだ。
私は人に依存するストーカータイプなのだ。
ヒロが死んだら後追いする自信がある。
ヒロもその辺は良くよく分かっているはず。
付き合ってる時からだから、カレコレ14年?私というストーカー体質の妻の舵取りも分かっているだろう。
ヒロも自分の守りが薄いのがわかっていたのか、何も言わずに頷いてくれたので良かった。
ご飯を食べ終え、片付けると各自ストレッチなどをして身体をほぐしならす。
腹ごなしにも丁度良い。
ユウは人型になったトモの抱っこ紐に入れられる。
向かい合わせで入れたら前がよく見えないから、攻撃できない!と、ブーブー文句を言うので、前向きに入れ直してあげた。
生意気である。
1歳児のくせに!
可愛いから許すけど。
珍しくロウも人型に変化している。
プラチナブロンドの髪と赤紫の瞳を持つ目、精悍な顔つきをした美丈夫である。
今日の武器は何?って聞いたら(モギじぃもトモもロウも何の武器でも使いこなせる達人だから、コロコロと武器を変えるのだ)バトルアックスをインベントリから出して見せてくれた。
うん、なんか合ってるね。
ガスガス叩き切りそうな雰囲気してるわ。
身体をほぐしていたヒロが立ち上がり、私をチラッと見たので頷く。
阿吽の呼吸でわかります。
行くよー、って皆んなに声をかける。
さて、この扉の奥にはなんの魔物がいるのかね?
気合いを入れて行こう。
ダンジョン最後の扉を、ゆっくりと押し開いた。