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幼馴染に脈あるとでも思った?  作者: イヌガミ
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出会いそして出会う

「そろそろ授業に戻ろうぜ。みんなも心配しているだろうし」


「そうですね、、。」


 なんでそんな不満げな表情なんだ。


 まさか、俺と離れるのが寂しいのか。いやいやさすがに橘に限ってそれはないよな。


 藤原同様、俺も自意識過剰になりつつある。


 でもさっき俺の為ならとか言ってたしな。


 少し期待してもいいのかもな。


「もう少し一緒にいるか?」


「はいっ!」


 大きな瞳を更に大きく広げて声のトーンを大きくして声を発する橘。


 その声には嬉しさと楽しさが含まれているようなそんな声だった。


 微笑むその姿は女神そのものだった。


 これってやっぱり期待していいんですかね?



 それから二限目から三限目までの二つの授業コマを休んで、橘と二人きりで保健室に篭っていた。


 約二時間の対話が続き、橘のことも大体把握することができた。


 今までに何をされてきたか。どんな人生を送ってきたか等色々聞いた。


 それに今の学校がどうなっているかも。何もかもを聞いた。


 学校にいる四大美女は藤原にいじめられ精神がズタボロにされ、一人は不登校になっているらしい。


 なぜ、学校側が藤原の措置をしないのかは不明だが、どうせ裏で体でも払っているのだろう。


あいつならやりかねぬ事だ。自分の利益になることはなんでもやるからな。


 四大美女に限ったことではないらしく、気に食わない奴は片っ端からいじめられているそうだ。



 先程、俺に暴力を振るった奴らは停学という措置をとられたようであるが、納得はいっていない。


 俺的には退学でよかったのだが、どうもそうはいかならしい。


しかし、まあ、ざまぁと言っておくべきか。



「俺は4限から授業でるけど橘さんはどうする?」


「橘じゃなくて、花凛でもいいんですよ。うふふっ。私も4限からでます。」


「……元気注入できましたし。」


「なんかいったか?」


「いえ、何も。うふふっ。」


 なんでそんな微笑んでいるんだ。


 俺なんかしたっけな。


 予定通り、4限の授業を受けた訳だが、なんか周りから注目の的になっているくないか?


 ずっと見られているのだが、、。


 俺の気のせいということはない。確実にがんを付けられている。


 でも、その瞳には憎いという憎悪感を含んだ目ではなく、英雄を見る希望に満ちた瞳。


 藤原を撃退したことで、英雄になったのかもしれない。


 かと言って、気を抜いておくと下手なところでまた襲撃を受けて滅茶苦茶にされるかもしれないしな。


 難しい。


 右手で頬杖をついて、そんなことを思っていると四限終了のチャイムが校内中に鳴り響く。


 もう終わりか。


 先生が教室を去ったらいつもの日常に戻る。騒音祭りだ。


 窓際の誰かが窓を開け一気に冷たい大気が教室に入ったところで昼休みの合図となり、騒音祭りが開始された。


 行きしに買ったコンビニのおにぎりと単語帳を出して暗記しつつ、脳に栄養を送る作業を行う。


 生憎、相席はいない。というか、陰キャぼっちなのでいるはずもない。


 虚しい。


「相席いいですか?」


 背後から聞きなれた声が聞こえる。


 まあ、どうせ俺ではないだろうと割り切り、必死に単語を覚える。


 左ページに単語とその意味、右側には単語を使った簡単な文章がか書かれている、どこの書店でも買える普通の単語帳である。


「もう雄介くん!」


「はっはいっ。」


「あなたですよ。」


 どうやら相席を指定されたのは俺だったようだ。


「相席いいですか?」


「いいですけど、そちらの方は?」


 橘は一人で来たわけではなく、もう一人橘の背後に女子の姿がある。


「松井愛莉でーす。」


 乱れた敬礼のようなポーズを取りながらニシシッと微笑む松井愛莉。


 チャラいな。


 藤原のようなスタイル。


 金髪の頭髪に、ジャージを腰に巻いていて、その癖して肌は白い。


 顔立ちも並みではなく、しっかりと整っている。


 街を歩くと、視線を集めるのも間違いないと思うくらい。


 アイドルと言われても不思議ではない。普通に可愛い。

 

 出るところはちゃんと出て、、いやまて、出すぎだろ。


 視線を胸にやると、破裂しそうなほど大きなマシュマロが二つ並んでいる。


 紅潮しそうだが、万力の力で耐える。


 「俺でよければどうぞ。」


 席はもう用意しているらしく、直ぐに弁当を食べることになったのだが、なんか都合がいいな。


 藤原を振ってからというもの、二人の美少女と出会いしかも、飯まで一緒に食べれてるとか好都合すぎませんかね。


 今までの我慢と行動が労われたのか。


まあ今はそんなことどうでもいい。今この瞬間の時を楽しもう。






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