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迷子の青空 41

守護竜の姿を見なくなって

何度目の朝を迎えただろう。

王子レミーは西の地区に現れた怪しい船団-の調査に出向き王都を離れ、

王子メリアは王都を襲う船団の対処に奔走している。

この国は、この世界はどうなってしまうのだろう。

不安に包まれた人々の前に現れたさらなる恐怖。

黒い竜

誰かが叫んだ

「あれは暗黒から産まれた竜。」

「人々に禍をもたらす忌まわしい怪物。」

炎を吐き、人々に恐怖をもたらす。

「我は暗黒竜。」

「人の恐怖こそ我が糧となる。」

「恐れよ。怯えよ人類。」

「手始めにこの村の人々を全て喰らう。そして王都を。国を。世界を食い尽くす。」

村は人はこのまま焼き尽くされてしまうのか。

現れたのは異世界の少年。

少年は手にする剣を振る。

果敢に勇敢に見ず知らずの人々を守る。


西では不審な船団が。

都は見知らぬ軍船に襲われ

村では暗黒竜が現れた。

キリを登場させる。


メリア王子は騎士達を引き連れ港に向かいます。

すると船から無数の矢が放たれました。

応戦する騎士達。

しかしゆっくりと確実に侵攻を続ける船団。

こんな危機にそれでも守護竜は現れません。

暗黒竜を倒した少年は王都に向かい山に向かいます。

そこにいるのは守護竜ピータン

この国の守護竜は病に倒れ伏せていたのです。

少年が竜の頬をそっと撫でると

重い病に苦しむ守護竜はその慈しみにすくっと起き上がったのです。

少年は守護竜を空へと案内しました。

守護竜は西にいる王子レミーの元へと向かい

騒乱を収めた王子レミーを背に乗り王都へと戻ります。

そして王都に攻め入る船団をあれよあれよと沈めるのです。

メリア王子は兵に

海に投げ出された者達の救助を命じます。


お城では守護竜の復活と王子の帰還を祝う式典が催されました。

王子レミーは亡き父の跡を継ぎ新たな国王となりました。

新しい王様は異世界の少年を呼びます。

「守護竜の守護者よ。名は?」

「私はキリと申します。」

「勇者キリ。友よ。」

二人は手を取り、守護竜と共にいつまでもこの国を守るでしょう。


「とりあえずここまでどうですか。」

赤堀サワの書いた「案」を読み終えた演劇部員の創意は

「面白くない」

月夜野アカリならばハッキリと言い切っただろうが

赤堀サワが頭を抱えている姿をずっと見続けている部員達は

少しだけ気を使おうと遠回しに発言する。

「暗黒竜てなんだ?」

「台詞が臭くない?」

「ちょっと話が面倒ね。」

肯定的な意見が聞かれないからではない。

赤堀サワ自身「面白くない」のは知っている。


「一つ質問があります。」

仕立屋吉岡ハルナが手を上げる。

「高校の演劇ってこんな感じなんですか?」

「こんな感じって?」

吉岡ハルナのイメージとして

高校演劇は「会話劇」で

「もっとこうもやもやしたモノを吐き出すようなのとか。」

説教臭いような青臭いような暑苦しくなるような

何かを訴える場所なのではないか。

入学してすぐ赤堀サワに手を引かれ入部したこの学校の演劇部は

「ドラゴンの登場するファンタジー」

の稽古中だった。

衣装や小道具、舞台装置やらの演出は驚くほど手が込んでいた。

だが肝心の内容は

「子供騙しとまでは言いませんがそのー」

「いや子供騙しだよ。」

言い辛そうにする吉岡ハルナに若宮アオバが答える。


「実はそれで皆揉めてねぇ。」

会計倉渕ミサトは苦笑いを浮かべ三年生二人を見る。

道具屋笠懸ヒサシも副部長若宮アオバも似た表情で互いの顔を見る。

「二人のように演劇部に入りたくて入部してくれる子はいいけど。」

近隣の殆どの中学校に「演劇部」は無い。

多くの生徒は中学からの部活動を継続する。

新しい出会いや刺激を求める新入学生の選択肢に

はたして演劇部はあるのだろうか。

「とりあえず目立とうってとこから話が始まって。」

部活勧誘式の場所も時間も限られている。

最初から最後まで見てもらえるとは限らない。

つまり最初から最後までクライマックスでなければならない。

「そんな場所でまったり会話劇はさすがにね。」

「説教臭いのも敬遠されるからな。」

「コントしようかって案まで出たわね。」

「お前が出したんだろうが。」

見た目が派手で演出も派手で

物語も判りやすく勧善懲悪にして

「SFかアクションかって話になって。」

「ハリポタ風に傾きかけたんだけど。」

「部長が「私アレ嫌いなのよね」って言い出して。」

「風なんだからいいじゃんて思うでしょ?」


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