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羽撃く者達の世界 ~演劇部異世界公演~  作者: かなみち のに
第一幕 「羽撃け、友よ。」
18/181

「羽撃け、友よ。」 18

演劇部部長として、

気まずい思いをさせた謝罪をしようとキリを探す。

ウロウロするが見当たらず

キリが声をかけた使用人にたまたま出会しようやく資料室へ。

メリアと地図を眺めルートを確認している。

この子は本当に一人で行くつもりだ。

「すぐに行くの?」

月夜野アカリの声に驚いてから

「準備が出来次第すぐにでも。」

「君じゃなくても」

「他にいません。」

主人公と呼ばれたからではない。

キリ本人は

演劇部こそがこの世界に呼ばれ

そして自分こそたまたま居合わせただけと考えている。

演劇部員は揃っているべきた。

「部室」にいて欲しいとさえ願っている。

これ以上何を言っても無駄なのだろうと月夜野アカリは判断する。

「無茶な事はするなよ?皆で一緒に元の世界に帰ろう。」

キリは返事をしなかった。

「親御さんも心配しているだろうからな。」

キリは何かを言おうとするが止める。そして話を逸らす。

「皆さんはどうします?王都に残りますか?それもと村に行きます?」

王都に居座るか、「部室」のある村に戻るか、実は決めかねている。


「その村なんだけど。」

こっそり部長の後を付けた副部長の若宮アオバが久しぶりに口を聞いた。

「地図だとあの村から道が続いているけど気付いた?」

「これが鉱山の道じゃね?」

無責任な発言を詫びようと現れた吾妻アヅマの推測。

だが彼の興味はもはや鉱山に移っている。

「もしかしてあの光る石が取れるところ?」

村の家に、お城にもある「照明装置」。

オタアヅマはオタ好奇心を発揮し

メリアお姫様にオタ確認をする。

「ボクも詳しく知らないんだ。」

彼女は壁からその装置を外して

「直接見て。危険はないから。」

と手渡した。

オタ興奮度MAX。


ビアジョッキ。に蓋。

それが第一印象。

取っ手の部分を壁に引っ掛ける。

肝心のジョッキの中身は?

「水?」

「塩水。」

そして石。

水の中で光っていたのは石。

「これ触っても大丈夫っすか?」

「すか?」

「大丈夫でしょうか。」

「うん。問題ないよ。」

オタ根性で塩水にオタ右手をオタ突っ込みをする。

熱くない。化学反応じゃないのか?

石に触れ、掴み、そのまま引き上げる。

塩水の中から出したのは「石」

川原に行けば手に入るような「石」

サイズ感としては500mlのペットボトルの半分程度。

見た目より、重い。とアヅマは感じたがこれは個人の感想。

「石」はやがて光量を少しずつ落とし、発光を止める。

ゆらゆらとロウソクの炎のように揺れていたので

オイルランプのような物だと勝手に決め付けていた。

オタアヅマが再び塩水にオタ戻しすると

音も立てず、ゆっくりと光を発する。

微かに光の強弱が生じるのはこの鉱石か溶液が不安定なのか

それともただ精製されていないからなのか。

「光だけじゃない。別の水に入れると熱くもなるんだ。」

この世界のテクノロジー。

光と熱。

電気の研究が進まない理由。

自分は電気が無ければオタクにすらなれない。

「部室に戻りたい。」


織機キリは王子レミーと打ち合わせる。

キリは公式に王子の遣いとして西の街に赴くと決まった。

メリアを交え三人での打ち合わせを見守る月夜野アカリに

「部長は随分とあの子の事心配しますね。惚れましたか。」

赤堀サワは知りたいことは聞く。

「そうかもしれないな。」

意外な返事。

「マジかよ。」

まあ顔は悪くない。よくもないが。

あんな冴えないちんちくりん。私でも泣かせられそうだ。

「何というか、私に似ているのだよ。」

「部長に?」

真逆だ真逆。

何だったらハルナより人見知りだ。

私はまだ一度も喋っていない。

あれ?なんて名前だっけ?

王都の漁港から西の街への船旅。

陸路より速い。船の手配はすぐに出来る。それから人員は?

「ああそうか。君がピータンに乗って行くといい。」


その場の空気が明らかに変わったのを演劇部員は感じ取った。

「守護竜に跨る」

それがどれほど恐れ多い行為なのか異世界の者は知らない。

この国民だけでなく、

この世界の全ての人々は守護竜を敬い、

それ以上に畏怖の対象として捉えている。

当然のように、それを知った長老達が猛反対猛激怒。

「僕がまた行こうか?」

王子のこの一言に返す言葉のないじい様達。

「そうよね。それでもいい筈よね。」

王子がぴゅーと行ってぴゅーと帰ってくる。

メリアは「兄は忙しい」と言ったが

たいした手間ではなさそうだ。

「ピータンは、いや恐らく全ての守護竜は魔女が嫌いなんだ。」


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