第一章 始まりの終わり プロローグ 『全ての始まり』
ーー何故こうなった。 どこで選択を誤った。
体に力が入らない。足の感覚は既にない。
声を出そうとする、しかし出るのは血塊だけだ。
ぼんやりとした視界に映るのは、真っ赤に染まった
地面に、切断された手足、そして■■■の死体だ。
ーーああ、俺は死ぬのか。
どうやら、これが人生の『詰み』と言うやつらしい。人間の血液の量は、体重の約13分の1と言われているが、これはもう全部出ているだろう。そんな事を考えていると、急速に遠のいていく。
ーー気が付くと、鮮血の池に、波紋が生まれていた。
恐らく、俺達を殺した犯人から発生したものだろう。
だか、その犯人の顔を確認する程の力は、もうない。
「これで最後ね」
「そうだな、これでやっと次に進めるぜ」
会話が蘇る。
「最後まで気を抜かずに行きましょう!」
「じゃ、サクッとクリアするかな」
「人の話を聞いてたの?」
「聞いてる聞いてる」
これがいわゆる、走馬灯か。
「いき…て、あい…し…て…る……」
彼女の最後の言葉が、頭の中で響いてる。
「かな…ず」
意識や痛み、五感も全てが遠い。だが、それでも…
ーーお前を、救ってやる
その言葉を最後に、かみしろ・がくは死んだ。