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第6話、3人でお風呂。

 翌日、浜辺の方から小舟が漕ぎ着けられ、いつものお付きの修道女さんが着替えの服を持ってきた。そして、帰りはその小舟に乗って浜辺まで帰ることとなった。


 なんか手際が良すぎで、全部仕組まれたんじゃないかという疑惑があるけれど、仕組まれていようがなんだろうが巫女様とあんな関係になれたことに一切の不満はない。むしろよくやってくれたとしか言いようがない。


「勇者様♡」

「巫女様♡」

「ちゅ♡」

「こほん」


 僕と巫女様が帰りの竜車でいちゃいちゃしていると、お付きの修道女さんが咳ばらいをした。


「お二方、浮かれるのは仕方なありませんが、人の目もありますのでほどほどにお願いします。特に巫女様」

「すみません。……怒られちゃいました」


 ぺろりと舌を出して僕の方を振り向いた巫女様の可愛らしさに、僕は一瞬でノックアウトされてしまった。ああ、なんでこんなに巫女様は可愛いんだ!!


 神殿に帰ると、巫女様はお仕事ということで行ってしまい、僕は部屋に一人きりになった。と、そこへいつも巫女様に付いて回っている修道女さんが一人で部屋に入ってきた。


「勇者様、お話があります」


 修道女さんは巫女様よりも少し年上でお姉さま風の女の人だ。巫女様が少し抜けたところがあって、着付けもたまに少し崩れているところがあるが、修道女さんはそういういい加減なところは見たことがない。なのでちょっとわかりづらいけれど、体型は巫女様と負けず劣らずグラマーなのではないかと思う。


「何です?」

「勇者様は昨日、巫女様と男女の関係になりましたね」

「な、なんでそんな……?」

「いえ、隠す必要はないです。分かってますから」


 表情も変えずに巫女様との関係に切り込んでくる修道女さんに、僕は何か責められているような気持ちになってくるけれど、本人にはそういうつもりはないらしい。……、美人でまじめな修道女さんに言葉でなじられるのってなんかちょっとぞくぞくする。って、僕には巫女様という人がいるじゃないか!


「勇者様。できれば、旅立ちの時には巫女様も一緒に連れて行ってもらえないでしょうか?」

「それは巫女様の使命に反するのではないですか?」

「はい。ですから、勇者様の力で何とか巫女様を今の立場から解放してあげてください。よろしくお願いします」


 いつも沈着冷静な修道女さんに深々と頭を下げられて、僕はちょっと困惑した。でも、この人は本当に巫女様のことを考えているんだなと思うと、これまでにない親近感を覚えた。


「分かりました。できるかどうか分からないですが、やってみます」


 ということで、この世界に来てからただ漫然と過ごしていた僕の生活に目標ができた。題して、巫女様といちゃらぶ新婚旅行で諸国漫遊だ。ただ、それだけだと勇者としてどうなんだとなるから、ついでに世直しでもしていこう。もちろん、勇者の権威を最大に傘に来た感じで。


「ただ、どうしたら巫女様が神殿から離れられるようになるかなんだよな」


 巫女様はお仕事が終わると一目散に僕のところへ戻ってきた。修道女さんが後ろから「走らないでください」と言っているがお構いなしだ。


「勇者様っ!」


 そう言って巫女様は僕のところにダイブしてきて、抱きとめた僕を押し倒してベッドの上にごろごろ寝転がった。そして、僕の胸のあたりに顔を押し付けて鼻をすんすんさせてくる。


「勇者様の匂い、好きですぅ」


 そう言って潤んだ目で見上げて来るのがめちゃくちゃ可愛い。このまま押し倒してめちゃくちゃにしちゃいたいくらいに。……、だめだ、我慢できない。


 僕は巫女様の両腕を握るとベッドの上で仰向けにさせて腕を頭の上の方に万歳させた。これでもう、巫女様は何をされても抵抗できない。


「巫女様」

「勇者様」

「はい、そこまでです!」


 唇と唇が触れようとしたところで、修道女さんが登場して僕と巫女様をむりやり引き剥がした。


「ああ、勇者様ー!」

「巫女様、少しは自重して下さい」

「してるよー! さっきも勇者様がいなくても頑張ってお仕事したでしょ!?」


 何か、巫女様、大分キャラ変わっている気がするんだけど、もともとこういう人だったんだね。可愛いし、スキンシップ多いのは大歓迎だけど。


「はぁ。このまま巫女様と勇者様を二人きりにするのは危険ですね。仕方ない。今日からは私も一緒にお風呂に入ります」

「?………!? ええーー!!」


 ということで、エロかわ爆乳巫女様のいちゃらぶお風呂タイムは、グラマー美女2人組と入るどきどきお風呂タイムに急遽変わったのだった。もちろん不満はない!


「では、勇者様、今日は私が洗わせていただきます」

「え、それは私の仕事!」

「巫女様はダメです。体を洗っているうちに押し倒してしまうでしょう?」

「そ、そんなこと……しない……と思うよ??」


 巫女様は口では否定したけれど、目が泳いでいる。あれは、絶対に押し倒す気満々だったに違いない。僕の方も押し倒される気満々だったから、人のことは言えないが。


「勇者様はこちらを向いてはだめですよ」


 僕の後ろには2人のグラマーボディの美女が全裸にタオル1枚で待機している。僕は直接見ることは許されていないけれど、吐息と足音でそこにいることは生々しく感じられていた。


「あれ、これはどうやったら……? こう?」

「ふぉぉっ」


 お、思わず声が出てしまった。修道女さんはタオルを遣わずに手に直接石鹸を泡立ててそのまま背中を手のひらで擦ったのだ。しなやかで細い指の感触が背中にダイレクトに伝わって気持ちいい。


「勇者様!?」

「み、巫女様!!」


 僕が修道女さんの指の感触に夢中になっているのがばれたのか、巫女様が前に回って見つめて来た。タオルで大事なところは隠れているのだけど、上も下もぎりぎりのところまで見えてしまっている。ちょっと角度が変わるだけで中まで見えてしまいそうだ。


「失礼します」


 と、後ろから修道女さんが脇の下から手をまわして前の方に手をまわしてきた。前に巫女様にこれをされたときはなるべく当たらないように恐る恐る前を洗っていたのだけれども、修道女さんは気にしないタイプなのか、大胆にむにゅっと押し付けて前を洗ってくれた。


「勇者様のエッチ」


 巫女様は視線を下の方にずらすと上目遣いにちょっと責める様な口調で言った。でも、同時に発情したように頬が赤く染まっていた。


「い、いや、あの、これはっ」

「勇者様、動かないでください」


 いや、でも、手で隠さないと、巫女様にガン見されちゃってるんですってば! 修道女さん!!

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