W.ZE ワイルド爺さん 異世界奮闘記 ~孫を探す旅~ 1巻
・プロローグ
これは、一人のおじいちゃんの物語である。
何者かにさらわれてしまった孫を連れ戻すため、異世界に降臨、奮闘する。
時にはつらくなり、諦めてしまいそうになる。しかし、たくさんの仲間や二人の少女、ペットに助けられ、少しずつだがしっかりと歩んでいき、いつしか『ワイルド爺さん』と呼ばれるようになる。
孫は、無事に連れ戻すことはできるのか?
おじいちゃんの妻は何処にいってしまったのか?
おじいちゃんが戦えるのか……?
どんな異世界なのか?
二人の少女とは誰なのか?
奮闘記の始まりである。
・事の始まり
目が覚める。
時計を見た。10時37分。
休日とはいえ、随分と遅い起床だ。
80年ほど前は早くに起きていたのだが、今ではこんなに遅くに起きている。早く起きたいので誰かに起こしてほしい。
しかし、生まれてからまだ88年3ヵ月12日しか経過していないわしを家族は皆、完全に『おじいちゃん扱い』する。
この前、娘のキナコなんか
「おじいちゃんは、早くに起こしたらダメよ!かわいそうだからね。」
なんて、本人の気持ちと正反対のことを孫の変タロウに言っていた。変タロウが不憫である。
ちなみに、紹介しておくとうちの家族は3人と3匹だ。
人間は、わし桃次郎と、娘の希奈子、孫の変タロウがいる。
動物は、猿のポンタ、雉のペンペン、兎のブーポカがいる。
3匹はわしの部屋に住んでいるので、わしが起きるまでおとなしくしてくれている。ただ、雉のペンペンだけは鳥かごの中に閉じ込められているので、暴れることはできないが。
目が覚めたから、もう起きようと布団を畳んでいると、
「ウッキッキー‼(早く起きろよー‼)」
「なんじゃ、そんなにわしが起きたのが嬉しいか!」
「ウキ~‼(違うよ~‼)」
猿なのに、タヌキのような名前を付けられたポンタが、必殺技『サルパンチ』をモモジロウにしようと迫ってきた。しかし、モモジロウはその攻撃を簡単によけてしまったので、サルパンチは見事にかべに直撃。必殺技をきれいによけられ、拳を強打し、半泣きのポンタを横目に、モモジロウは部屋を出て家族の姿を探す。しかし、いつもいるはずの部屋には誰もいない。
「ウキキキーー(誰もいないなーー)」
「...(...)」
部屋から2匹、ポンタと何もしゃべらない兎のブーポカが出てきてモモジロウの後ろへやってくる。
すると、同じ鳥類の仲間である『ペンギン』の『ペン』をとって命名されたペンペンが猛スピードで飛んできて
「ピーピーピー‼(大変よ、変タロウがいないわ‼)」
「本当か‼どうりで昨日から姿が見えんと思った‼」
「ピピー!(昨日はいたけどね!?)」
嘘がばれたことには触れず、変タロウを探すことに。しかし、どれだけ必死に探しても変タロウは見つからなかった。
「まさか本当にいないなんて...」
「ピーピピ!?(もうちょっと信じてくれてもいいんじゃない!?)」
どうしたらいいのか考えていると、パニック状態に陥ったキナコと遭遇した。
「おじいちゃん‼どうしてここにいるの?いつの間にこの家に上がり込んだの?」
「いや、もう5年前からいたはずじゃが!?」
「変タロウがいなくなっちゃったのよ!」
「無視をせんでくれ...やはりいないのじゃな!?」
「はやく探しに行ってちょうだい!!」
「わしの言うことも聞いてくれ!!そんな子に育てたおぼえはないぞ!!」
お互いにパニックになっているため、全く話がかみ合わない。そうして言い合うこと10分。
「何が何だかよくわからんが、よく分かった!」
「ピーーーピピ!?(どっちなのよ!?)」
「仕方がない!わしは探しに行く!覚悟を決めた!腹をくくった!寂しいなどと、わしが行った後に言っても知らんぞ!!」
「はやく行ってきて!!」
「少しは寂しがってくれ!」
こうして、モモジロウ達は家から追放された...。
・謎の声と異世界召喚
家を追い出された1人と3匹。探すにも、情報がなさすぎてどうすればいいのか分からず、困ってしまった。
「誰か、わしに孫の居場所を教えてくれ~!」
「ピピピピーピッピ!(そんなことで教えてくれるわけがないじゃない!)」
すると、モモジロウ達の頭に何者かの声が聞こえた。
「異 世界 に行っ て 変タロ ウを 連 れ戻し ましょ う ね」
「何の声じゃ?わしはもう市ぬのか?」
「ウキッ?ウッキー!?(え、じゃあ俺も?俺も詩んじゃうの!?)」
「ピピーー!?(うそでしょ!?)」
「...(...)」
だんだんと意識が遠のいてゆく...
「これが最期に見る走馬燈か...」
「ウキキッキキー!!!(爺さんどうしてくれるんだよ~!!!)」
「#$%&=¥&#%$¥...」
「...(...)」
そして、1人と3匹は自分達がお願いした初めての異世界召喚を『死』と勘違いしながら、意識を失ったのだった.....。




