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最終章 【404 not found】

既往、全てを憎むことを潔しとしていた彼女の人格崩壊。

何もかも、全てが崩れたのである。其れはドレミー・スイートの代わりに人非ざる者に変貌を遂げた、インジケーターの末路であった。

彼女はいきなり立ち上がるや、血まみれの様相を呈しながらも狂乱もとい発狂した。

奥で厳かな光を佇ませていたパソコンを叩き壊し、キーボードのキーが辺りに散乱した時には時既に遅し、彼女は未完全で完全な「何か」に変貌しようとしていたのである。


「わわわわわ…わわわわわ…私は、私は、私は………」


彼女は頭を両手で抱え、何かに憑かれたかのように暴れ始めたのである。

必死に自己を抑制しようと試みていたが、其れは彼女の中の何もかもを占めたかのような、悍ましい且つ巍然ぎぜんたるる物であった。

サニーはその通常じゃない様相を見て、何かを感じ取った。其れは今までにも無く、そしてこれからも無いであろう、尋常では無い程の畏怖なのだった。


「す、スター!ま、まだお前は何かを隠してるのか!?」


そんな彼女の問いも、結末は灰燼に等しい。

スターは突如として項垂れ、狂乱した様相を消しては静かになるや、彼女は「生まれ変わった」のであった。

自身の身体に電流を纏わせ、1種のプログラムとして…蘇ったのだ。


「―――お探しのページは見つかりませんでした。お探しのページは見つかりませんでした。

―――お探しのページは見つかりませんでした。お探しのページは見つかりませんでした。

―――お探しのページは見つかりませんでした。お探しのページは見つかりませんでした。

―――お探しの"スターサファイア"は見つかりませんでした」


その瞬間、彼女は以前とは風貌を完全に変化させ、其処に存在し立ったのだ。

目の前に立つ3人を邪魔そうな眼で見据えては、何もかもを厄介視して。


「……す、スター!何が言いたいんだ!?」


「違う!違う…違う!あははは、あはははははははは!!!」


◆◆◆


彼女が完全に暴走し始めた時、世界は破滅の一途を辿った。

彼女の画策より崩壊し切ったゼラディウスの中心街に襲い掛かった紅霧に、彼女は一体化したのだ。

淀み「そのもの」に変化し、霧の中に溶けていくように……。

プログラムは霧そのものをコンピュータとして、世界を覆う巨大プログラムへ生まれ変わったのだ。

その事実が分かったのは、スターが笑い始めてから唐突として姿を消した時であった。

ちょうどやって来たのは入り口で待っていたルナチャイルドたち4人。しかし、彼女たちは外のただ事では無い状況を見ては半分恐怖に覆われていたのだ。


「さ、サニー!そ、外の様子が変だよ!!」


ルナチャイルドたちに言われ、外へ出た時には世界は混乱に包まれていた。

紅霧がおどろおどろしい顔を持つ姿は台風の目のようであり、真下にある大地を穿つが如く、落雷の雨を起こしては滅茶苦茶にしていたのだ。

サニーは分かった。其れはインジケーター同士の通じ合い、所詮は第六感に過ぎないが、悪寒は背筋を凍らせる一定量を裕に越していた。


「あれは…スター、なのか……?」


「多分、そうですね。……インジケーターとして、なのでしょうか。胸騒ぎを感じます。

あの時、…神父がいた、怪電波のある地下実験基地の入り口を見つけた時と同じ感じです」


サニーは遠くを見据えた。

雷を暴虐に任せて降り注ぐ紅霧に、遥かなる意思を向けて。

左手で静かに作られた、意思の結晶。ジャキン、と音を立ててはゼラディウスの翼を構えて。


「サニー、行くの?」


ルナチャイルドの問いに、彼女は―――当たり前のように言った。


「当たり前。…私は天使になって見せる。世界に救済を与える…この剣に与えられた名前のように」


◆◆◆


落雷が降りしきる中、機械龍に乗っては落雷を避けながら、紅霧の顔の真下までやって来た3人。

彼女たちは既に死を恐れていなかった。武器を構えては、巨大なる存在に立ち向かわんとして。

社長とレイラを先導しているかのように、一番前に立つ存在は風に煽られながらも上をしっかりと見据えた。

顔は禍々しく、其処に存在していた。そんな3人を歓迎するのか、厭らしく思うのか、其れは判断の余地外にいたが。


「―――スター!これ以上、世界を滅茶苦茶にするのは私が許さない!!」


彼女はそう、声高々に宣言した。

その声が響き渡った時、ゼラディウス…否、世界に降り注いでいた雷は一斉にその姿を消し、辺りは静寂に包まれた。空中に浮かぶ、銀色の要塞。ゼラディウスの人々は、声が発せられた方向に対して希望を抱き、天使として救済を与えようとする様子に未来を思い据えていたのだ。


その時、鈍くて重いような、スターの面影も残さないような声が雲の中から発せられたのだ。

其れは彼女なのか?それとも、また別の「彼女」なのであろうか?

追憶に記憶を翳し、安寧秩序を壊さんとする濃霧は静かに自己を語ったのだ。




―――私は私のままに 悍ましくあった



―――私は私のままに 残虐であった



―――私は私のままに 傲慢であった



―――何故 非力なる者どもは 愚かに抗いを見せるのか



―――私は私



―――世界を受け入れ そして破滅させる者



―――全てが齟齬し 否定しようとも 私は存在しよう



―――そして破滅しよう 私と共に この星もろとも 永劫に!



◆◆◆


濃霧との戦い。―――『404 not found』。

今までは存在や形容を持った、一種の形而下であったものの、今回に関しては形而上と表現して差し支えは無さそうであった。しかし、何も恐れてはいなかった。

サニーは左手を掲げては、大きな声で宣言したのだ。


「―――召喚ファイル展開!いでよ、バハムート・プログラリウム!」


彼女の声と同時に現れた、プログラムで出来あがった機械龍。

けたたたましい咆哮を上げては、奥に佇む濃霧に向かって果てしなき電流を起こしたのだ。

しかし、濃霧はそんな電流に微動だにせず、寧ろ落雷で相殺を起こしたのだ。

その隙を垣間見て、サニーはゼラディウス・ウィングを構えながらジェネシスに命令を下した。


「雲の中に突っ込んで!!」


そう言うや、機械龍は急激な上昇を始めた。

紅霧は本来雲が浮かぶ場所よりも下に出来ているため、基本的に酸素には困らない。

寧ろ色が付着した雲が息苦しさを伴わせていた。


―――そして、3人の目の間に現れたのはスターの身体であった。

しかし身体は濃霧と化したスターの精神が剥がれ、今や亡骸となっていたのだ。

其れが濃霧の中で蜘蛛の巣に絡まるように存在していた。サニーは其れを絡めていた濃霧の糸を一本ずつ丁寧に取るや、精神の器を回収した。


「さ、サニー…私、もう訳が分からないよ……」


レイラは何故スターが濃霧の中に存在していたのか、余りにも突発的な事象に頭を抱えていた。

実際、サニーも分からないでいた。しかし、脳裏では何していいのか分からないのに身体が勝手に動くような感覚が其処には存在していたのだ。

彼女の両手に残る、スターの殻。その瞬間、濃霧は唐突としてバランスを崩したかのように轟音を立てながら消失していくのであった。


「うごごごごごごぁぁぁぁ………!!!」


◆◆◆


よもや、世界は救われたのであろう。

濃霧は謎の消失で、本来のゼラディウスの青空が帰って来たのだ。電波を塞いでいた遮蔽材が打ち消えた事でネットワーク接続も良好になり、世界は元の姿を取り戻した。


しかし、瓦礫の海は依然として干潮であった。

多くの人々は久方ぶりに見る太陽を悦として喜んだ。だが、現状は崩れたままであった。

政府は消え、政治経済は破滅。貿易大国としての名は、瞬く間に消えるものであった。


3人は機械龍から大地に降り立ち、瓦礫のベッドにスターの亡骸を寝かせた。

安らかな顔であった。世界を滅茶苦茶にした存在は、メルクチュアル=リジュマイオニー病と言う障害を負いながら、自己の意思で反逆できたのかもしれない。


今まで、この世界の荒廃までがスターの作ったシナリオ通りに施行されていたのなら、サニーは駒のままで終わってしまった。レイラも、また社長もそうであった。


「―――世界は、何時か…礎の翼を取り戻すさ。

―――私は翼を捥がれた、哀れな天使だから……此処までしか出来ないや」


◆◆◆


「―――昨夜未明、プロメテイア・エレクトロニクス社の社員、サニーミルク容疑者の死体が確認されました。現場は騒然としており、警察は解析を進めています。場所はゼラディウス凾渠、凾渠監視中のコントロールセンター職員がサニー容疑者を発見し、110番通報がありました。

現場検証の結果、身体に傷は見当たらず、懐からは遺書みたいな物が発見されたため、警察は自殺を頭に捜査を進めています。

―――今日は心理学専門家の方にお越しいただきました。…サニーミルク容疑者が自殺を図ったのなら、其れは一体どうしてでしょうか?」


「―――やはり、心情の圧迫と軋轢他ならないものだと思いますよ。

……彼女もメルクチュアル=リジュマイオニー病であったと検査で分かったそうですし。

しかし、世界は不条理ですね。彼女、経歴を調べ上げられた結果、冤罪なようで。もう"容疑者"なんて呼び方、止めた方がいいんじゃないか、って思いますよ」




―――翼を奪われ、地に這いつくばる天使は哀れにその生を閉じた。


―――世界は何を望んだのか?それこそが、本当の「ゼラディウス」であることに、我々は気づけたのであろうか?


―――恐れるな。


―――虚空の輝き、ゼラディウス・ウィングを。



―――東方聖蹟翼 Twilight Indicator TOHO FANTASY ECLIPSE -聖蹟のゼラディウス・ウィング-


TOHO FANTASY Ⅵ完結です。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

最後がアレだけど、むしろこういう終わり方の方がハッピーエンド続きのTOHO FANTASYには革命を起こした気がする


そして自分はいつも暇なので、いつも合う戦闘曲を考えたりしてます。

〇通常ボス

→Knight of the GoddessーFF13-2

〇バハムート・アムザー

→Paragidm ShiftーFF13-2

〇エクリプスシルテウス、閃光

→God of WarーFF13-2

〇ロリス(二戦目)

→the Grimoire of Aliceー東方怪綺談 ~ Mystic Square

〇上白沢慧音&エリス

→Eternal FightーFF13-2

〇スターサファイア

→ Scrap and Build Ourselves -from Revoultion-ートラスティベル -ショパンの夢-

〇404 not found(イベント戦)

→DemiseーFF10-2


今回は「自殺、鬱」をメインにした、謎や不思議が多い系を目指しました。

最後は未完成です。無理に完成させるよりも、滅茶苦茶にした方が不可思議成分も増えるので。

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