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17章 来賓客の登場

サニーがスマホの中から社長の声を聞いた時、襲撃の布石が足元に現れた。…そう、揺れである。

プロメテイア・エレクトロニクス社にやって来た巨大龍は聳え立つビルをも揺らし、颯爽とご登場したのだ。

傲慢な来賓客の到着である。サニーはすぐにスマホの通話を切っては懐に入れると、ゼラディウス・ウィングを右手に、2人の前から走り去った。


唐突な彼女の行動に泡を食ったような気分に陥った2人は、咄嗟に今の状況を悟った。

会社を襲った揺れが決して自然なものでは無い事を、衝撃波で割れた幾枚かのガラスで判断が着いたのだ。

ルナチャイルドも携えていた太刀を片手に、彼女の背中を追いかけた。


「……来たのね」


スターサファイアは落ち着いた雰囲気でそう言うや、自らも武装させた。

―――静かにショットガンを机の脇から取り出しては、震動で慌てふためいて混乱に陥った会社内を進んでいった。

社長の声がアナウンス越しで響き渡った。中にいる社員たちはすぐに避難するよう命じられたが、スターサファイアはそんな中、1人不気味そうに笑みを浮かべて―――。


「……とっとと蹴りをつけちゃいますか」


◆◆◆


サニーがゼラディウス・ウィングを片手に屋上のヘリポートへ駆け上がった時、既に社長とレイラが存在していた。レイラは寝ぼけ眼で、今さっきまで寝ていた状況であった事を様相から醸し出している。

ユウゲンマガンは苦い顔を浮かべながら、空中に浮かぶ機械龍を見据えた。


全身が機械仕掛けの龍―――バハムート・アムザーである。

其れはユウゲンマガンとの通話で分かったことだった。サニーは迷う暇もなく、剣を構えた。

6枚の翼はぎこちない動きをしていたが、アムザーを浮遊させるには充分であった。


「―――馬鹿馬鹿しい。私の会社に攻撃なんて、ドレミーからの派遣か?」


「寝かせてくださいよぉ……。…疲れて睡眠が取りたいのにぃぃ………」


2人は機械龍に武器を向けていたのだ。勇ましくも、恐れない勇気が其処にあった。

彼女も負けじと武器を構え、機械龍に向けて見せた。ヘリポートの先端に立っては、前を望んだ。

足元が掬われそうな気がした。と言うのも、すぐ前の真下は崖のように下が続いているからだ。…ガラスの絶壁である。

しかし、彼女は恐れまい。ゼラディウス・ウィングを構えては、貞操概念を捨てた女神のように世界を望んで―――。


「―――社長、来賓客のご登場のようですね。ご丁寧に御持て成しましょう」


サニーは嘲笑を浮かべながら社長に話すや、彼女も皮肉を交えた笑みを浮かべた。

レイラもそんなサニーの言葉を聞いて、やる気になったのか銃を構えた。目をパッチリと開けて。

やって来た「来賓」を持て成す為に、会社なりの最善で最高の―――。


「―――リリカやメルラン、スターたちが何処にいるかは知らないけど、パパッと終わらせるよ!

――――――行くよ!バハムート・アムザー!」

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