表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最悪人生→?  作者: 紫乃
5/35

3

「かわってない?!」


初めて鏡を見ました。

思い出の中のあたしそのまま。

いや、ちょっとまって、神様。

あたし外見お父さん譲りって評判だったの。

なんか無理があるんじゃない?

ってか、少しは変えてくんないと同じ事の繰り返しじゃね?

……そうか、雰囲気を変えてみては?

いまから地味に行く?

いや、それはそれでなんか嫌。


「笙子、お買い物いこ」

「うん」


ママと手をつないで外に出る。

今日は日曜日。

例の入学用品を買う日。

当然のごとくお隣に寄って、優太と楓子ママと合流する。


「ママ、パパはいつかえってくるの」

それが目下の悩みだ。

元優太の父、勝也さんは出張らしく、まだあってない。たしか普通のサラリーマンだったはず。

優太にそっくりで童顔なお父さんだったな……。

お隣の元あたしの父、直も今頃はどっかの大使館で働いてるんだろう。

確か勝也パパは優太大好きだったはず……。

それがどんな設定になってるか気になってしょうがない……

「パパは大好きな笙子に会うために今日帰ってくるって言ってたよ」

今日?!

「直さん今日帰ってくるの?」

「そう、笙子の入学する学校の下見に行くんだって張り切ってる」

直……さん?

まさか……

今朝の微妙な疑問が浮かんできた。

あたしは父親にそっくりなんだ。

だからつまり……

「ゆうくん、ゆうくんのパパ、おなまえなんだっけ」

聞きやすいのは隣で上機嫌に歩いてるこいつだ。

繋いだ手をぶんぶん振り回して、

「かつや。だよ。なんで?」

「ううん、なんでもない」

つまり、父親は変わらずってことね。

なんてややこしい。

でもこれで顔の件は説明がつくか。



大型デパートにて、母親たちのパワーに圧倒され。

デパート屋上にて戦隊物のヒーローショーで悪役に攫われ、優太に恥ずかしいことを叫ばれた。

ぼくのしょーこちゃんって言った……

真っ赤になってるあたしを母たちはやっぱりニヤニヤしながら見てるし!!

あー、優太ってこんなキャラだっけ。

ちがう、もっとおとなしい子だった……

それと、両手で抱えるくらいの大きなぬいぐるみを貰った。

ぬいぐるみは楓子ママからのプレゼントだって渡された。

これからも優太と仲良くしてねって頭をなでられた。

あ、そういえば誕生日過ぎたばっかりだったっけ。

誕生日プレゼントってことでいいのかな。

くれるっていうから貰っておきなってママが言ったからありがたく貰っておいた。

楓子ママにありがとうっていうのは少し緊張したけど、言った後、笑ってくれた。

笑顔が向けられたのが嬉しかった。

母はあたしに笑いかけてくれること、なかったから……

嬉しかったけど、なんだか、優太が不機嫌になってしまった。

楓子ママがあたしにかまったからかな?

って思ってたんだけど、違った。

ぱってぬいぐるみを奪ってママたちに押し付けると、あたしの手を取って歩き出した。

「ママ、もって。しょーこちゃんとてつなぐ」

あああああ、またあんたは……母親たちに生温かい目で見られてるんだってば!

後ろからは将来は杉崎だとか紺野だとか聞こえてくる。

意味が分かってると恥ずかしいのー!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ