優太-2
2,3日過ごして分かったのは俺たちの周りが少し違うってことだ。
俺が杉崎で、笙子が紺野。
両親がシャッフル。
仲のいい両親を見てきたから、最初は信じられなかったけど、そのうち慣れるだろう。
夢かと思ったけど、痛覚はあるし、どうやら現実らしい。
幼稚園の年長さんらしい俺は、毎日を笙子と遊んで過ごしているらしい。
ま、前回も幼稚園まではそうだったかな。
朝は笙子の家に迎えに行って、夕方は笙子の家で過ごして母が迎えにきたら帰る。
「…おはよう、ゆうくん」
少しのんびりしたしゃべり方。
少し乏しい表情。
たまに笑うけど、ちょっと、ぎこちない。
少しずつ、笑ってくれれば良いな。
この、少し違う、やり直しのような人生の中で、すっかりおんなじではないけど目の前の笙子を幸せにすることが俺の使命のように感じた。
笙子が俺を知らないならそれでいいと思った。
変化は突然だった。
お昼寝からなかなか目覚めない笙子を起こした時、定まらない視点で俺を「こんの」って呼んだ。
「こんのは、しょーこちゃんだよ」
言った言葉は震えていなかっただろうか。
自分のネームを見て呆然としてる笙子を見て、黙っていようと決めた。
お前にあんまり好かれてなかったのは分かってる。
だから、まっさらに、一から俺を見て。
お前が俺の側で笑っていられるように、頑張るから。
俺を、好きになって……
どうしよう、笙子は不安に思ってるだけだってわかってるけど、袖を掴まれた時の嬉しさ……
上目遣いに見上げてくる仕草、マジで可愛い。
あー、絶対これ俺のにする。
絶対結婚してやる。
俺が幸せにする。
神様、マジでありがとうございました。
この前までの俺はどうなったか知りませんが、打ち所悪くて死んだんでしょうか?
そんなのどうでも良いくらいに今、幸せです。
それから?
うん、順調に結婚にこぎつけたよ。
途中でいろんな妨害があったけど。
一番に厄介な首藤は笙子に気持ちを伝える気はなさそうだし、前回の初恋らしいセンセーは前回の自分にすら勝てていないっぽい。
他にもよってくる奴はいたけど排除したよ。
許さないよ、俺たちの間に入ってくるなんて。
20歳で学生結婚なんて許されないかと思ってたけど、案外あっさり親の許しを貰った。
なんでも、18になった途端に結婚って言い出すだろうって思ってたらしい。
その前から覚悟はしててくれたんだそうだ。
理解のある両親で幸せです。
笙子本人からは最初は突っぱねられたんだけど、最終的に了承をもらった。
だまし討ちみたいに結婚したけど、笙子はよく笑ってくれたし、子育ても頑張ってくれた。
幸せだなってつぶやいてるのを聞いた時は泣くかと思った。




