第三話目『妖精と魔法』
―あらすじ―
死んだら憑依した、なんか強かった。まもの倒したら金がもらえたので宿にとまる。ファイという門番と友達になった。
―どうしてこんなことになったのだろう。
頭の中は混乱して、とりあえずこの状況を無理やり忘れているのが今の状況。
宿もとり、一週間程度落ち着いて考えようと思ったが、この状況。
魔方陣の起動。
黄色に光り続けるその形をみるに、そういうしかなかった。
魔法、存在しているといわれているし、反射的にとはいえ、自分も使った。
だが、この光景を俺は茫然と見るしかなかった。
落ちて行く。目の前が一瞬真っ暗になったかと思うと、真っ暗な空間に落とされる。
茫然としながら、手探りで壁を探しておく。壁というものは安心できるものだ。
暗闇でもなにかあるということを理解できる。ここは現実なんだとしることができる。
壁がなければ宇宙空間にほっぽり出されたような、恐怖感を感じパニックになってしまうものだ。
フラフラとおぼつかない足取りで壁をさがし、見つけたときには安堵する。
だが、触った所から緑の光が発行したことに驚き、手を話す。
『見つけた』
そう女性の声がした気がした。
呆然としていると、壁に線が入っていき、自信がいる場所を照らし始める。
――どうやら、長い通路にいるようだ。
緑の光は、後ろをみると続いていない。
だが前をみると続いている。
一歩、あるくと、俺がいた場所のみどりの発行がきえる。
「(いけ、もどることはゆるさないってことか。)」
心の中で悪態を突きながら歩きだす。
その光はどこまでも続いているようにみえて、不安になってくるが、どうにかその気持ちを抑えてゆっくりと歩きだす。
「(歌…?)」
かすかだが歌声が聞こえる。それもみどりが続く方向にだ。
歩き続けることを決心し、そのまま歩いていく。
そうすると、みどりの魔方陣が書いてある広間にでた。
剣を引き抜いて、少しずつ、少しずつその広間にはいってみるが、何も起こらない。
だが気は抜けない。剣を鞘に戻さず、そのまま魔法陣へと近づいていく。
――そこには台があった。
そしてそのうえには――
「妖、精…?」
透き通った羽根をもち、赤い髪をした女の妖精がそこにいた。
妖精は歌を歌っていた。その声は透き通るような声で歌い始める。
それは幻想的で、思わず聞き行ってしまう。
そしてふとその歌がとまると、俺のほうを妖精がみているのに気づく。
「あ、ぅ…」
妖精が何かをいおうとして、何をいえばいいのかわからないといった感じのうめき声と顔をする。
そしてすぐに妖精は決心したような顔をし、その小さなカラダを立ち上がらせ、こちらをむく。
くるか…!?なんて構えてみるが、それは裏切られることとなる。
バッと飛び上がると、妖精はなんと――
「ご主人様ァァアア!」
ご主人様と俺を呼んだのだ。
「ハァ―――!?」
「えっと、ご主人様ァ!私はいままで一時たりとも…忘れてますけど、忘れてませんよ!会いたかったですご主人様!!」
飛びかかってくる妖精をキャッチして、妖精のいっていることを聞いてみる。
ご主人様=俺
妖精の相棒だった=元の体の人
憑依しました☆
なんていってどんな顔が帰ってきてくるだろう。というか絶対に危険な人をみる目でみられる。
ここはどういってごまかそう。
「すまない――俺には記憶がないんだ。だから、教えてくれないか?」
聞き出す作戦にでてみた。
「え゛」
………
「なんだ、今のすげー嫌そうな顔。」
「そんなことないですよー、ご主人さ・ま☆」
そういってクネクネとごまかそうとはりきっている妖精をじっとみる。
じっとみる
じっと―――
妖精が滝の汗を流し始めた。
「あーもうっ忘れましたよ!?悪いですか!?」
まさかのギャク切れをおっぱじめたこの妖精に唖然するしかなく。
「もう最後に別れてから、何百年経っているかわからないんですよ!?わかんなくたっていいじゃないですか!?」
俺はその妖精が核爆弾の投下ほどの重要なことをいっていることを聞き逃した。
「と、りあえずここから出たいんだけど。自己紹介とかはでてからで。」
妖精の逆切れを流しながら妖精へと問う。
妖精は、「わかりました!」と元気良く返事をする。
………
「おい」
「や、やだなぁ出る方法を忘れたわけじゃないですよ!?ちょっと道のりがわかんないだけで…」
「それは、過去現在未来をさかのぼっても変わることなく、人々はそれを忘れたというのです。」
「なにそのスケールの大きいツッコミ!?」
どうやらこの妖精は出方を忘れたらしい。
「まぁとりあえず探索するか。」
緑の光で満たされたこの部屋をグルリと見回す。そうするとそこに杖が置いてあることを見つけ
それを手にとってみる。
「暗くてどんな杖かよくわからない…」
手がかりかと思えば、暗闇で見えない、では違うのだろう。
「あの、ご主人様?」
「イリスだ。」
「はい?」
「俺の、名前。」
そう返答すると、嬉しそうにコクコクとうなづく。
「ここに契約は成立しました!」
――今何と言った?
「いや、しぶんの名前を与えるということは契約の証なので。」
……なんだか、もうどうでもよくなってきた。
とりあえずでなければはじまらない、とにかく探索をしていく。
―十分後
「あとは…この魔方陣のみ。」
探索をして、ダンジョンによくある『なぜ置いてあるかさっぱりわからないつぼ』とか『誰が置いたんだよ、と思える宝箱』をみつけ、はしゃいでいはしたが、肝心の出来たはわからない。
そうして魔方陣を触ると――発光が激しくなる。
「わっ」
「きゃぁっ」
一瞬で光に包み込まれ――
――気がつけば公園にいた。
でれたことにアンドすると、妖精がいきなり声をあげる。なんだとみると妖精は納得気に
「あぁっ思い出したッ!私と契約してから再度乗れば起動するんだ!」
――妖精に殺意を持った。
宿屋に戻ると、とりあえず自己紹介をはじめる。
「さっきも言ったとおりイリスだ、よろしく。」
「私はたしか――ルビー、だったかな?」
「そうか、よろしくルビー、で妖精との契約といったけど、なにがあるの?」
「魔法の構築の補助、並びに独立した魔法構築による援護、そして話し相手です!あとは忘れました!」
なんだ、俺は寂しい人間とでも思われているのか?
魔法の構築と独立して魔法構築できる。
そのことに少々期待を寄せる。とくに独立のほう。
さっぱり魔法がわからないから、構築できるってことは魔法が使えるはず。
「なぁ、まほ「あぁっ!」な、なんだよ。」
「魔法ってどうやってやるんでしたっけ☆」
テヘッ☆みたいな感じで舌をだして頭をコツンと叩く妖精に、思わずひっつかんで窓から遠投してやろうかと思ったがなんとか抑える。
とりあえず、一冊本を取り出す。
「おそらくここにかいてある、俺も記憶喪失だ。いっしょにみるか。」
「はいッ!」
まったく、返事だけはいいんだから。
【魔法】
『火、水、風、地、光、闇、時、空』
8つの聖堂があるように、魔法は8つの属性をもつ。
この魔法を扱うには、使える属性であることと、そして構築式を理解していることが必要。
時、空以外の6種は、空間に存在する精霊に干渉し、魔力を糧に力を貸してもらうことから発生することができる。
故に、使えるものはほとんど均等に存在する。
だが、時、空の二種は、神に干渉するといわれ、莫大な魔力を使用し、それ故に使えるものは極端に少ない。
魔法構築式とは、魔法陣のようなものであり、頭の中で浮かび上がらせ、空間に『在る』と想像し、魔力をもって形作ることにより完成し、それにより効果を発動させる。
構築式は、全部の種類で『囲い』の中で構築する。
火は正三角形
水は丸
土は正四角形
風はだ円
光はひし形
闇は長方形
時は二重丸
空は台形
となる。
そしてキーワードがあり、それは魔力の代償により魔法を使わせる精霊への『命令』である。
指をさし、当たれ、でもいいが、その外に『焼き尽くせ』『吹き飛ばせ』『破壊し尽くせ』などの命令が可能だ。
ルビーが肩に乗っかりながら、時節「そういえばそうだった。」などとうなずく、一方俺は理解はできるのだが、魔法構築式にたいする理解というものにとてつもなく怖くなってきていた。
魔法構築式って、あれだ。
漫画で出てくるものだ。
『カー○キャプター』を思い出す。
言っておくが、さゆりの持っていた漫画であり自身のものではない。
次のページをみると、構築式が所狭しと載っている。
目が痛くなるほどに書いてあるその構築式をみながら、なんとか理解できないかと思いじっと見つめるが、理解できたら苦労しない。
「あの、イリス様?」
「な、なんだ…」
「これは魔法構築式を覚えてれば使えるんですよ?」
……では理解ってなんなんだ?
「理解というのは魔法を構築するために必要なものという意味なんです。精霊と魔力、そして魔法構築式を知り、それの使用を理解し、そして利用する。理解というものは感覚でいいのです。」
「ナ、ナイス、ルビー」
そういうと、えへへっと笑いながら嬉しそうに笑うルビー。
とりあえずページのひとつの魔法構築式を見て、うろ覚えながらも構築を想像――
「―――!?」
とてつもない速度で構築式があみだされていき、構築完了。
うろ覚えだと言うのに細部まで完全再現されている。
―――体が、覚えている。
戦い方、そして判断力、そして魔法構築、これらを人が変わったと言うのに覚えている。
この体の元の主はなにものだったのだろうか。
どれだけの戦闘経験をしてきたのだろうか。
ルビーの必死になって本を見ている横顔をみながら。
「――とりあえず、生きることから考えよう…」
そうポツリと漏らし、目をつぶってベットへとカラダを預けた。
ギャグ要員一名追加。
やっときた――!
淡々と続いていきなんのイベントも主人公が慌てているだけで何も起こらないからさっさと進んで欲しかった!