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第十二話目『戦へのカウントダウン』





――????



暗い空間の中、黒い鎧をきたたくさんの軍勢がそこにいた。ざわざわと音を立てている。

そして、その空間の中にステージがポツンとあり、そこからひとりの人物がやってくる。

雰囲気から黒騎士という言葉が生まれる。


そして、黒い鎧たちの喧騒は、その黒騎士が現れた瞬間に止り、静かになる。


『魔王様が復活される』


黒騎士のひとことに、わぁっと軍勢から声が上がった。それも黒騎士が制したとこにより、すぐに収まる。


『混沌が訪れるッ!虐殺だ、我らの栄光がいまここにある!』


そして黒騎士がバッと手をあげる瞬間に、爆発的な歓声があがった。





ワァァァー…





その歓声をきいて、黒騎士は満足そうにうなづいた。

そして、さらに言葉を続ける。


『だが、魔王がいるために、勇者という存在が生まれる。』


その瞬間に喧騒はすぐに収まった。


『故に我らは――可能性があるものを、殺す。』


『殺すッ!』


黒騎士の言葉に一人の黒い鎧を来たものが続く。

それに続くかのように、さらに続ける。


『殺すッ!』

『殺すッ!』

『殺すッ!』

『殺すッ!』

『殺すッ!』

『殺すッ!』

『殺すッ!』

『殺すッ!』

『殺すッ!』


『さあ場所は魔法学院!そこには憎き魔法剣使いや魔法使いがいる!勇者が現れるかもしれない、もっとも危険な場所だ!…魔王様のために!』


『魔王様のために!』

『魔王様のために!』

『魔王様のために!』

『魔王様のために!』

『魔王様のために!』

『魔王様のために!』

『魔王様のために!』








―side 主人公


バッとすぐに起き上がる。ぜぇぜぇと息を漏らし、頭が揺れる。ゾクゾクという嫌な予感がした。


「あの夢は――」


あの黒い鎧どもが軍勢をなしていた。あれほどに強かった黒い鎧たちが。

強さというものが同じではないことはわかっている、何体かと相対したこともあったし、倒した。

今の夢が本当かはわからない、だがこれほどに嫌な予感がするのはなぜだ。


怖い、なにかが起こりそうで怖い!


「どうかしました?」


「あぁ――うっわあああああぁぁぁぁ!?」


「まぁ、女性の顔をみて驚くとは――ひどいですね。」


「いきなり横にいたら驚くでしょう!?」


「いえ、もう二週間になりますし――慣れてくださらないと。」


何故俺が悪いことになっているのだろう、そう疑問に思ったことはたぶん間違ってなんかいない。

というか、学園長もこんなことを許しているのだろうか、うら若い乙女が、男の部屋に、朝早くから寝ている間に入るなどという行為を。


「さすがに…自重してくれませんか?」


「嫌です☆」


それは、わかっていましたが。

そこでふと、汗に濡れた寝巻をみる。ペットリと肌について気持ち悪い。

シャワーにいこうかな、と思ってセレミアさんをちらりとみると、こちらをじっとみていた。


「なんですか?」


そう聞いてみると、真剣な顔をしてセレミアさんは聞いてくる。


「うなされていましたが――」


心配してくれたことに感謝しつつ、俺はとりあえず話してみることにした。この世界に来てから信頼できるやつなんてかぞえるぐらいしかいない。だから数える数に聞いてみるしかない。


夢の内容を教えてみると、真剣そうな顔をしていたが、ニコリと笑う。

たぶん安心させるための笑みだろう。


「お爺様には気を付けるように、とでも言っておきます。」


その言葉に若干安心する。夢だと言うのに信じてくれる。それが正直嬉しかった。


「むぅ、近辺に不審者が出没していたという報告をうけた、とでもいっておきましょうか。」


そういっているセレミアさんに微笑んだ。そしてすぐにシャワーでも浴びようと立ち上がる。


「あら、どこにいくのですか?」


「シャワーだよ。ありがとな。」


そういって俺は歩き出し、シャワーを浴びに行った。

汗を流してさっぱりして、戻ったとき、汗でビショビショだった寝巻が消えていることに気づき、別の意味で汗を流した。







学校に通って、すでに二週間はたっただろうか、それなりに充実していることを実感している。

男友達のジェイクは、まったくまともとはいえないが、おもしろいやつだし、ミーナさんとのコンビをみていると、なんか和む。


そんなこんなで、やたら普通とはグネグネと曲がりきった日常を送ってはいるものの楽しい毎日だ。



「――って…戻る方法を探さなきゃ…」


手がかりは水の聖堂の水の女神であるあの人がいっていた願いが叶うと言う言葉だ。

だが、試練と言う言葉も気がかりだった。

そしてこの剣について――。

たぶん、おそらくはあのときにつかった魔法剣のようなものなのだけれど。


あのとき、といって思い出せるのは水の剣。

共鳴――のような感覚。


それをいくらやってもできなかった。

掴めないことの苛立ちはあったが、諦めない。








―side ファイ


「ん、なんだありゃ?」


黒い塊が平原の向こうからくるのが見えた。

イリスみたいに魔物をひっつけて逃げてきたやつがきたものか?と思ったが、違った。


「黒い、鎧?」


一瞬で、イリスが解決した事件を思い出す。黒い鎧…やつらの仲間か!?

その瞬間、瞬間的な判断で目の前を斬った。

すると、炎の弾がまっぷたつになる。


―魔法か!こりゃあ、好戦的ということだ…


戦争、なにがあってなにがしたいのか、それがさっぱりわからない。

だが、戦争がはじまることは容易に想像できた。


思わず後のやつに声をかける。

さっきから口をあんぐりと開けている奴の肩をふれると、ビクッとして倒れ込んだ。


「な、ななななんだよあれぇっ」


「知らねぇ、でもすまないが、ちょーっと学院長に報告してきてくんねぇか?指示を貰わなきゃな。」


「あ、あぁ…ってファイさんはどうするんだ!」


「あ?俺か?俺はだな――食い止めんだよ。なに、危なくなったら逃げる。」


「む、無茶だ。」


そういわれ、俺はクハッと笑う。


「無茶かどうかは俺が決める。守りてぇものが家族だ。そしてついでにこの国だ!」


そういってケラケラと笑う、引きつっていることはわかっている。


「なぁに、学院には驚くほど強い奴がいる。そいつが来てくれればたぶんおそらくきっと大丈夫!」


「不安にさせないでよ!?」


「ま、いけよ!俺は…行くから!」


そういって走り出す。無茶なことは分かりきっていた。

でもさ…家族がいるんだぞ?


両親は死んだ、子供も死んだ。

でも妻がいる。


だから――俺は、やれる。


イリスが、俺の子供が生きていたら、きっと、アイツくらいなんだろうな。

他の小説といっしょに書いてみたら文章がうつりそうで怖かった。

ヤバイなー、もういっきにすすめちゃった。

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