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おいのり
むかしむかしあるところに、お姫さまがいました。
ある日、お姫さまは隣の国の王子さまに恋をしました。
それはそれは一途な恋だったそうで、
そしてそれはそれは燃えるような恋だったそうで。
それからお姫様は毎晩毎晩、毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩、
王子様のことを想いました。
けれど、お姫さまは知ってしまったのです。
自分が恋焦がれた王子さまには婚約者が、
自分とは別の人と結ばれる運命が用意されていたことに。
お姫さまは泣きませんでした。
それどころか、お姫さまは王子さまのことを想うことをやめませんでした。
来る日も来る日も、毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩、
毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩、
お姫さまは王子さまを想い続けました。
しかし、いや、やはり、ある日、お姫さまは気付いてしまうのです。
いくら自分が想い続けても恋叶うことがないことに、
いくら自分の想いが一途でも恋報われることがないことに、
そして、お姫様は思ったのです。
ああ、この恋、叶わないなら、いっそ――




