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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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セレネは告げた、これは幸福であると

作者: おしょーゆ
掲載日:2026/07/14

これはただの少女が月を目指す物語。

ありふれていて何も得れない物語。

そうそう、あなたは何でこれを読んでいるの?

そこにあったから?

いや、友達に勧められたから?

レビューを見て気になったから?

まあ、理由なんてどうでもいいか。

さて、最後にあなたは人生という物語はどのようにして終わりを迎えたいですか?


あなたは、少し考えるのですね?



私は少しだって考えなかった。


だってそれをずっと望んでいたから。



18年間、私を縛っていたこの街は、残酷だ。

毎日、学校でいじめられる日々。

何も変わらない夕日を背に歩く帰り道。

家に居ても居場所なんてない。

私はどれだけ私を殺したのだろう。

繰り返される日々に私はもう、限界だったんだろう。

気づいた時には、家族みたいな物は何も答えてくれなくなっていた。

朝、必要な物を持って学校へ行った。

いつも通り、人目につかないところでいじめてきた。

だから、私は過去を捨てに来た。

何もできない私に。

15分後、いじめてきた人たちは息をしていなかった。

もう、引き下がれない。

だから、遠くに行こう。

地球ではない星に。

そうだね、月に行こう。

そうしたほうがいい。

そうじゃないとだめになりそうだ。

もう、なってるか。


何もかもそのままにして、バックを持って学校を後にした。


夕方、何処かの公園でスマホを見るとニュースになっていた。

〇〇高校、女子生徒3人死亡。

何者かに刃物で殺害された模様。

犯人、未だ見つからず。

「あはは…流石にニュースになるか…」

自業自得だろう。

だけど世間は許してはくれない。

ねえ、あなたはどう思う?

私は仕方なかったことだと思う。

だってこうなってしまったのは、必然だから、運命だから。

虐待されて、いじめられて、壊れて、壊した。

この世の中は還元主義だ。

自由という言葉はあるだろうが、それは意味をなしてない。

ボールが動いてる。

なんで?

蹴ったから。

そんな風に、いじめられた、だから壊した。

自由なんてないの。

だってそうじゃなきゃ人間というものはいないよ。


あはは、言葉がぐちゃぐちゃだ。



ねえ、どうして物語として読んでるの?作ってるの?

私が何かした?

何を言っても変わらないか。


少し落ち着こう。


意識が戻ってきた時には、辺りは暗くなっていた。

「もうこんな時間か…」

「ネカフェに行くしかないか…」

人々が歩き、活気がある場所に着いた。

騒がしい。

私は騒がしいところは嫌いだ。

いろいろな事が見えちゃって私には眩しい。

だから、私には白黒が似合ってる。

静かで暗く、静寂だけが広がってるそんな場所がいい。

何を考えているんだろう。

何処にいるんだろう。

どこに行こうとしてるんだろう。

ああ、そうだ、月だよ。

月に行かなきゃ。

なんで月なの?

何処か遠くに行けばいいだけなのに。

さようなら、私。

さて、とりあえず寝よう。

寝よう、それがいい。

私はネカフェの受付を済ませて、部屋に入ってすぐ寝ようとした。

疲れているのかわからないけどすぐ意識はどこかに行ってしまった。

私は何処かの展望台の縁に立っている。

辺りは暗く、明かりと呼べるものは月が照らしてくれている光と遠くの街の光だけ。

後ろからは大人の怒号。

うるさい、騒がしい。

この場所から落ちれば全て上手くいくはず、なぜかはわからないけど。

月が救ってくれる。

セレネはこれを望んだのだろうか。

ああ、セレネよ神のオルガンをどうか止めないで。

いや、踊りをやめさせようとしてるのか。

人として終われなかった私の報いか運命か。

ああ、セレネよ。

どうか、あなたのもとへ。

目が覚めた。

夢だったのか現実だったのか分からないぐらい鮮明だった。

なぜか体が気持ち悪くなった。

自分の死を見たからだろうか。

ふと時計を見ると8時だった。

そろそろ頃合いだろう。

私はネカフェを後にして、いつの間にか街を散策していた。

なぜだろう。

ここからいなくなるからだろうか。

目に、記憶に焼き付けようとしている。

不思議だった、私はこの街が嫌いなのに記憶に残そうとしている。

まだ此処に居たいのだろうか。

今の私には分からない。

あの時の私ならわかったのだろうか。

駅についた。

何処か遠くに行くために……だよね?

分からない

自分が何を想っているのかも。

いや、何もないか。

過ぎ去ったことだろう。

電車の中、夕暮れを背に私は揺れていた。

列車内に人は居なく、少し不気味だった。

だけど、それに心地良ささえ感じていた。

遠くの景色を見ていると、本と花束を持ったスーツ姿の男性が列車に入って来た。

そして、私を見て話しかけてきた。

初めから私がそこに居ると分かっていたように。

「これをあなたに渡しましょう。」

そう言って私に花束を渡した。

それは小さく儚い白い花だった。

「その花はキスツスです。貴方に似合っていますよ。」

そう言った。

「ありがとう。」

そう私が言ったあと、男性は笑顔で少し頷き、向かい席で本を読み始めた。

次の駅に着くと男性は列車を降りようとした。

「どんな選択でも貴方の運命は決まっているものです。どうか旅を楽しんでください。」

「それではまた、この世の何処かで。」

彼は全てを見透かしているようだった。

だけど、止めなかった。

不思議な人だ。

彼が言っていた事を思い出しながら、私は電車に揺れ、花束に反射した光を見つめていた。

ふと花束の後ろを見てみるとメッセージが残されていた。

「貴方のエンディングを見れることを願います。」

不気味だけど少し気持ちが楽になった気がする。

なぜだろう。

分からない。

でもそれでいい。

電車は役目を終えて止まった。

駅から少し歩くと、海岸があった。

朝日が昇る夏の一時は神秘的で綺麗だった。

周りを見渡すと鳥居だけがそびえ立っていた。

柱の周りには花束が置かれていた。

私も何故か花束をそこに置いた。

それがいいと思ったから。

不思議だね。

少し遠くを見ると森に鳥居があった。

海岸の鳥居と一直線上だった。

不思議と私の足はそちらへ向かっていた。

神社へと続く階段を登っていると前から風が吹いてきた。

拒絶しているのか呼んでいるのか

私には分からない。

拒絶していても、行くしかない。

神社に着くと木々の隙間から光が差し込んでいた。

思わず写真を撮るほど美しかった。

私はまだ、何かを残したいのかな?

それでもいいのかもしれないね。

賽銭箱に5円入れて私は手を合わせた。

「どうか、私をセレネのもとに行かせてください。」

目を開けて神社をよく見ると天照大御神を祀っていた。

太陽と月、真逆だね。

「大丈夫かな、罰当たらないよね?あはは」

そんな乾ききった笑いをしながら神社を後にした。

階段を降りると遠く方から警察の姿が見えた気がした。

そう思った時には走り出していた。

息が切れていてもお構いなく、足を進めた。

もう、時間なのかもしれない。

1時間ぐらいたった後だろうか。

私はようやく疲れを認識した。

近くのファミレスに休憩を求めて入った。

席に着いて息を整えると、お腹を満たすためにハンバーグを注文した。

ハンバーグはこれまでのことを無に帰してくれそうだった。

その幸せな一時はすぐに終わってしまった。

今後何かあった時のためにテーブルの上にあった塩を盗んだ。

会計を済ませて少し歩いていると、目の前から警察官が二人歩いてきた。

私は何事もなかったかのように通り過ぎようとした。

だけど、プロの目はごまかせなかった。

「そこの高校生さん、ちょっといいかな?」

職質された。

色々と話していたが私には届かず、どう切り抜けるかを考えていた。

「学生証を見せてもらえるかな?」

「わかりました。」

そう言って学生証を探すフリをしながら切り抜ける方法をバックの中から探していた。

そこで、塩があったことを思い出した。

手いっぱいに塩を握りしめて警察官の顔に投げた。

上手くいった。

もう一人が対処しようとした時ふと手がある場所の感覚がおかしいことに気づいた。

拳銃だ。

拳銃をもう一人の警察官に向けて力いっぱいに引き金を引いた。

私にとって運良く、喉の近くに当たった。

あの人は絶命しただろう。

またやってしまった。

拳銃とホルスターが繋がってる線を打ち抜きしっかりと握った。

生きている警察官が命乞いをしているが私には関係ない。

うん、そう関係ない。

「命だけは......」

そう言った瞬間私は撃った。

生きるという本能が憎いからだ。

周りでは悲鳴が飛び交っている。

不意を突いたとはいえ上手くいき過ぎたね。

でも、こんな事をしている暇はない。

早く行かなきゃ。

バックを捨てて拳銃だけ握り締めて走った。

セレネに会いに行くために。

私はこの街が見渡せる場所に向かった。

逝くために。

道を登り続けるとある場所に着いた。

壊れかけの展望台、後ろからは大人の怒号、

立ち入り禁止の合図を無視して、駆け上がった。

ああ、透過していく。

あの日の夢と同じ光景。

セレネは私を見透かしていたんだ。

此処から落ちれば全て救われるのだろう。

想いに馳せていると、後ろには警察官や刑事が立っていた。

必死に引き留めようとしている。

この世界に残れと。

ただ遠くへ行きたいだけの私は銃声で拒否する。

1、2発と連続して話を遮る。

いや、無視して行こう。

そうして振り返らず引き金を何度も押した。

逝こうとした時、腕を掴まれた。

そのまま地面に触れさせられた。

夕日は私を無くすかのように照らしている。

気づいた時には私は、小さくて、孤独で、為せる事すらない、そんな場所にいた。

1日経っただろう裁判が行われた。

私は覚えていないけどね。

結果は死刑判決だった。

まあ、自業自得だろうか。

セレネは私を見放したのだろう。

なぜ?

なんで?

どうして?

ねえ、返事をしてよ。

大声を出しても静寂に消されるだけ。

今日が私の追憶の日だ。

過去が嫌いなのに、過去に想いを馳せる。

もう、疲れたよ。

時間がいつもより遅く感じられた。

結局、私はこの世界から離れる運命なのだろう。

ある部屋に連れて行かれた。

真ん中にはピアノ線。

ああ、絞首刑か。

遠い昔の処刑法だ。

台に乗って、首を宛てがった。

私には分からないが奥に3人、それぞれのボタンに手を置いている。

ブザーが鳴った。

ボタンを同時に押したのだろう。床が抜けた。

私の首がゆっくりと軋んで息が出来なくなった。

苦しい。

今までの痛みを、苦しみを、体の奥から引き出そうとしている。

でも、それも時間が経つごとに曖昧になる。

ああ、心地良い。

3人が同じ罪悪感を抱きながら、私が藻掻き苦しむ姿を見て何を想うのだろう。

うれしい、知らない人の記憶の奥底に私が居るのだから。

どんな形でも私がこの世界に居たという自己証明が頭の中で廻っている。

ああ、うれしい。

どうか、そのたった数時間の思い出を忘れないでね。

もう時間だ。

薄れゆく意識の合間、白濁とした月明かりは私を後ろから照らしてくれている。

セレネが望んだのは他人からの死だったのだろう。

セレネは私を見捨てていなかった。

良かった。

ありがとう。








もう気付いている人もいるかな?

こんな結末が良かったね。

けっこう、都合のいい結末だったんじゃない?

もし、セレネに見捨てられなかったら良かったのに。

まあ、これは私のあとがきみたいな物かな。

私は死という生ぬるい人生じゃなかった。

私が事切れるまで、小さく、孤独な部屋で過ごさなきゃいけない。

自業自得だ。

改めて思うとそれが1番良い。

私にはそれが似合ってる。

色づくのではなく、白黒で意味も無い日々を過ごすだけ。

セレネはなんで見捨てたの?

ねえ、なんでだと思う?

私を視てくれる人はいないんだった。

ああ、さようなら。

そして、またね。

ということで制作者のあとがきです。

どうだったでしょうか。

とても書きたかった物が書けたと思います。

まあ、自分が好きな物を詰めたからそれはそうなんですが。

余談ですが、最後らへんの文を作ってる時に世界に入りこみすぎて気持ち悪くなってしまいました。

皆さん気を付けてください。

遅いですかね?

もし、わからない表現、場所とか、誤字脱字があったら言ってください!

ではまた、この世界の何処かでお会いしましょう!

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