表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/55

第1話

 わたくしの人生の終盤は間違いなく不幸と言えるだろう。

 富を失った。

 生活は崩壊した。

 家族は殺された。

 友人は去り、わたくしは皆の敵となった……。

 そうして持っていた全てを失った果て、世界滅亡を迎えたのだ。

 これを不幸と言わずなんとするのか。

 

 しかしわたくしの人生の最終盤は間違いなく幸福だった。

 

 なぜならこうして最愛の人の胸に抱かれ、唇を結びながら死ねるのだから。

 

 スカートを翼のようにはためかせながら、水面に向かって二人で落ちる。

 水平線に光。

 その光が広がって全てを覆い尽くすまで、わたくしは彼女を目に焼き付け続けた。

 

 あなたとの馴れ初めは確か……。

 

 来世で誰かに語るのも悪くないと、わたくしは彼女との七日間に想いを馳せた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ