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漆黒の策謀者

ロレインは白虎騎士団の副団長としての地位にありながら、今回の戦を指揮する全権を与えられた。この抜擢は前代未聞だった。騎士団内では不満と驚きの声が交錯していたが、ロレイン自身はその混乱すらも楽しんでいるようだった。


「だから言っただろ、俺に任せろってな。」

彼は自信満々に笑みを浮かべた。


一方で、サラはその無邪気な笑顔を見て、内心で身震いしていた。


「もう、怖かったんですけど! 暗闇の中で何も聞こえないし、息も苦しいし!」

サラは抗議するようにロレインを睨みつけるが、彼は悪魔のように笑い返した。


「悪かったな、これが一番手っ取り早かったんだよ。」

その言葉にはどこか冷酷さが滲んでいたが、サラにはそれが彼の不器用な優しさであることもわかっていた。


「しかしロレイン、白虎騎士団の幹部たちが次々と不審死していると聞いたが、大丈夫なのか?」

騎士団のアルフレッドが疑念を口にする。


ロレインはしばらく無言だったが、ついに口を開いた。


「安心しろ、それは俺がやった。」


その一言で、場の空気が凍りついた。


「お前……何を考えている?」

アルフレッドは信じられないという顔でロレインを見た。


「俺を妬んだ連中を、ただ返り討ちにしたまでのことだ。あのサラのためじゃない。」

冷酷な言葉に込められた真意は誰にも測り知れなかったが、アルフレッドはそれ以上追及しなかった。


ロレインが指揮する軍は、冷夏によるミケア大帝国の混乱を見逃さなかった。彼はその冷静な分析力で、戦況を有利に進める戦略を立てていた。


「運のねぇ奴らだ。」

ロレインの口から洩れたその言葉は冷酷そのものであったが、軍を率いる者としての冷徹な覚悟を示していた。


彼が進む道は血と陰謀で彩られていたが、その背後には彼が守りたいと願う者たちの姿があった。ロレインは悪役として語られることを望んだ。そうすることで、仲間を守り抜けると信じていたのだ。


そして、進軍の鐘が鳴り響く中、彼の影は戦場へと消えていった。暗闇の中でこそ輝きを放つ彼の存在は、やがて「レグネッセスの白い悪魔」として歴史に名を刻むことにな


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