王への裁定とロレインの昇進
王宮の大広間は、冷え冷えとした空気に満ちていた。薄暗い光が高窓から射し込み、威圧的な装飾が施された壁をかすかに照らしている。王の厳しい表情の下で、一人の男が膝をつき、静かにその裁きを待っていた。
「ロレイン、これは一体どういうことだ?」
謁見の間で、王は冷たい眼差しをロレインに向けた。しかしロレインは一歩も引かず、胸を張って応えた。
「すべては、あの少女の力が原因です。幹部たちが命を落としたのも、彼女の存在が引き起こした悲劇に過ぎません。」
その言葉に騎士たちはざわめき、王も眉をひそめた。しかしロレインの口調には確信があった。
「彼女は危険です。その力が敵国の手に渡れば、この国そのものが滅びかねません。」
ロレインの発言は冷徹だったが、その中には不思議な説得力があった。
彼の言葉に耳を傾けた王は最終的に彼に白虎騎士団の副団長の地位を与え、彼にサラの処遇を一任した。
「ロレイン、お前の手に委ねる。」
王の低い声が広間に響き渡ると、跪いていた男――ロレインは不敵な笑みを浮かべた。その眼差しは、冷酷さと狡猾さ、そして圧倒的な自信を宿している。
彼の行動がもたらした混乱、そして彼の手で処理された命――それらは王国を揺るがすものだった。それでもなお、王は彼に軍を任せるという決断を下した。それはミケア大帝国との戦が目前に迫っていたからだ。
「お任せください。」ロレインの声は低く、響くような重みを持っていた。
若くして副団長に就任したロレイン。その背後には常に冷たい闇が漂っていた。彼の残虐さと天才的な策略は、多くの者たちに恐れられ、そして一部の者には崇拝された。
「俺のやり方は気に食わねぇだろうが、それでいい。結果だけが、すべてを証明する。」
そう呟く彼の顔には、冷笑が浮かんでいた。彼の一挙手一投足は、敵国だけでなく味方さえも震え上がらせた。しかし、その圧倒的なカリスマは、闇に覆われた時代を生き抜く唯一の光であるかのようでもあった。