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9話 極限まで極める

 俺たちが馬車内で王族オーラについて争っていると馬車が止まった。俺は席に座っていたので何も影響はなかったがステナリアは立っていたので止まった勢いに対応できず俺の所へ滑って倒れた。


 俺は避けたらステナリアが怪我すると思い避けずに受け止めた。俺はステナリアを受け止めた反動でつぶった目を開けると、目の前には呼吸をするとその息を感じ取れそうなほど近くにステナリアの顔があった。


 「ステナリア様、ディア様、いったい何をし...て...いるん...で...すか...」


 こんなクソみたいのタイミングで馬車の扉が開いた。そして馬車の扉を開けたのは護衛の女の人だった。

 

 「す、すみません!!!」


 馬車の扉を開けた女の人は俺たちを見て固まって凄い勢いで扉を閉めた。これ扉逝ったかな・・・


 俺たちの状況はステナリアは腕を俺の首に回して俺は腕をステナリアの腰に回している。これは傍から見ればただ抱き合っているようにしか見えないだろう。


 こうなった原因を話せば分かってもらえるかもしれないが、もしあの女の人が乙女ならば俺の言葉を聞き入れないだろうな・・・


 俺たちは見つめ合っている。すると徐々にステナリアの顔が赤くなりステナリアはすぐに俺から離れ扉を開けて外へ出た。俺はその場でポカンとしていた。自分のほっぺたを触ると熱かった気がする。


 俺は少し時間が経って馬車を降りると目の前には護衛たちを全力で何かを言っているステナリアと、ステナリアの言葉が聞こえていないかのようにずっと笑顔な護衛たちの姿があった。


 馬車から出た俺の姿を見ると護衛たちは俺の向かって拍手をしだした。


 「ディア!お前もやるな!お嬢を手に取るなんて!」


 俺に向かってそう言う人物は、俺のことを様を付けずに呼ぶ数少ない人物「スペルタ・マルタ」次期騎士団長とも言われている凄い人だ。


 「あれは、偶然だ!」


 「偶然?マリから聞いた話では偶然ではない姿だったらしいが」


 マリとは例の女の人の名前だ。


 「あれは事故だ」


 「まぁ、その話は後で色々と聞いてやるから、まずは学園への挨拶だ」


 スペルタは俺にそう言ってステナリアに「お姫様もそろそろ行きますよ」と言った。ステナリアはスペルタに何か言っていたがスペルタはそれを笑顔でかわした。


 「ロアノ、行くよ」


 「はっ、はい!」


 ずっと笑っていたロアノは俺の言葉に笑って答えた。


 俺は学園に入るためにずっと全力で話しているステナリアに「行くぞ」と言うとステナリアは「あ、うん」と言って俺の後ろを着いてきた。


 学園には馬車は入れない。俺たちは学園の前で降りたのでこれから学園へ入る。俺たちの同伴者は、スペルタとロアノだ。今回の護衛で1番強いスペルタと2番目に強いロアノ。


 ロアノがスペルタに次いで2番目に強いと聞いた時は俺も驚いた。正直言ってロアノは強そうに見えない。体も小さく前世の俺ほどではないが男にしてはかなり細く、黒目。


 それに比べてスペルタは体は大きくガタイも良い、それに赤目を持っている。そして腕の大きい傷が歴戦の猛者だと伝えてくる。


 今回の護衛の中にはスペルタ以外にも赤目の持ち主が一人同行しているがその人よりもロアノの方が強い。


 だがその疑念はすぐ晴れた。その出来事は俺が八歳の時に見たスペルタとロアノの試合。


 スペルタは赤目の持ち主、ロアノは黒目、皆、スペルタのワンサイドゲームになると思っていたがそれは違った。


 ロアノはその小さな体で細かい動きをし敵を翻弄しその隙をつく戦い方をしていた。だがロアノは動きが大きく攻撃力の高い攻撃をだけを受けて、他の小さな攻撃は避けていた。俺は思った普通は逆だろうと。


 そこで俺はスペルタの動きが大きい攻撃だけを絞って真剣に見ていたら気づいたことがあった。それはロアノは圧倒的力を受け流す技術が物凄いこと。じっくり見るとスペルタの剣が綺麗に受け流されているとこが分かる。


 『ディア、分かるか?なぜロアノはスペルタの攻撃を食らっても無事なのか』


 『剣の勢いを受け流しているからですか?』

 

 『正解だ。だが、ただ受け流すんじゃない。全て受け流す』


 騎士団長からの問いに俺は正解したが少し足りなかった。


 試合の結果、ロアノはスペルタに負けてしまったが、超人、しかも赤目の持ち主をあそこまで追い詰めるのは凄いことらしい。


 それから俺はロアノとよく話すようになった。これは友人になりたい気持ちもあれば尊敬の気持ちも含まれている。ある一つのことを極限に極めて自分の運命を切り開く。この行為に俺は親近感が湧いた。俺も前世では秘書と言うものを極限まで極めたと思っている。


 「ディア様、どうしましたか?」


 「ん?なんでないよ」


 俺たちは学園の門を通り校舎までの道のりを歩く。俺の横にはステナリアが居てそれぞれ後ろには、ロアノとスペルタが付いている。奥にある校舎を見ると一人の女性が立っていた。


 俺たちは歩き続け校舎に着き女性の顔がちゃんと見える距離まで来た。すると目の前の女性が俺たちにこう言った。


 「初めまして、ステナリア王女殿下、ディア卿、私は学園クルミナの学園長「ロレアス・マナガリオ」と申します」


 

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