88話 魔法『彗星』
四国最強決定戦の説明あり、エルフと個人的な関係を結んだ日から一週間が経った。
その間、四国最強決定戦に出る選手たちは鍛錬に鍛錬を重ねていた。
いつもは、仕事などがあるので鍛錬などの時間もないが、四国最強決定戦が始まる二週間の間は仕事がないので、その自由な時間を皆は鍛錬に当てている。もちろん、それは俺も・・・
「ディアさん!この魔法使えますか?」
俺はこの一週間のすべてをエルフの研究室で過ごしている。
寝床は研究者に与えられる専用のベッドで寝させてもらっている。そのおかげで毎日目覚めが良く、気持ちがいい。流石はエルフが考えたベット。
でも、食事に関してはあまり良くなかった。これも、流石はエルフと言った感じで、栄養を第一に考えた食事となっており、その食事には美味さは求められていない。
ただただ、本当に栄養のことしか考えていない食事。
この食事には耐えられないので、アキレア王国で食べ物を買って、その買った食べ物を魔法空間にしまう。
朝食と夜食の時間になると、魔法空間から買った食べ物を取り出して、食べる。そんな生活をしながら『最先端魔法研究』に励んでいる。
『最先端魔法研究』の最高の研究者であるニーナから、ある魔法について書かれた紙を渡された。
「えっ、魔力消費300!?」
紙に書かれていたのは、魔法名が『彗星』と書かれている隣に魔力消費300。そして、その下に『流星群』の下位魔法で、この魔力消費にしては珍しい魔力調節が出来る魔法と書いてある。
とは言っても、魔力消費300ということは、最低でも300は魔力が要るということ。
今までは俺の最高魔力消費である250以内の魔法士か試していなかったが、ここに来てようやく『最先端魔法研究』っぽくなって来た!
俺は驚きはしたが、それは楽しみだからだ。
俺は早速、転移の魔法陣に入って何もない荒野に来た。ここは、魔法研究をするのに最適な場所。
辺りを見渡しても何もない。索敵魔法でも人や魔物などの気配は全然感じない。
ニーナに渡された『彗星』がどんな魔法かを見る。
『その名の通り、彗星のように見える物を降らせる魔法。
本物の彗星ではないが、その姿はまるで本物の彗星のようだ。
威力は一つの町なら簡単に滅ぼせるだろう』
この下には想像の仕方が書いてある。
『水色の塊が空から落ちて来る。それは、ものすごい速さで』
・・・まぁ、いけるか。
俺はニーナに「魔法を使う」と言って、『彗星』の想像に入った。
俺はもとは日本に居たので、水色の塊というよりも水色の隕石と想像した方がいいと思い、『水色の隕石が空高くからものすごい速さで落ちて来る』ような想像をした。
すると、魔力を吸われる感覚があった。
これは成功か?と思い、空を見上げると、水色の隕石が落ちてくるのが分かる。っていうか、こんな想像でいいのか?
彗星がだんだん落ちて来て、地面に着きそうギリギリで俺は物理障壁と魔法障壁を張った。
「バァァン!!」
彗星は物すごい音を立てて落ちた。
ニーナは彗星が落ちて出た煙に咳き込みながら、彗星が落ちた所に行く。
「これは・・・ただの石?」
「そうですね。でも、空から落ちて来た石なので「隕石」なんてどうでしょう?」
「・・・ディアさん…いい言葉ですね!!そうしましょう!この石の名前は「隕石」です!!」
ニーナはそう言うと、紙にペンで何かを書き出した。
そして、書き終わったニーナは俺に書いた内容を見してくれた。
「『彗星』の威力は町が滅ぶくらいの威力で間違いありません!そして、『彗星』は小さい「隕石」という石がものすごい勢いで落ちて来ることで、このような威力を出せることが出来る!」
ニーナは俺に書いた内容を言うと、魔法空間からハンマーを取り出した。
「バァァン!」
取り出したハンマーで隕石を叩くと、隕石は割れて、破片などが飛び出た。ニーナはその飛び出た隕石の破片を取ると、走って転移の魔法陣に入った。
・・・はぁ。研究者って本当に自分勝手だな。
俺もニーナの後を追って転移の魔法陣に入った。
・・・・・・
・・・・・・
転移の魔法陣で研究室に戻ると、ニーナは隕石の破片をガラスの箱に入れていた。
そして、ニーナはガラスの箱をしまって、研究所の入り口の方へ行ってしまった。
俺は椅子に座って、行く前に飲んでいたお茶を飲み切った。
お茶がなくなったので、新しいのを入れに行こうとすると、ニーナが行くときには持っていなかった紙を持って帰って来た。
「ディアさん!今日はこの魔法を使って終わりましょう!」
そう言われて、渡された紙には『流星群』と書かれた魔法名の横に消費魔力500と書いてある。
「あの~、この魔法って禁忌魔法ですねよ?使ったらまずいじゃ?」
「大丈夫です!禁忌魔法って書いているのは、もちろん危険という意味ですが、アルス様から許可は頂いています!!」
「あ、そうなんですか・・・」
そして、ニーナはまた転移の魔法陣に入って、荒野に行ってしまった。
俺はニーナに渡された『流星群』の紙のどのような魔法かを見る。
『『彗星』で落ちて来たような物が連続で落ちて来る正に禁忌魔法。
この魔法を使えば、大国でも潰すことが出来るだろう。
落ちて来る数は五つ。だが、その大きさは『彗星』の五倍は大きい』
そして、その下に小さくこんなことが書かれている。
『使いどころには気を付けろ』
俺はこの説明を見て、『流星群』がどんな魔法なのかを想像してみた。
まず、『彗星』の五倍の大きさの隕石が五つ落ちて来て、それは、大国を滅ぼすほどの威力・・・
俺はメアロノロス王国が跡形もなくなる光景を想像してしまった。そのせいで身体がすこし震えた。
そして、俺は『流星群』の想像の仕方を読んでから、転移の魔法陣に入った。




