表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
就任、そして四国最強決定戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/174

84話 ディア、エルフと個人的な関係!?

 「こ、ここは!?本当に転移したのか!?」


 アキレア闘技場に転移したことを獣人以外の七人も驚いている。それは、アルスも。


 「・・・これは、失われた『空間魔法』の一つ『空間転移』・・・なぜ、あなたがこの魔法を?」


 アルスの言葉に次は、俺とアルス以外の七人も驚いた。


 「えっ。『空間転移』ってもとからあった魔法なのか?」


 「えぇ。私が子供頃、最高の魔法士であるおじい様に聞いたことがあるの。使える者がごくわずかで、そのため、文献がまったくない魔法。おじい様が亡くなった後、『空間転移』を使える者もおらず、文献もない。だから、失われた魔法なの」


 『空間転移』って俺が創ったオリジナル魔法じゃないのか?っていうか、『空間魔法』ってなんだ?聞いたことがない。


 そして、アルスは涙を流しながら言った。


 「でも、その魔法の使い手が八百年ぶりに生まれた。これは、私たちエルフにとって、とても大事なことなの」


 あぁ、そうだった。


 エルフって確か、魔法をめちゃくちゃ研究していたり、開発していて、最も魔法についての知識がある種族だった。そして、最も魔法を愛している種族。


 アルスにとっては、生物の研究者が絶滅した生物の生存を確認したり、何千、何万年前にいた生物を見つけたような気持なのだろう。


 あぁ、だから、アルスは俺に「青目と水目のオッドアイは最高の組み合わせ」と、言ったのか。


 『空間転移』を使うには、常人よりも知能が高くなる青目と常人より魔力が多い水目。


 そして、このオッドアイを持っていて知能と魔力に関するずば抜けた才能。この難しい四つの条件が揃っていないと『空間転移』を使うことが出来ない。


 アルスはエルフで知能も魔力も高い。そして、青目でさらに知能が高くなっているが、魔力は水目ではないので高くなっていない。


 「ねぇ、ディア。私たちエルフと個人的な関係を結ばない?」


 「個人的な関係?」


 「えぇ。私たちとあなたが手を組めば、必ず現代の魔法技術は進歩する。魔力に優れたあなたと知力に優れた私たちなら、歴史に残る『オリジナル魔法』を創り出すことが出来る」


 周りに居るリソウス王国選手たちからの「断ったらどうなるか分かっているな?」みたいな視線が怖い…


 う~ん。オリジナル魔法か。


 俺が今まで、俺だけのオリジナル魔法だと思っていた魔法が実はもとからあった。でも、今思えば、『空間転移』を初めて使った時、なぜか頭に『空間転移』という名前が浮かんだ。


 これは、もとからある魔法を俺が再現したからだろうと今なら思う。


 ・・・歴史に残るオリジナル魔法。この言葉を聞くと、心が躍る。


 「・・・いいですよ。個人的な関係を結びましょう」


 俺がそう言うと、アルス以外のエルフたちは飛び跳ねるほどの喜びを見せた。


 そして、アルスは腕を上げて、『ヒッツ』を空高く打ち上げた。


 数秒後、白く小さな竜シュウリュウが俺たちの所に来た。


 「急ぎの用とは珍しいな。しかも、お前か。アルス」


 「えぇ。私と彼を『魔法都市』に連れて行ってほしいの」


 「・・・人間を入れるのか?」


 「彼は私たちエルフと個人的な関係を結んでいるの。だから、入れてもいいのよ」


 「ほう。人間と個人的関係とはな。・・・確かに、あの方と同じ雰囲気を感じるな」


 シュウリュウは俺をじっと見てそう言うと、羽を羽ばたかすのをやめて地面に降りた。


 アルスは俺の手を掴むと、シュウリュウの背に俺を連れて来た。


 「じゃあ、よろしくね」


 アルスはシュウリュウにそう言うと、シュウリュウは羽を羽ばたかせた。


 シュウリュウの背には俺とアルスと選手のエルフの三人が乗っている。


 「ま、待ってください!俺とそいつの勝負がまだ!!」


 地面から離れようとすると、俺に執着している獣人がそう言った。


 「バヴ、あなたでは絶対に勝てないわ」


 「そんなこと、やってみないと分からないじゃないですか!!」


 「分かるわ」


 アルスの返答の言葉は短い。その分、言葉の重みがすごい。その言葉の重みに、獣人は一歩引いたようだ。


 シュウリュウは羽を再度羽ばたかせて、だんだん高度を上げる。獣人は俺たちを見て言った。


 「なら!無理やりにでも戦わせる!!」

 

 獣人はそう言うと、ジャンプをした。


 人間やエルフ、ドワーフでは身体魔法を掛けないと届かないような所に、獣人は獣人特有の身体能力で何も掛けずに俺の居る所まで来た。


 シュウリュウの背に乗った獣人は俺に先ほど防がれた拳をもう一度放ってきた。でも、先ほどの拳の威力とは段違い。


 俺は案の定、物理障壁を張った。そして、いつもの五倍以上の魔力で張った物理障壁は獣人の拳を難なく防いだ。


 だが、獣人はずっと俺の物理障壁を殴って来る。いつか、壊れることを望んで。


 「はぁ」


 後ろに居たアルスはため息を吐いた。


 「ディア、やっちゃっていいわよ」


 「あ、じゃあ・・・」


 俺はアルスにそう答えると、物理障壁を張ったまま『ウィルド』を使って、獣人を吹き飛ばした。


 その光景にアルスは笑っていて、エルフの選手は目を丸くしている。


 「魔法の同時発動!?」


 「ふふっ。『空間転移』を使える者が魔法の同時発動なんて当然でしょ?なりより、私が認めた人間だもの」


 獣人を吹き飛ばすと、シュウリュウはリソウス王国を向いて、ものすごい速度で飛び出した。


 「では、行きましょうか。エルフの森『魔法都市』へ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ