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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
就任、そして四国最強決定戦

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82話 人間は下位種族

 VIPルームを出ると、俺たちはそれぞれの国に帰った。


 メアロノロス王国に『空間転移』で転移して、プロテア陛下と王宮で昼食をとった。その時の時刻、四時。


 食べ終わって、スカシユリ王国に帰った俺たちは急いで選手たちに「アキレア王国に明日集合」を知らせた。皆、急だったというのに、何も文句を言わずに了承してくれた。


 選手の皆にそのことを伝え終わると、俺も自分の部屋に帰って、皆と同じように明日の準備を始めた。


 『魔法空間』に荷物を入れて、準備は終わった。掛かった時間、三分。


 さてさてさーて、今日はもう寝るか。明日のために・・・


 今の時間は午後の六時。


 俺が眠りに入ると、俺の専属メイドが「晩ご飯です」と言って、俺を起こしてきた。俺はふらふらしながら、リビングまで向かった。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 次の日になり、俺は今王城に居る。俺だけでなく、俺以外の魔法戦に出る選手と物理戦に出る選手が王城の謁見の間に集まっている。


 そして、プロテア陛下と選手全員が俺の身体のどこかを触っている状況。なぜなら・・・


 「『空間転移』」


 『空間転移』は、『空間転移』を使う人の身体に触っていないと一緒に転移出来ないので、皆は俺の身体を触っている。


 こういうのは、クルミナでよくあったから慣れている。特に五年の時によくあった。


 初めは集中できなくて、全然『空間転移』を使えなかったが、だんだん慣れてきて、『空間転移』を使えるようになった。


 俺が『空間転移』で転移したのはメアロノロス王国の王城の謁見の間。ここで、ルニアとロウバイ陛下、魔法戦と物理戦に出る選手たちを拾って、アキレア王国に行く。


 「お待たせしました。行きましょう!」


 俺が謁見の間に現れると、集まっていたルニアとロウバイ陛下、学園長以外の人は皆驚いている。


 俺は今「Tポーズ」をしている。


 棒立ちでは触る所が少ないので、両腕を伸ばして、触れる面積を大きくした。


 全員が俺の身体に触ったのを確認すると、『空間転移』を使った。


 『空間転移』を使って転移した所はアキレア王国の一階の広い所。目的地は一階にある多目的室。


 プロテア陛下とロウバイ陛下を先頭に多目的室に向かう。


 「どんな奴らが居るかな?」


 「そりゃ、強い奴らがいるだろう。それに、エルフやドワーフ、獣人やシュウリュウが居るかもな」


 ルニアは俺の言葉を聞くと、目を輝かせて「エルフ…」と、呟いた。


 多目的室着いて、多目的室の扉を開けると中には、カランコエ陛下とナノハさん、そして七人の強者。ソリエンス陛下とセリウスさん、そして八人の強者。


 もうアキレア王国とリソウス王国は揃っていた。


 「全員、人間か」


 「あぁ、あれなら楽勝だな」


 獣人と思われる者二人が俺たちの方を見ながら、笑って言った。


 俺たちはスルーしようとしたが、ルニアは獣人にも聞こえるように言ってしまった。


 「あいつら、絶対一回戦負けだぜ」


 この言葉を聞いた獣人の二人は、顔を赤くしてしまった。ブチギレである。


 「てめぇ!今何て言った!」


 「なら、見せてやろうか?」


 そう言いながら俺の横に居るルニアへ近づいて来る獣人の二人。


 それに、足を震わせながら、下がる様子のないルニア。


 そして、近づいて来る獣人は急に姿が消えたと思ったら、ルニアの目の前に現れた。現れた瞬間、獣人二人の拳がルニアの顔めがけて迫って来る。


 それでも逃げないルニアに俺はため息を吐き、俺は後ろから、ルニアの顔に来た右に居る獣人の拳を手で防いだ。身体魔法を掛けて。


 なら、もう一人の獣人の拳は?と、思うだろう。問題はない。俺の代わりに違う人が防いでくれた。


 「な!人間風情が俺の拳を!?」


 そう言う獣人とは違い、もう一人の獣人は口を開いて、拳を防いだ金髪の女性を見ている。


 「やめなさい。二人とも」


 ルニアの来た拳にもう一つを防いだ女性は、獣人の二人にそう言った。


 「あ、アルス様!す、すみません!!」


 もう一人の獣人はその女性を見るとそう言って、獣人の二人はルニアから離れた。


 その女性は防ぐのに使った扇をしまった。


 「ごめんなさね。彼らは人間を下に見てるの。だけど、私たちエルフは下に見てない。私たちの世界は弱肉強食なの」


 「じゃあ、あなたも俺たちを下に見ているんですか?」


 「貴様!アルス様にそんな口出しをするなど許されないぞ!!」


 俺が金髪のエルフの女性にそう聴くと、女性に拳を防がれた獣人が俺に言ってきた。


 「いいのよ、バヴ。・・・そうねぇ。人間を下に見ているのは本当だけど・・・あなたはそうも出来そうにないわね」


 エルフの女性はそう言うと、今まで見えなかった顔を俺に向けた。


 「!」


 「青目と水目の組み合わせは、私の考えるオッドアイの最高な組み合わせなの。だから、私も青目と水目のオッドアイが良かったんだけど・・・」


 エルフの女性は俺と鼻が当たる距離まで来て、自分の目を指差した。


 「水目と金目のオッドアイなの」


 エルフの女性の水目と金目のオッドアイが俺の青目と水目のオッドアイを貫いた。そして、「王族オーラ」を纏ったエルフの女性は笑いながら俺から離れた。


 「先ほどの魔法スピードはあなたのオッドアイの組み合わせじゃないと出来ない。私達でも無理なの」


 そう言って、皆が集まっている所にエルフの女性が戻ると、振り返って俺たちに言った。


 「ようこそ、四国最強決定戦へ」

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