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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
就任、そして四国最強決定戦

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80話 俺たちは恋人?

 「兄さんはもう帰るの?それとも、ご飯食べて行く?」


 「あぁ、食べて行くよ。最後にロウバイ陛下の所にも行きたいからな」


 クルミナの一限は五十分だが、今回は特別の八十分の授業になった。これが、最後の六限目だったからよかった。


 そして、授業が終わると、生徒たちと第二訓練場で魔法勝負をしていた。俺VS何百人との勝負だったが、俺は圧勝した。


 生徒たちとの勝負が終わると、時刻は六時を回っていたので、これから俺たちは一緒に夕ご飯を食べる。


 「何処に食べに行くの?」


 「どこでもいいんだが、これが一番困るよな。う~ん・・・」


 メアロノロス王国について俺はあまり分かっていない。クルミナに居た時も、学食かルニアに誘われて王宮で王族のご飯などを食べていたので、外食をしたことがない。


 俺がメアロノロス王国で知っているのは、お土産屋や冒険者ギルド。それ以外は、全然分かっていない。


 俺たちは夕食に悩みながら、何の考えもなく街中を歩いている。


 ・・・さっきから視線が多いな。


 クルミナを出た時から、視線は感じていたが、ここに来てさらに視線を感じる。俺が視線のする一つの方向を向くと、女性二人と目が合うと、女性二人はすぐに俺から目を逸らし、何か小さな声で顔を赤くしながら話している。


 それはラノアも同じで、ラノアと男性三人がの目が合うと、男性三人は顔を隠しながら、すぐに目を逸らして、小さな声で何かを話している。


 俺はその場で立ち止まって『身体魔法』を使って聴覚を上げると・・・


 『今、目、合ったよね!?』

 

 『うんうん!合った!合っちゃった!』

 

 『オッドアイで、しかも顔面の破壊力すごすぎってもう最強じゃん!?』

 

 『えぇ!あれは、もう殺人級よ!!』


 『あの、隣に居る子ってやっぱり彼女なのかな?』

 

 『絶対そうだよ!超人同士お似合いすぎるもん!!』


 と、意味が分からないことを言う女性二人に対し、ラノアから目を逸らした男性三人は・・・


 『今、俺たちの方見たよな!?』


 『あぁ!めっちゃ目合ったよな!?綺麗過ぎる!!』


 『どうする?声掛けるか?兄者』


 『・・・いや、それはやめておこう』


 『なんでだよ!あんな女、もうお目に掛かる事なんてないだろ!』


 『隣の男を見てみろ。オッドアイだ』


 『それがなんだって…いうんだ…よ…』


 『それだけじゃない。あの男の顔を見てみろ!俺たちが勝てると思うか?』

  

 『確かに、あれは簡単に近づける存在じゃないな。兄者の言う通りだ。諦めろ』


 『・・・そうだな。あの二人はお似合い過ぎるな』


 男性三人はそんな会話をすると、肩を下ろしながらその場から立ち去った。


 ・・・一旦、この人たちの会話をまとめよう。


 まず、女性二人から。目が合って、オッドアイで破壊力があり、それは殺人級。そして、隣に居る子・・・ラノアは彼女・・・?


 そして、男性三人。目が綺麗で、もうお目に掛かる事がないかもしれないので、話し掛けようか迷うけど、隣の男・・・俺は簡単に近づける存在じゃない。そして、二人はお似合い・・・


 えっ。俺たちって皆に、カップルって思われてるのか…?


 俺がそう結論付けた時、横に居る男女たちから声を掛けられた。


 「すみません!今、このようなキャンペーンをやっていて、もしよければ寄って行きませんか?」


 女性に渡された紙は・・・


 『今日限定!!カップル様は、全品半額!!撮影に協力してくれた方には、当店の人気デザートをサービスします!!』


 そんなことが書かれた紙を俺とラノアは貰った。


 「カップル様は…半額?」


 「はい!俺たちはあなたたちのようなカップル様を待っていました!!」


 「私たちが…カップル?」


 「はい!こんなに美しいカップル様を見たのは初めてです!!」


 男女は俺たちを引っ張って強引に店内に入れようとしてくる。


 俺たちは青目のスーパーコミュニケーションで会話を始めた。


 『どうする?』


 『どうするって、本当のことを言わないと・・・』


 『だよな』


 俺は、俺の服を引っ張っている女性に言った。


 「す、すみません!俺たちカップルじゃなくて、兄妹です!!」


 「「えっ!」」


 男女は俺たちの服を引っ張るのをやめた。


 そして、ラノアを引っ張っていた男性はラノアに目を向けた。


 「はい。兄さんの言う通りです。私たちはカップルではなく、ただの兄妹です」


 真実を知った男女は、俺たちにした過ちを何度も何度も謝ってきた。そして、そのお詫びとして店の料理を無料で食べていいことになった。


 これで、今日の夕ご飯は決まった。


 俺が店に入ろうとすると、ラノアが俺の服を引っ張って止めた。


 「兄さん、この店、何の店か分かってる?」


 そうラノアに言われて、先ほど貰った紙を見てみると、文字の周りには色々なスイーツの絵があった。ということは、この店は・・・スイーツの店!?


 「まぁ、いいんじゃない?甘いの好きだろ?」


 「それはそうだけど!兄さんはそれでいいの?」


 それを言われると正直、がっつり系の物を食べたかったが、ラノアを見ると、店の中にあるスイーツを見て目を輝かしている。


 そんなラノアに「がっつり系食べよう」なんて言ったら、今輝いている青目が濃い青目になるだろう。兄として、そんなことさせるわけにはいかない!


 「いいよ。今日は糖分を取りたい気分なんだ」


 「それなら・・・」


 俺たちはスイーツの店『カップルスイーツ!』に入って、注文し、外にある席で夕食を食べた。だが、腹がいっぱいになるまでスイーツを食べるのは、俺には厳しかった。


 なので、夕食を食べてラノアと別れると、俺は出店の肉を頼んだ。

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