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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
就任、そして四国最強決定戦

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76話 三年後

 スカシユリ王国の王城、謁見の間にて、多くの貴族夫妻たちが居る中、その真ん中に十八歳の男が一人。そして、その前には、スカシユリ王国の国王プロテア・スカシユリ。


 これからこの場では、何十年に一回の国にとって重要な儀が行われる。


 その儀では、唾を飲み込みだけですらうるさく聞こえるほどの静かさがある。このような場でもし、腹なんかがなってしまったならば…


 「これより、ディア・シュラストの十八歳を祝うと同時に、マナガス・シュラストからディア・シュラストへ、継承の儀を行う」


 プロテア陛下がそう言うと、座っていた王座から降りて、父さんから二つのお酒が入ったコップを渡された。周りにいる貴族たちはもうすでにコップを持っている。


 そして、その渡された二つのコップの一つを俺に渡してくれた。そして・・・


 「ディア!十八歳おめでとう!!」


 「「「「「おめでとう!!」」」」」


 プロテア陛下がそう言うと、周りに居る貴族夫妻たちもそう言って、皆はコップに入っているお酒を一気飲みした。・・・アルコール弱いな。物足りなさがある…


 まぁ、こんな場でアルコールの強い酒なんて出せるわけないか…


 飲み終わったコップは、王城専属のメイドたちが回収してくれた。百人以上いて、百個以上あるコップを二人の王族専属のメイドは音を立てずに速やかにコップを一分で回収した。


 全員のコップを回収し終えると、次に継承の儀に入った。


 「マナガス、ディアの横へ」


 「はい」


 プロテア陛下の言葉通りに父さんは俺の横に来た。


 「両者、準備は出来ているか?」


 「「はい」」


 プロテア陛下は俺と父さんを見ると、深呼吸をした。


 「シュラスト家当主をマナガス・シュラストからディア・シュラストへ継承し、我々王族の秘書をマナガス・シュラストからディア・シュラストへ継承することを認める」


 プロテア陛下はそう言うと、父さんの前に来て・・・


 「二十四年間ご苦労であった、マナガス。これからは、自分の過ごしたいように、過ごすといい」


 「はっ!ありがとうございます」


 父さんがそう言うと、周りから大きな拍手が聞こえて来た。そして、次は俺の前にプロテア陛下はやって来た。


 「ディア、我々王族の秘書として活躍してくれると、私は信じている。これから頼むぞ」


 「はっ!よろしくお願いします」


秘書と言っても、父さんの話では「秘書らしい仕事はたまにしかない。ほぼ暇だ」とのこと。


俺がそう言うと、父さんの時よりも大きな拍手が聞こえて来た。そして、プロテア陛下は王座へ戻って座り、深呼吸をした。


 「これにて、ディア・シュラストの十八歳の祝いと継承の儀を終了する」


 プロテア陛下がそう言うと、俺と父さんは振り返って、ここに来てくれた貴族夫妻たちに礼をした。


 すると、俺の時以上の大きな拍手が聞こえて来た。


 そして、拍手が静まるとプロテア陛下は謁見の間を出て行った。そして、その後ろを着いて行くように、次々と貴族夫妻たちが出て行った。


 今、この謁見の間には俺と父さん以外いない。


 はぁ。ようやく終わった。この儀が…。二週間前から緊張で朝も昼も夜も寝れない日があったが、これで、ようやくぐっすり眠ることが出来る。


 あぁ…やばい…これ、眠ったら一日は起きないかも・・・


 「ディア。これからが大変だぞ」


 「え?」


 父さんはそう言うと、俺の肩に手を置いて、可哀そうな人を見る目で俺を見てきた。そして、謁見の間から出て行く父さんの後を追って、俺も謁見の間から出た。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 「では、本日の主役に登場してもらいましょうか!」


 その言葉を聞くと、さらに胃から何かがこみ上げて来るの感じた。だから、唾を飲み込んで抑えている。


 そして、それと同時に、俺の心臓の音も速くなり、息も荒くなってきた。本当に勘弁してほしい…


 「ディア様、私がこのカーテンを開けたら出てください」


 俺はその言葉を聞いて、めちゃくちゃ深く深呼吸をした。


 「では、本日の主役、ディア・シュラスト!!」


 司会をしている父さんの声が聞こえると、カーテンが開けられ、一際光が強い所が見えた。俺はそこへ向かって歩き出した。


 カーテンから出ると、王族の方々、俺の家族、貴族夫妻たちの大きな拍手に包まれながら、一際光が強い所に着いた。


 着くと、父さんからマイクと酒が入ったグラスを渡された。


 「ご紹介に預かりました。ディア・シュラストです。この度は、私のためにお集まりいただきありがとうございます。では、皆さん、グラスを掲げて・・・・・乾杯!!」


 「「「「「乾杯!!」」」」」


 そして、皆は謁見の間の時と同じように酒を一気飲みした。この一気飲みは、パーティーの始まりの合図。


 飲み終わった人たちは、飲み終わったグラスをメイドたちに渡して、新しく酒の入ったグラスを貰う者や料理を取る者がいる。


 俺もグラスをメイドに渡して、新しく酒の入ったグラスを貰った。この酒、謁見の間の時の酒よりも何倍もうまい。


 俺はもう一度、酒を一気飲みした。はぁ・・・十八年ぶりの酒は身体に染み渡るぞ!!


 俺はもう一度、メイドから酒の入ったグラスを貰った。


 「ディア、十八歳そして、私たちの秘書就任おめでとうございます」


 「あぁ、ありがとう、ステナリア」


 ステナリアは顔を少し赤くて、酒の入ったグラスを持ちながら、俺にそう言って近づいて来た。そして、その後ろにカリオナに肩を貸してもらっているヒゥリーたちが酒の入ったグラスを持ちながら、近づいて来た。


 ヒゥリー・・・もう、酔ったのか。流石、清楚令嬢。そりゃ、一気なんてしたら酔うか。だって、清楚令嬢だもん。


 「ようやく酒の飲める歳になったかディア!ほら、飲め!今日は、酔いつぶれるまで飲もうぜ!!」


 カリオナはそう言うと、持っている酒を俺の口に流し込んだ。


 「ウ"ッ」


 急な事過ぎて溺れかけたが、ギリギリで酒を飲み込むことが出来た。あぶね~。こんな所で酒を吹き出したら、今のこの雰囲気が台無しになってしまう。


 「お前・・・!この二人も、俺と同じように無理やり飲ませたのか?」


 「え?そんなことしてないよ。ヒゥリーは乾杯の一気でこうなったし、ステナリアも会った時にはもうこんなだったよ」


 カリオナはそう言うと、ヒゥリーが持っている酒の入ったグラスを取り、一気した。こいつ、自由過ぎるだろ。


 「ん、はぁ!うまい!!」


 俺もカリオナに負けず劣らず、酒を一気した。だが、二日酔いにはなりたくないな。


 俺はそう思いながらも、また酒の入ったグラスをメイドから貰った。


 そして、その後もカリオナと酒を飲み続けながらパーティーが終わるのを待っていると、最終的に合計で十二杯も酒を飲んでしまった。二日酔い確定…


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