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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
秘書体験

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75話 先生もいいかも・・・

 「「「「「えぇ!!」」」」」


 俺が女子の目に驚いていると、周りの生徒が俺よりも驚いていた。そして、皆は女子に近づいた。


 何でこの子たちはこんなに驚いているんだ?クラスメイトなら知ってると思うんだけど。


 しかし、まぁ、俺の目って実際に見るとこういう感じだったのか。


 生徒たちは皆、女子の目をずっと見ている。


 「パン!パン!」


 俺は手を叩いた。そして、生徒たちは俺の方を向いた。


 「お前たちはこの子がオッドアイって知らなかったのか?」


 俺がそう聴くと、全員が全員頷いた。二年一緒に居て、知らないとかあるのか!?


 「だっていつも、髪で目を隠してるから!」


 俺の爆裂魔法の質問に答えた子が俺にそう言った。すると、先生たちが居る後ろから学園長が歩いて来た。


 そして、学園長は俺の横に来た。


 「ミイア。このクルミナ学園には、その目を気味悪く言う人なんていない。ほら、皆を見てごらん。ミイアの目を気味悪がるどころか興味津々だぞ?」


 学園長の言葉通りにミイアと呼ばれた女子は、顔を上げて皆の顔を見ると、ミイアの青目と水目から涙が溢れてきた。


 「確かに、昔のトラウマという物は中々消えない。だが、そのトラウマに怯え続けてたらずっと消えない。今こそ、本当の自分を出してみないか?」


 やっぱり、こういうことを言える人がリーダーの素質があるということなんだろうな。それとも、学園長も赤目と金目のオッドアイでそういう経験があるのだろうか?


 学園長の言葉にはいつも、実際に体験した人のような重みがあった。


 学園長がミイアの涙を手で拭うと、俺に視線を向けた。


 「ディア。ミイアの髪を切ってくれないだろうか。お代はもちろん出す」


 「それはいいですけど、授業は・・・」


 「ははっ、皆を見てごらん。授業なんかよりミイアのことに興味があるみたいだぞ?」


 授業よりって…まぁ、今のこの子たちには、俺の声など絶対に聞こえないだろう。・・・あ、なら・・・!


 「皆さん!これから授業を変更して、ミイアの髪を切る授業にする!」


 俺がそう言うと、生徒たちは「うぉぉ!!」と、とても楽しみそうな声を出した。でも、ちゃんとした授業として髪を切るので、先生方は安心してくださいと、学園長に言った。


 そして、俺は『魔法空間』から椅子を取り出して、ミイアを座らせた。


 「では、これから、ミイアの髪を切る授業をしていこうと思います」


 始める前にミイアに「どんな感じにしてほしい?」と、聴くと、「先生が一番かわいいと思うような髪にしてください」と、言われた。


 中々に難しいことを要求された。・・・よしっ。これで行こう!


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 「これで・・・終了っと」


 かかった時間、計一時間。


 俺は『魔法空間』から鏡を取り出して、ミイアに鏡を渡した。


 「これが…私?」


 ミイアは生徒たちに顔が見えないように後ろを向いて髪を切っていたので、生徒たちは一体どんなふうになったのかをうずうずして待っている。


 ミイアを見たら、絶対全員「おっふ」と、なるに違いない。それほどまでに髪も似合っているし、なにより目が綺麗。俺と同じ目?と、思うほどである。


 これを気味が悪いなんて言った奴はどこのどいつだ?そいつに、ステナリア直伝の女の正拳をくらわしてやろうか?


 「ミイア、準備は出来たか?」


 「はい!ディア先生!!」


 ミイアのその答えを聞くと、ミイアに立つように指示して立たせると、『魔法空間』に椅子を直した。そして、俺も走って生徒側に入ると、ミイアはこちらに顔を見せた。


 「「「「「おっふ」」」」」


 「「「「「キャァァ!カッワイィィ!!」」」」」


 ミイアが振り向くと、男子と女子で異なる反応を示したが、皆が思っていることは同じだろう。


 男子は目を丸くしながら顔を赤くしていて、女子はミイアの周りに集まっている。


 「ディアは、こういう系が好きなのか?ふふっ。ミイアを見ていると、ステナリアを思い出してしまったよ」


 学園長はそう言いながら俺の横に来た。だが、俺は学園長の言葉に反応しなかった。


 そして、男子も徐々にミイアに所へ集まって皆、楽しそうに話している。


 「ミイアって入学当初からあんな感じだったんですか?」


 「あぁ。ミイアは入学当初からあんな感じだったよ。入学首席の挨拶では、いくらマイクでも声が小さすぎて中々に手が掛かったよ」


 やっぱり、ミイアは入学首席だったか。俺と同じ超人なら、座学と魔法が満点に近かったのだろう。


 「でも今日、ようやく、本当の自分を解放してくれてよかったよ」


 「学園長なら、出来たんじゃないですか?」


 「・・・どうだろうね」


 学園長は腕を組みながらミイアたちのことを、まるで、自分の子供でも見ているような目で見ている。


 生徒は自分の子というのは、本当のことらしい。


 まぁでも、確かに、生徒たちの笑顔を見ていると、いい気持ちになる。


 そう言えば、今って何時だ?そろそろ、お昼ご飯の時間なはず。


 俺は腕時計を見る・・・OMG!


 「学園長!今、何時か分かりますか!?」


 「何時って、十二時ま…え…!」


 学園長も腕時計を見て、今の時間を知ると、慌てだした。そして、急いで生徒たちを『魔法空間』から出して、お昼ご飯時間になった。


 結果、いつものお昼ご飯の時間より三十分も遅くなってしまった。

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