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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
秘書体験

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72話 虹目は守れ

 会議室から出て今は、スカシユリ王国とワーダストを結ぶ街道となる場所に来ていた。


 すぐ下には滝があり、滝が流れる音で耳が辛い。


 目を澄ますと、向こうにあるワーダストが見える。さらに身体魔法を使うと王城が見えた。中までは見えないが、おそらく貴族や超人たちが豪遊しているのだろう。


 『ワーダスト』


 かつては、俺たちと同じ王国だったが、ワーダストの当時の国王の子供が虹目だったらしく、戦争を治めるために国王自らが虹目の子供を殺して戦争を治めた。


 だが、戦争を起こした親としての責任を部下から問われて、国王と王妃様は公衆の前で死刑となった。そして、ワーダスト王国からワーダストとなった。これが千年前の出来事。


 クルミナで習ったワーダストのことは全て良いことではなかった。


 虹目が自分たちの国に生まれて戦争になったというのに、ワーダストは虹目を生むために子供を増やし続けている。


 だが、ワーダストは虹目が生まれた千年前の戦争で、虹目の力を借りて周辺の国々を取り込んだ。


 その結果、大陸で最も大きい国となった。その大きさは、メアロノロス王国が2.5個分。


 その広い土地の三分の一は農業のために使われていて、残りは全て貴族や超人が使っている。


 黒目に生まれた者は一生貴族や超人の奴隷とされ、超人に生まれた者は平民であろうと貴族になり、その代わりに黒目の貴族が平民となり、一生働かされる。


 ワーダストには行ったことがないが、どういう国なんだろうか?過去にワーダストに行ったことのある父さんに聴いたら、最低最悪の国と言っていた。


 そして、『滅ぼせるものならすぐにでも滅ぼしたい』と、ワーダストの方を鋭い目で見ながら言っていた。


 俺は『なら、滅ぼしたらいいじゃん』と言うと、父さんはなぜ滅ぼしたらいけないのかを話してくれた。


 ワーダストにある黒目町の北側には竜の都があり、竜は騒音が大嫌いなので、もし、戦争などで騒音を立てて竜を怒らせたりしたら、この大陸に居る人間が滅びるかもしれないのこと。


 なぜ、竜がワーダストの近くに居るかというと、千年前の戦争で虹目の力で竜を従えたから。その後、その従えた竜が主を失くしたため、その近くの森に住み着いた。


 その住み着いた森が竜たちが自分たちの住みやすさを重視したことによって、竜の都と言われるほどの美しい場所になった。


 戦争以外にワーダストを滅ぼす方法がない俺たちは、ワーダストを滅ぼせないということ。


 それに、ワーダストを滅ぼしたら食糧不足になるからとも言っていた。


 身体魔法を限界まで掛けてもやはり、王城の中は見えない。代わりに見えるのは、手足が細く、顔もやせ細っていて、今にも倒れそうな黒目の女性が鎧を着た人たちに取り押さえられている所。


 あの女性は、元は貴族だったとかだろうか?それとも、平民だろうか?


 まぁ、そのどちらにせよ、あんな姿になるなんて国の底が知れるな。俺はその景色を見うると、俺は手を強く握りしめた。


 ・・・っていうか、滝の音うるさすぎっ!


 だが、俺はまだ確認したいことがあったので、この場から去ることは出来ない。


 俺は周りを見渡して誰もいないことを確認すると、『魔法空間』からダンジョンの虹の宝箱から出てきた竜笛を取り出した。


 そして、取り出した竜笛を吹いた。


 「ヒゥゥ!!」


 竜笛を吹くと、ワーダストから大きい生物が羽をはばたかせて、こちらへやって来るのが見える。


 そして、俺の近くに来ると、羽をはばたかせるのを止めて地上に足を付けた。


 『なんだ、また我を乗り物代わりにするつもりか?』


 『いやいや、今回呼んだのは質問があって呼んだんだ』


 『ほう?なんだ。答えれるものなら答えてやろう』


 ファイアドラゴンはそう言うと、手で「何でも来い」と、言っているようなジェスチャーをした。


 『ワーダストを滅ぼすのって駄目か?』

 

 『あぁ、ダメだ。騒音の件もそうだが、今ワーダストを滅ぼされたら、虹目が生まれそうというのに、戦争になって食糧不足になったらどうする』


 戦争で食糧不足ねぇ・・・


 『竜が戦争を治めることって出来ないのか?』


 『・・・それは、罪のない虹目の赤子を我ら竜種が殺せということか?』

 

 ファイアドラゴンは羽を大きく俺に向かって振り下ろした。そして、鋭い目つきも同時に見降ろされた。


 『我々は罪のない赤子を殺すことなど断じて出来ない!!』


 ファイアドラゴンは俺の顔にギリギリまで近づいてそう言った。


 ヤバい…めっちゃちびりそうになった…。ファイアドラゴンの口の中は、たくさんの鋭い牙があり、本気の物理障壁を貫きそうなほどの鋭さ。そして、シンプルに顔が怖い。


 ファイアドラゴンは俺にそう言うと、鼻息を俺に直撃させて、俺から離れた。


 『だが、赤子を守ることは出来る。お前もその時は、殺すのではなく守ることを考えろ』


 『は、はい!!』


 こんなところで、ふざけたらあの牙で噛まれるかもしれないと考えると、反射的にそう口が動いて答えた。


 『用はこれだけか』


 『はい!これだけです!』


 『なぜ、そんな固い?』


 『いえ!固くないです!』


 俺は背筋を伸ばして、足は閉じてそう答えた。


 『大丈夫だ。我はお前を倒すことが出来ない』


 俺はそれを聞いた瞬間、固かった顔が溶けたように感じた。


 『だが、最終手段で倒すこともできる』


 溶けた俺の顔だが、すぐにもとの固い顔に戻ってしまった。


 そして、ファイアドラゴンは去り際に俺に聴いてきた。


 『お前の名は何と言う』

 

 『ディア。ディア・シュラスト』


 『ディアか。我の名はヴァレルス。ファイアドラゴンのヴァレルス』


 ヴァレルスはそう言うと、羽をはばたかせて、空に飛ぶと、ワーダストの方へ飛んで行った。


 俺はその姿を見て、決心した。


 虹目が生まれたら必ず守り切って、歴史上で初めての虹目を殺さずに戦争を終わらせようと。

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