71話 街道
王城に入ると、王城の専属メイドが居て、俺を見ると、俺の腕を掴んだ。そして、王城の専属メイド三人に引きずられて会議室に連れてこられた。
会議室に連れてこられると、俺を連れて来た一人のメイドが扉を叩いた。
すると、会議室の中から誰かの声・・・いや、この声はユリウスさんの声だな。
そして、「ディア様が来ました」と、メイドが言うと、ユリウスさんが「入って来てくれ」と、言った。
メイドは会議室の扉を開けてくれたので俺は「ありがとう」と、言って会議室の中に入った。
会議室に入ると、久しぶりのメンツが揃っていた。
そのメンツとは、プロテア陛下とユリウスさん、父さんとヒューズさんの四人。
「ディア、空いている席に座ってくれ」
会議室に入ると早々、プロテア陛下にそう言われた。
「あ、はい」
言葉に詰まってしまった。俺はそう言うと、空いている端の席に座った。
「・・・どうしたディア?」
「俺、戦場に居たんですよ?しかも、最前線。少しはその・・・何かないんですか?」
俺がそう言うと、プロテア陛下が笑って答えた。
「ディアなら死なないと思っていたからな。それよりも、アキレア王国での出来事を教えてくれないか?」
俺は「はぁ」と、ため息をついて、アキレア王国での出来事を話した。その時間、4時間。
・・・・・・
・・・・・・
「なるほど。そんなことがあったのか」
「はい。一年くらい掛かるかなと思っていたら、一か月ちょっとで救っちゃいました」
まず、ダンジョンでナノハさんを助けるのに2~3カ月くらい、そして、国を救うのに10カ月くらい掛かると思っていた。
だが、ダンジョンでは『記録球』で3層から13層までスキップし、カランコエ陛下の進むのが速すぎて一日も経たずにナノハさんを救えた。
そして、アキレア王国は敵の動きが速かったのと、アキレア王国も動きが速かったので、すぐに戦いになり、その戦いに勝利しアキレア王国を救った。
一番時間が掛かったのは、その後の色々な対応。
これだけ早く終わったのは、俺の運が効いたのだろう。これも、魔法で色々な人を救ってきたおかげだ。
「敵の元凶は死刑されたと聞いたが?」
「はい。公衆の面前で首を斬られました」
正直、公衆の面前でする意味はあるのか?と、思っている。
「まぁ、国盗りをしようとしたんだ。それは、すごく重い罪だからな」
プロテア陛下の横に座っている父さんがそう言った。まぁ、国盗りの他に王族を殺そうとしたからな。
そして、俺たちの会話は元々話していた議題になった。
その議題とは・・・
「ということでディア、頼んだぞ」
「はい・・・」
その議題とは、ワーダストとの街道整備について。
なんでも昨日、急にワーダストから貿易したいという国章のハンコが押してある手紙をハウワーが持って来たらしい。
スカシユリ王国とワーダストの間には、流れが速いことで有名な滝が流れており、街道は、土魔法で丈夫な土台を造ってから作業を進めないといけない。なぜなら、その滝に落ちたらもう死しか待っていないから。
そのため、魔法士の招集や魔力ポーションの話をしていた時に、俺が帰って来た。
なら、国の魔法士を使って、魔力ポーションも使うより、俺がやる方が効率が良いとのこと。
それは分かるけど、俺すぐにルニアのところ戻ろうとしてたんだけど・・・。あそこに安全な土台を造るには、まぁでも一週間くらいか。
俺が街道の件を了承すると、会議は終了した。
皆が会議室から出ようとする中、俺はプロテア陛下を呼び止めた。
「陛下、大事な話があるんです」
「・・・どうした、ディア?」
「・・・二日後に、アキレア王国のカランコエ陛下がこの国に来ます」
「「「「えぇ!!」」」」
俺がそう言うと、陛下や横に居た父さんだけでなく、会議室から出ようとしていたユリウスさんとヒューズさんも振り返ってそう叫んだ。
「ディア、カランコエ陛下は何をしにこの国に来るんだ?」
「これからの関係についてだと思う」
俺はそう父さんに答えると、父さんは胸ポケットからメモ帳を取り出した。そして、ペンで何かを書き記した。
書き記すと、メモ帳を胸ポケットに直して、会議室から出て行った。それに続いて、プロテア陛下も会議室から出て行った。
会議室に一人残った俺は、街道となる所を見に行こうと思い、会議室から出た。




