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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
秘書体験

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70話 アキレア王国、さらば

 俺との戦いに負けた強兵はアキレア軍に捕まえられた。そして、最後にこの戦場に残った俺たちの敵は・・・


 四つん這いになりながら泣いているモデラ。


 俺たちはモデラに近寄った。


 モデラは俺たちが近寄ると立ち上がった。


 「あ"あぁぁぁ!!」


 立ち上がったモデラはしまっていたナイフで先頭に居るカランコエ陛下を刺そうとしたが、そのナイフをカランコエ陛下は素手で止めた。


 カランコエ陛下の丈夫な皮膚を貫くことが出来ずに、止めたカランコエ陛下は人差し指と親指でナイフを折った。


 それを見たモデラは、まるで何もかもに失望したような目をした。


 「これで終わりだ。モデラ」


 「ははっ。・・・本当に…超人は…ずるい生き物だ・・・」


 モデラはそう言うと、両手を差し出した。その手をカランコエ陛下が取った。


 「モデラ。国盗りという罪は、重いぞ」


 「はい。分かっています」


 これにて、この戦いの元凶である大富豪「モデラ」が捕まった。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 「陛下、お世話になりました!」


 「こちらこそ、君たちが居なければこの国は富豪たちの手にあったかもしれない。ありがとう」

 

 カランコエ陛下とルニアは握手を交わした。

 

 富豪軍とアキレア軍の戦いの後、処理や富豪たちの処分など色々あり、気付けば一か月が経っていた。


 あの後、モデラを中心とした元凶富豪たちは皆、刑は処刑となった。その処刑は一週間後に皆に見られながら行われた。


 だが、アキレアの民衆は富豪たちに何かされたわけでもないので、この富豪に反対する者も居た。


 このアキレア王国の事件はすぐに大陸中に知れ渡った。その対応もしないといけなかったので一か月という長い時間が掛かった。


 「ディア君もありがとう」


 俺もカランコエ陛下と握手を交わした。


 「あ、あと、日程は何時頃にしようか?」


 「三日後でお願いします」


 「あぁ。無理にでも空けておくよ」


 こうして、カランコエ陛下との挨拶を済ませると、『魔法空間』に俺たちが乗って来た馬車を入れた。帰りは、行きとは違く、『空間転移』で帰る。


 ちなみに、この場にナノハさんとカタリナはいない。


 この一か月間、ずっと事務仕事などの日々で、昨日ついに終わると羽を伸ばしにダンジョンに入って行った。


 俺の両肩には、ルニアとロオが手を置いている。


 俺は目をつぶり、想像している場所は、メアロノロス王国の王城前。


 笑って見送ってくれるアキレア王国の人たちにルニアは泣いている。俺は『空間転移』の準備が完了した。


 「では」


 「あぁ!!」


 カランコエ陛下がそう言うと、俺の『空間転移』が発動された。


 これにて、アキレア王国第一王女ナノハ・アキレアのダンジョンからの救出、アキレア王国の乗っ取りを防ぐという俺の役目が終わった。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 『空間転移』でメアロノロス王国の王城の前に転移した俺たちは、胴上げをされている。そして、その周りには色々な楽器で演奏をしている。


 何故このようになったのかというと・・・


 転移してきた俺たちを見た王城の門番の二人が、王城にものすごい速さで入ると、中から色々な人が来て、その中にはロウバイ陛下も居た。


 そして、誰かが「帰って来たぞ!!!」と、めちゃくちゃ大きな声で言うと、メアロノロス王国全体から歓声が上がり、周りから楽器を持った人たちが集まると、王城から出て来た人たちによって胴上げが始まった。


 胴上げが終わると、俺とルニアはロウバイ陛下に呼ばれ、謁見の間に来た。


 謁見の間には、ロウバイ陛下以外にも色々な貴族たちが居た。


 謁見の間では、アキレア王国までの道のりのこと、カランコエ陛下やナノハさんのこと、ダンジョンのこと、戦いのことを聴かれてた。その時間なんと5時間以上。


 途中で休憩があったものの、やはり5時間はしんどかった。

 

 謁見の間での話し合いが終わったら空はかなり暗くなっていたので、スカシユリ王国に帰ろうと思っていたが、その日は王宮のお世話になった。


 次の日には、お昼ご飯を食べ終わると、ロウバイ陛下に挨拶をしてスカシユリ王国に『空間転移』で帰った。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 『空間転移』で転移した所はスカシユリ王国の王城前。


 転移するとやっぱり、スカシユリ王国は緩い国だと思った。


 メアロノロス王国とアキレア王国の王城と違って、門番がいない。まぁ、門番が居ても、変身魔法で門番に変身している敵かもしれないからな。いや、でも、門番は居る方がいいだろ。


 俺はそんなことを思いながら王城に入った。

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