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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
秘書体験

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69話 終戦

 「ディア!!」


 『ウィルド』を使って戦場となっている所に、ちょうど両軍の間に先ほど吹き飛ばした天井があったのでそこに着地した。


 すると、アキレア軍にルニアが居た。


 「おぉ、ルニアッ」


 俺がそう言いかけると、地面となっている天井が傾いたので、転びそうになった。


 というか、この地面バランス取りづらいな。さっきから、何かよく動くし。


 「お、お前!何でここに居る!?腕輪を・・・ない!?」


 振り返ると、モデラが俺を指差しながらそう言った。すみませんね、モデラさん。あの腕輪、不良品でしたよ。


 そして、モデラの横には変身魔法でルニアに化けていた女と変身魔法で門番に化けていた男が、俺のことを目を丸くして見ていた。


 「あの腕輪、何か叩いてたら二つに割れましたよ。ほら」


 俺はそう言うって、『魔法空間』から二つに割れている腕輪を取り出して、見せた。そして、二つに割れた腕輪をモデラたちへ投げた。


 モデラは二つに割れた腕輪を見ると、膝を付いて泣き出した。


 「わ、私の全財産がぁぁ!!」


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 『これが『魔力失輪』なのか?』


 『あぁ。そうだ』


 目の前の商人の女性は『魔力失輪』を私に見して、そう言った。


 『魔力失輪』初めて見た。この世界で見つかっている数が一つしかないダンジョン財宝の一種。見た目はただの腕輪にしか見えない。


 この腕輪を付けるた者は、魔力をすべて失う。ということは、魔法が使えなくなるということ。水目の超人からすれば、自慢の魔法が使えなくなるという天敵のような物。


 その『魔力失輪』が私の手に・・・!


 『それじゃ、先に支払ってもらおうか』


 『おぉ!そうだったな。ほれ。私の全財産だ』


 二つの重い大きい箱を商人の女性に渡した。


 『確かに受け取った』


 ついに、ついに、『魔力失輪』が手に入る!あの小僧さえいなくなれば、私たちの勝利は絶対だ!!


 私は商人の女性から『魔力失輪』を受け取った。


 『・・・それは、誰に使おうとしてるんですか?』

 

 『ふふっ。あるオッドアイの少年だ。あいつさえいなくなれば、私たちの勝ちは絶対なのでね』


 私はそう言って、私は受け取った『魔力失輪』を握りしめて、馬車に乗った。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 『ふぅ~』


 モデラが馬車で去って行ったその場には商人の女性が一人残っている。その女性は、先ほどまでモデラと大きな取引をしていた。


 商人の女性は、モデラから受け取った大きく重い箱を持ちながら、モデラが去っていくのを眺めていた。


 『あんな物にこれだけの金を掛けるとはやはり、富豪というのはバカだな。あいつなら、すぐに不良品だと分かるだろうに』


 商人の女性は、そう言うと、モデラが去って行った方向と逆の方向に歩いて行った。


 そして、商人の女性にドラゴンのような羽が背中に生えた。


 『魔道具が三百年も同じ状態なわけないだろう。昔はどんなことをしても壊れないと言われていたが、今では地面に強く叩き付けばすぐに壊れるだろう』


 商人の女性は、生えた羽をはばたかせて飛んでいく。商人の女性は、飛んでいくと、大きく重い箱の中の物をワーダストの黒目町に落とした。


 その中の物は、この黒い雰囲気の町の上空を輝かしていた。


 『これで、半年はもつだろう』


 商人の女性は、黒目町に居る者全体に向けてそう言った。そして、商人の女性は、本当の姿に変わった。


 本当の姿に変わった商人の女性は、竜の都に帰って行った。


 ・・・・・・

 ・・・・・・

 

 膝を付いて泣き出したモデラは立ち上がると・・・

 

 「あの女!不良品を売りつけやがって!!」


 そう言って、二つに割れた腕輪を粉々になるまで踏みつけた。


 「もう終わりだ…。この小僧が居たら私たちは絶対に勝てない…」


 モデラはそう言うと、後ろからめちゃくちゃ見覚えのあるやつが出て来た。そして、出て来た奴は俺にこう言った。


 「いや、俺が本気を出せば勝てるかもしれない。・・・本気でやろう。オッドアイの少年」


 俺が夜ご飯を食べ過ぎた時の夜、俺がベランダで休んでいる所に現れた強兵。


 「怪我は治ったのか?」


 「あぁ。お前が富豪町に俺を吹き飛ばしてくれたおかげでな」


 俺は強兵からの回答に笑い、鉄の天井の地面から離れた。すると、鉄の天井の地面が吹き飛んで、人が現れた。


 鉄の天井があった所には、八人居り、その中の七人は倒れているが、一人だけは立ち上がった。その立ち上がった人物は、富豪たちとの会話に居た強兵の一人だった。


 「『物理障壁』」


 立ち上がった強兵は、俺に突進してきたが『物理障壁』で防いだ。


 「『魔法障壁』」


 次に後ろに居る強兵から、『ライジング』が来たが『魔法障壁』で防いだ。


 次は俺の番だと思い、『ウィルド』を撃った。


 俺に突進してきた強兵は『ウィルド』に吹き飛ばされたが、後ろに居た強兵が吹き飛んだ強兵を掴んだ。


 「皆ぁ!!開始だ!!」


 後ろでルニアがそう大きい声で言った。そして、止まっていた両軍が、お互いの敵に向かって走り出した。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 戦いは進んで、状況といえば、アキレア軍が富豪軍を圧倒している。


 これは、俺が皆を倒しているのではなく、ただ、富豪軍の兵士が弱く、アキレア軍の兵士が強いだけ。そして、ルニアの指揮が効いている。やはり、金目は本物だな。


 俺はというと、あの夜に戦った強兵と戦っている。


 だが、その戦闘は一方的だ。お互いが最大まで身体魔法を掛けて、物理と魔法の戦闘が行われていた。


 しかし、強兵の攻撃は全て俺の障壁によって防がれているが、俺の攻撃を強兵は防げない。


 そもそも、魔法は瞬間的に使うこと難しいので、いくら魔力が高くても、魔法を発動出来なければ意味がない。


 なので、強兵は障壁を使わずに、攻撃に意識を強めている。


 しかし、攻撃は全て俺に防がれて、俺の攻撃を防げない強兵との戦いは一方的だった。


 「はぁ、はぁ、はぁ」


 強兵は膝を付いている。そして、身体は傷だらけ。


 もうそろそろ、この戦いが終わりそうだな。


 「はぁ。お前に勝つにはやはりこの魔法しかないか」


 強兵はそう言うと、ポケットから魔力ポーションを四本取り出して、飲んだ。


 それは、強兵は魔力消費200のある魔法を使おうとしているからだと俺は思う。


 「これで、お前が死ななければお前の勝ち。これで、お前が死んだら俺の勝ちだ」


 「俺「たち」の勝ちじゃないんだな」


 「あぁ。こんな状況でもう勝てるとは思ってない」


 強兵の言うように、この状況ではもう富豪軍の勝ち目はないだろう。目の前に居る者以外の強兵は全てやられていて、アキレア軍は俺と強兵との戦いを見守っている。


 だが、お前がこれから使おうとしている魔法なら、この状況を逆転できるかもしれない。


 「いくぞ!小僧!!『エクスプロージョン』!!!」


 強兵は俺に向かって最強爆裂魔法の『エクスプロージョン』を俺に向かって撃ってきた。


 『エクスプロージョン』は広範囲攻撃だが、ルニアのおかげで皆は『エクスプロージョン』が届かない距離に移動している。


 『エクスプロージョン』も『エクスレーション」と同じで、魔法が当たるとそこを中心として爆破する。なので、強兵も『エクスプロージョン』が届かない距離まで離れている。


 俺は残りの魔力560を全て魔法障壁につぎ込んだ。


 「バァァァンン!!!!」


 『エクスプロージョン』が俺にぶつかると、俺を中心として爆破している。爆破している中に居るという体験は中々できないだろう。爆破の中は、外の景色が何も見えなく、見えるのは赤い景色。


 『エクスプロージョン』の爆破時間は約10秒。


 10、9、8、7、6、5、4、3、2,1・・・『エクスプロージョン』の爆破が終わり、外の景色が見えてきた。


 外の景色が見えてくると、笑いながら俺のことを見ている強兵の姿があった。


 俺は強兵の所へ来た。


 「俺の勝ちだ」


 「あぁ。俺の負けだ」


 こうして、俺と強兵の戦い・・・いや、富豪軍とアキレア軍の国を掛けた戦いは、アキレア軍の勝利となって幕を閉じた。

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